アメリカには63の国立公園があります。そのなかで最も多くの人々が訪れるのが、ノースカロライナ州とテネシー州にまたがる グレート・スモーキー山脈国立公園(Great Smoky Mountains National Park)。
日本ではまだ知名度が高いとは言えませんが、この場所は「生物多様性の宝庫」「自然の美しい景観」「古代の地質をとどめる山脈」として、1983年にユネスコ世界遺産に登録されました。
さらに、入園料が無料。毎年1,300万人以上が訪れる人気スポットです。
本記事は、その魅力や楽しみ方を、英語を交えながらご紹介します。
グレート・スモーキー山脈国立公園ってどんなところ?

1940年、フランクリン・ルーズベルト大統領によって公式にオープンされた国立公園です。
名前の由来は?
公園を歩いていると、山の斜面に白い霧がゆらゆら漂っているのに気づきます。これは煙ではなく、樹木から放出された揮発性有機化合物が光と反応してできた「天然のミスト」。その姿がまるで煙のように見えることから “Smoky Mountains” と呼ばれるようになったのです。
訳)木々から生まれる自然の霧で、山が煙って見えるんです。
生物多様性 ― “Biodiversity”
公園の広さは約2,110 km²でアメリカ東部で最も広い保護地域の一つです。標高1,800mを超える山々が16あります。気候や環境の違いから驚くほど多様な生態系が育まれています。
確認されている生物は19,000種以上、推定では80,000種を超えるとも。200種以上の鳥類、60種の哺乳類、カワマスなど50種の魚類、サンショウウオを含む43種の両生類などが確認されています。
ここでしか確認されていない固有種も少なくありません。ブラックベア、ホワイトテールディア、レッドフォックスなどが生息しています。
樹木も100種以上あり、北米の国立公園の中でも最も生物多様性が豊かな場所のひとつです。
訳)グレート・スモーキー山脈は豊かな生物多様性で有名です。
2億年以上の歴史を刻む山並み
グレート・スモーキー山脈は、アパラチア山脈の一部で、誕生はおよそ2億〜3億年前。地球上で最も古い山脈のひとつです。
ロッキー山脈のように鋭い稜線ではなく、長い時間をかけて浸食された丸みを帯びた山並みが特徴。特に秋には紅葉が山一面を染め、まるで絵画のような美しさを生み出します。
先住民族チェロキーの聖地
この地は古くから チェロキー族 の聖なる場所とされてきました。神話や儀式にまつわる伝承が残り、山や川の名前の多くもチェロキー語に由来しています。
現在も「チェロキー居留地:Eastern Band of Cherokee Indians」が公園近くにあり、博物館や伝統舞踊、工芸などを通じて文化を体験することができます。自然と文化を同時に守り伝える、稀有な国立公園といえるでしょう。
世界遺産としての価値
グレート・スモーキー山脈国立公園は1983年にユネスコ世界自然遺産に登録されました。登録名称は「Great Smoky Mountains National Park」です。
登録理由は?
登録理由は主に以下の点です。
- 霧に包まれた山々、美しい滝、多様な森林が広がり、美しい自然美が見られる
- アパラチア山脈の形成過程を示す地質学的特徴が見られる
- 進行中の生態系、生物多様性の保全における重要な例である
- 多くの希少種や絶滅危惧種が生息している
UNESCO World Heritage Convention:Great Smoky Mountains National Park
覚えておきたい英会話フレーズ
グレート・スモーキー山脈国立公園を訪れたら、世界各国から来ている観光客と感動を共有できるといいですね。実際に現地を旅しているイメージの会話を紹介します。
訳)わぁ、山が本当にスモーキーだね!
訳)森から出る自然の霧なんだよ。
訳)色がすごい!赤、オレンジ、黄金色でいっぱい。
訳)スモーキーの秋は本当に魔法みたいだね。
訳)この博物館、チェロキー族のことがよくわかるね。
訳)彼らの文化はこの山々と深く結びついてるんだ。
おすすめの楽しみ方

グレート・スモーキー山脈国立公園は、ハイキングだけではなく、歴史、文化、自然の驚異を体験できる場所です。ここからは、おすすめの楽しみ方を紹介します。
ビジター・センター
公園のビジター・センターは、旅の始まりに立ち寄るといいですね。レンジャーによる自然や歴史の解説、季節ごとのイベント案内、野生動物に関する最新情報を得ることができます。館内には展示スペースがあり、公園の地質や動植物のことを学べます。地図やガイドブック、関連書籍、お土産も購入できます。
ケーズ・コーブ(Cades Cove)
緑に囲まれた谷間。かつてチェロキー族が狩猟を行い、のちにヨーロッパ系開拓者が入植しました。今でも19世紀の教会や学校が残り、歴史を肌で感じられます。11マイルの周回道路を車や自転車で巡るのも人気。春には野の花が咲き誇り、秋には黄金色の風景が広がります。
ハイキング
150以上のハイキング・トレイルがあり、滝や絶景スポットをめぐることができます。公園を縦断する 「アパラチアン・トレイル:Appalachian Trail」 は公園を横切っているロングトレイルで、ハイカーの憧れです。
その他のアクティビティ
アウトドア好きにはたまらない多彩な体験も用意されています。清流での渓流釣り(fishing)は、心を落ち着けながら自然と向き合う時間を楽しめます。馬に乗って森を散策する乗馬(horseback riding)は、子どもから大人まで人気のアクティビティ。サイクリング(cycling)は特にケーズ・コーブでの体験が有名。さらに夏には川で浮き輪に乗って流れるウォーターチュービング(water tubing)が大人気。暑さを忘れ、思い切り自然と戯れることができます。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう!
グレート・スモーキー山脈国立公園は、生き物や歴史、文化を感じながら歩ける場所です。旅先で英語のフレーズを使えば、現地の人やガイドとの会話も楽しめますし、景色の感動をより豊かに伝えられます。たとえば「This view is amazing!(この景色、すごい!)」と声に出すだけで、旅の体験がぐっと特別になります。
自然と文化に触れながら、英語を使って世界遺産を思いきり楽しんでみましょう。
