Silly boy, what have you done?
このような親子の会話がよくあります。さて、このsillyはどのような意味なのでしょう?

この記事では、英語sillyがネイティブにどう使われているのか紹介します。レベルの違う馬鹿の英語stupidやfoolishとの違いも解説、コミュニケーションで間違った使い方を回避するためにもご参考にしてください。

「馬鹿」の英語

まず、本記事は「馬鹿(ばか)」が多発されますが、どうぞご了承ください。

馬鹿の類語

皆さんは普段、誰かをバカなんて呼ぶことはそうないかもしれません。馬鹿の類語には、愚か・アホ・低脳・間抜け・無能などがあり、誰かからこんなことを言われたら心がギュッと縮んでしまいそうですね。

しかし、実際の会話では異なるレベルのバカがあります。
例えば、
「なんて馬鹿なことしたんだ。責任取れるのか?」
から、
「あいつ、バカだなぁ」
という違いです。
同じ馬鹿でも完全に非難をしていること、一方愛情を持って言う場合、これらでは馬鹿のニュアンスがまったく違います。

馬鹿の英語

外国人も会話で「馬鹿」と言うことがあります。そして、バカに当たる英語は日本語のようにひとつではありません。

レベルは違うものの、以下がバカを表す表現になります。

  • silly
  • stupid
  • foolish
  • idiot
  • mad
  • crazy
  • insane
  • anserine
  • ignorant
  • unintelligent
  • brainless………

この後、さらに続いていきます。Stupid Synonyms 447 similar and opposite wordsや119 Synonyms & antonyms for Stupid personなどサイトがあり、バカの種類の多さを感じます(笑)

それでは、まず本題のsilly、次にstupidやfoolishについての解説を進めましょう。

sillyのニュアンス

sillyのニュアンス

冒頭の例文に戻ります。
Silly boy, what have you done?
どうやら、何かやらかした子どもに親が声をかけているシーンのようです。このときのsillyにはどのようなニュアンスが含まれているのでしょう?

sillyで「おばかさん」「バカだなぁ」

馬鹿の深刻度レベルが低いのがsillyです。sillyはカタカナ語の発音でスィリィ、辞書で調べると形容詞として「愚かな・分別のない」「ばかげた」などの意味が見つかります。
ところが、ネイティブはそれほど深刻にsillyを使いません。それもそのはず、sillyの語源は西ドイツ語のhappy(幸せ)に当たる言葉に由来しており、そこから無邪気ー世間知らずーおめでたいーおばかな、という流れになってきたのです。

Aさん
Silly boy, what have you done?
訳)おばかさんね、何しちゃったの?

sillyにはこの程度のバカ深刻度が含まれます。
例えば、転んで泣いている子どもにこんなフレーズを使います。親しみと愛情を込めて、憎めないような相手や事に対し「あらあら、仕方ないわね」的な感情を伴うとも言えます。この例文をNick, what have you done?にすると、どうでしょう?「ニック、何しちゃった?」ではおバカ加減が少しアップしてしまいます。

ちなみに、GoogleのAlexa、AppleのシリーはSiriですのでお間違い無く!

stupidとfoolishの違い

sillyのバカ深刻度が軽いと分かったところで、次のレベルであるstupidとfoolishを取り上げます。これらの比較をすることで馬鹿の深刻度を理解していきましょう。

stupid > foolish

まず押さえておきたいのは、stupid(スチューピッド)とfoolish(フーリシュ)のどちらがバカのレベルが厳しいかという点です。
その答えですが、stupid > foolishであり、foolishのほうがstupidよりもレベルが低めで穏やかさを持っています。逆に言えば、stupidはかなり強めに馬鹿を表現するということになります。

stupidとfoolishの使い方

stupidは知性や常識が著しく欠けているようなとき、頭が悪い・愚かな・馬鹿な・くだらないという意味で、イライラするほど相手を愚かだと思うときに使います。知性や精神的な機敏さがないという強めのバカ表現ですので、よっぽどのことがない限りstupidの使用は避けたほうがよいでしょう。

Aさん
He is very stupid; he doesn’t understand what he has been doing in the community.
訳)彼はとっても頭が悪く、自分がコミュニティで何をしてきたのか理解していません。
Aさん
Don’t make such stupid mistakes again!
訳)二度とそんな馬鹿な間違いをするな!
Aさん
I’m so stupid that I dropped my mobile into the toilet!
訳)私、携帯をトイレに落としちゃって本当馬鹿だよ!

どの例文も感情的に相手または自分を批判しています。

一方foolishですが、良識や判断力が欠けていて賢明ではないようなときに使われます。ボールを追いかけて道路に飛び出してしまったようなときは、判断力の欠如が見られる愚かな行動です。

Aさん
It was foolish that I trusted a stranger.
訳)見知らぬ人を信用したのは愚かだったんです。
Aさん
Can you persuade him out of his foolish plan to go surfing in the sea on such a bad day of weather?
訳)こんな天気の悪い日に海でサーフィンをするという愚かな計画をやめるように、彼を説得できないかな?

番外編idiot

idiotとは「stupidな人」を指す名詞です。話し言葉でバカ・あほ・まぬけなどの意味で使用されます。
ネイティブの特に若い人たちの間でYou idiot!という悪口を聞くことがあります。本来はYou’re idiot!ですが、口語としてareが省略されています。

Aさん
It was all your fault that we missed the last train, you idiot!
訳)最終電車に乗り遅れたのぜんぶあなたのせいよ、あほ!

sillyの使い方3選

sillyの使い方3選

ここでsillyに戻り、その使い方をみていきましょう。特に、ネイティブの使う典型的なフレーズ3選を紹介します。

silly mistake

silly mistakeとは直訳で「馬鹿なミス」で、つまらないミス、馬鹿馬鹿しいミスのことを言います。

Aさん
My son answers well on the difficult math questions, but he makes silly mistakes to the easy ones.
訳)息子は、難しい数学の問題にはうまく答えるのだけど、簡単な問題こそつまらないミスをするのよ。

つまらない◯◯ということで言えば、silly ruleで「とるに足らないつまらない決まり」、silly argumentで「くだらない議論」といったニュアンスでも使用できます。

Don’t be silly

Don’t be sillyもネイティブがよく使います。「ばかなこと言うなよ」的なニュアンスで相手を元気づけたり、「そんなことないよ・冗談はよしてくれ」と相手にほめられた場合の謙遜した返事などに使用されます。

Aさん
Can I take you for dinner? I really appreciate your help this time.
訳)夕食に行ける?今回、本当にあなたの助けに感謝してるの。
Bさん
Don’t be silly! I haven’t done anything, you made this by yourself.
訳)そんなことないよ!私は何もしてなくって、あなた自身でやった事だよ。

Silly billy

Silly billyはsillyと同じ意味で使用されるものの、韻を踏んでいてテンポのあるフレーズです。対象は子供が多く、スラングとして憎めないおバカちゃんに使われるイメージを持ってください。

Silly Meの使い方

最後は、これもネイティブがに使うスラングSilly Meを紹介します。自分に対して何してるのワタシ?的なニュアンスを持っています。

Silly Me

自分が何か馬鹿なことをやっちゃった、と一瞬思うことってありませんか?例えば、買い物に行ったのに一番必要なものを買い忘れてしまったと家に戻って気づいたときなんてよくあります。

Aさん
Silly me, I have to go back to the shop to get batteries!
訳)バカバカ、電池買うためにお店に戻らなきゃ!

Silly me=I’m silly/It’s sillyであり、私はおバカという直訳になります。しかし、ピタリと合う日本語にしようとするより感覚で覚えましょう。

まとめ

バカは馬鹿でも、stupidやfoolishと比べ、可愛げのあるおバカを表現するのがsillyです。
そのニュアンスを感じられるよう、今後ネイティブがどのようにsillyを使っているのか聞いてみてください。スラングとしてよく使われていることに気づくはずです。

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