性別と言えば、英語だとManとWomanを使うこともあれば、MaleとFemaleを使うこともありますよね。どちらも同じように性別の区別をする言い方ですが、どう使い分ければ良いのでしょうか。一般的にはManやWomanが使われているけれど、パスポートの性別を示す欄はMaleとFemaleだったなと思う人もいるのではないでしょうか。ここでは、英語による性別を示す表現について解説していきます。

man / woman

まずはよく使うManとWomanの解説から。こちらは、「個人に重点が置かれた男性と女性」というニュアンスを含んでいます。あまり意識せず使っているかもしれませんが、後で見る別の単語と比べれば違いがわかるはずです。

ちなみにこちら、複数形のスペルには注意が必要なものです。ManはMen、WomanはWomenと書きます。大人の男性と女性に使うもので、年齢を示してどんな人かを示したいならYoung manなど、形容詞を付けます。

また、ManとWomanには社会的かつ文化的な性別という意味もあるため、例えば「女性の権利」と言いたければWomen’s rightと言います。

社会に貢献していくという意味では社会的とも言えるので、働いている人の性別もManとWomanで表します。あえて男性か女性かを区別したいのであれば、例えば「女医」はA woman doctorと言います。

ちなみに、ManとWomanを使う場合、その性別を表す単語はGenderとなります。

gentle man / lady

gentle man / lady

レディース・アンド・ジェントルメン!という言葉があるように、性別を表す表現にはGentle manとLadyもありましたね。こちらは、レディース・アンド・ジェントルメンという言葉が使われているシチュエーションを思い浮かべてもらえれば、より丁寧に皆に呼び掛けていることが想像できるでしょう。

ですから、Gentle manとLadyにはより優しい表現であるというイメージがあります。女性に直接呼びかける時には、WomanではなくLadyと言うのは英語圏では当たり前。

レディーファーストなんて言葉もありますからね。相手の名前がわからず、しかし落とし物をして呼び掛けたい時などに使えます。もしくは、Ms.という単語を使うこともあるので、空港などでこのように呼び止められることも。知らないと無視してしまうので、どんな呼ばれ方をするかは知っておきましょう。

male / female

では、MaleとFemaleはManとWomanとどのように違うのでしょうか。こちらは、「生物学的な性別」を表すという特徴があります。ManとWomanが文化的、社会的な性別を表したのに対し、MaleとFemaleは人間のオスかメスかというニュアンスで使います。ちなみに、MaleとFemaleは名詞でもある形容詞でもあるのでどちらでも使えますよ!

生物学的な性別を表すという特徴を持つ単語なので、人間だけでなく動物や植物に対しても使える単語というのは覚えておきましょう。ですから、MaleとFemaleは個人に向けて言うのは大変違和感のあるものになり、結果としてManとWomanの方が使われる頻度が高くなるのです。

あくまで生物学的な性別を表すということに特化しているため、a male childやa female child、a male dogやa female dog、a female flowerやa female flowerと表現できます。そして、MaleとFemaleを使う場合の性別という意味で使う単語はSexとなります。

統計を取る時などは、個人個人に重きを置くよりは性別に注目したいので、MaleとFemaleの方を使います。パスポートがMaleとFemaleになっているわけはここにあります。戸籍上の性別を問う事務的な作業ですから、ManとWomanという記載ではないのです。

男女以外の性別

男女以外の性別

ここまでは性別と言っても男性と女性に限ってきましたが、最近ようやく日本でも少しずつ認められつつあるのが、男性でも女性でもない性別です。よく知られているのはLGBTですよね。これは英語の頭文字を集めたもので、以下のような英語になっています。

  • L = Lesbian(レズビアン=女性同性愛者)
  • G = Gay(ゲイ=男性同性愛者)
  • B = Bisexual(バイセクシュアル=両性愛者)
  • T = Transgender(トランスジェンダー=身体上の性別に違和感を持った人)

ちなみに、最近ではこれに追加してLGBTQと言ったりもしますが、このQは以下の意味です。

  • Q = Questioning(クエスチョニング=自身の性自認や性的指向が定まっていない人)

他にも実にたくさんの性別があり、たとえばアメリカのFacebookに登録しようとしたら、50種類の性別が選べるとのことです。たくさんあるのでその一部をご紹介しますね。

  • Agender:ジェンダーをもたない人。
  • Androgyne:両性。男女どちらのジェンダー・ロールにも当てはまらない人。
  • Androgynous:両性的。中性的。
  • Bigender:2つのジェンダーを持っていて、切り替えながら暮らしている人。
  • Cisgender:Transgenderの反対語。生まれ持った性と自分が認識している性が一致している人。
  • Cis Female:Cisgenderの女性。生物学的に女性で自己を女性と認識している人。
  • Cis Male:Cisgenderの男性。生物学的に男性で自己を男性と認識している人。
  • Female to Male:女性の体を持って生まれたが男性として自分を認識している人。
  • Gender Fluid:ジェンダーが流動的な人。男女の間を揺れ動いている人。
  • Genderqueer:既存のジェンダー分類に当てはまらない人全般。
  • Intersex:インターセックス。半陰陽。性分化疾患。
  • Male to Female:男性の体を持って生まれたが女性として自分を認識している人。
  • MTF:Male to Femaleの略。
  • Neither:男女どちらでもない。
  • Trans Female:トランスの女性。
  • Trans* Female:トランス + αの女性。
  • Trans Male:トランスの男性。
  • Trans* Male:トランス + αの男性。
  • Trans Person:トランスの人。
  • Trans* Person:トランス + αの人。
  • Transfeminine:どちらかといえば女性なトランスの人。
  • Transgender:トランスジェンダー。
  • Transgender Female:トランスジェンダーの女性。
  • Transgender Male:トランスジェンダーの男性。”

ちょっと区分けしすぎのような気もしますが、自分の性を正しく知りたいと思うのは自分を知りたいと思う自然な欲求なのでしょう。

まとめ

性別を英語でどう言うのか、これでわかりましたね。ManとWomanは個人を表し、社会的、文化的な要素を含んでいる性別です。ですから普段はこちらをよく使うことになります。そしてMaleとFemaleは、生物学的な性別を表し、個人を見る必要はなく単に事務的に男性か女性かを示す時に使われるのでしたね。