子どもだけでなく、大人にも愛されるテディベア。皆さんは、ある大統領がテディベア誕生に関わっていたことを知っていますか?

この記事では、欧米では根強い人気の「テディベア」を英語表現とともに解説します。ぬいぐるみやルーズベルト大統領も登場、最後にはドイツやイギリスのテディベア人気も紹介しましょう。

Teddy bearの由来とセオドア・ルーズベルト

Teddy bearの由来とセオドア・ルーズベルト

さっそくですが、テディベアを英語にすると”Teddy bear”です。この名前の由来には、一つのストーリーがあります。

セオドア・ルーズベルト第26代大統領

テディベアを語るときに、ルーズベルト大統領に触れないわけにはいきません。
セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)は、1858年10月27日生まれのニューヨーク出身、ニューヨーク州議会議員、アメリカ海軍副長官、ニューヨーク市警察委員長などを得て、第二次世界大戦当時はアメリカ大統領でした。ちなみに、第32代大統領フランクリン・ルーズベルトとは遠い親戚に当たります。

セオドアが救った子グマ

1902年、セオドアはミシシッピ州で狩猟をしていました。このとき子グマが捕らえられ、同行者たちが撃つように言ったところ、セオドアはかわいそうだとそれを拒否したのです。この事が「セオドアは子グマを撃たなかった大統領」として、新聞で大きく報道されました。セオドアは、環境保護に熱心で、アメリカの自然保護運動の先駆者としても知られています。

ニューヨークの玩具店が制作したテディベア

1910年、ニューヨークの玩具店のオーナーであるモリス・ミクトム(Morris Michtom)が、この報道にヒントを得て、小さな熊のぬいぐるみを作ります。Teddy Bearという名前は、ルーズベルト大統領の愛称テディ(Teddy)から付けられました。この小さなぬいぐるみが大ヒットしたのです。

最初のテディベアがどんなぬいぐるみだったか、興味ありませんか?レプリカではあるものの、National Park Serviceという以下のページから見ることができます。

National Park Service “The Story of the Teddy Bear”

テディベアとは

ここまで、アメリカ大統領だったセオドアが狩りで子グマを撃たないと拒否したことが、テディベア誕生に繋がったことが分かりました。
次に、さらにテディベアについて話を続けましょう。

世界で愛されるテディベアの魅力

初期のテディベアは手に収まるサイズで、優しい表情が特徴でした。安心感を感じられる愛おしいぬいぐるみとして、戦争時や災害時にも心を慰める存在でした。

テディベアのコレクション文化

アンティークのテディベアは、投資やコレクションの対象になっています。ぬいぐるみは子どものもの、というイメージにとどまらないテディベアのコレクション文化があります。

Aさん
Vintage Teddy Bears are highly sought after by collectors.
訳)ヴィンテージのテディベアは、コレクターに非常に人気があります。

The World of Bearsというウェブサイトがあります。イギリスを代表するテディベア専門店として、ヴィンテージのページもあります。

The World of Bears “Vintage”

このページでは、いろいろなテディベアが売られています。最高値は1926年のベージュ色のテディベア、その価格は4,000ポンド(約84万円)です。

The World of Bears “Steiff 1926 Vintage Golden Mohair Boy Beige Jointed Teddy Bear”

「ぬいぐるみ」の英語表現

テディベアは、布や綿を作って作られた柔らかい玩具・ぬいぐるみです。さて、ぬいぐるみの英語はどう表現するのでしょう?

soft toy/stuffed animalで「ぬいぐるみ」

ぬいぐるみの英語はいくつかあります。
おもにイギリス英語で使われるのが”soft toy”です。柔らかなおもちゃですから、わかりやすいですね。”soft cuddly toy”とすることもあります。cuddlyは形容詞で玩具などの材質が柔らかいという他、「抱きしめたくなるような・抱き心地が良さそうな・抱きしめたくなるほど可愛い」という意味を持つからです。
stuffed animalというフレーズもありますが、イギリスではあまり聞くことがありません。

”soft toy”を英英辞書で調べると、以下であることが分かります。

a toy animal made from cloth and filled with a soft material so that it is pleasant to hold.
訳)布で作られ、柔らかい素材で詰められた、抱き心地の良いおもちゃの動物。

参考:Cambridge dictionary “soft toy”

soft toyの例文

ではsoft toyを使って、ぬいぐるみの例文を作ってみましょう。

Aさん
I used to sleep holding my soft toy.
訳)私は寝るときにぬいぐるみをよく抱いていました。
Aさん
My son has five dinosaur soft toys.
訳)息子は恐竜のぬいぐるみを5つ持っています。
Aさん
My child was excited at IKEA and said, “Look at those soft toys!”.
訳)私の子どもはIKEAで興奮して「ぬいぐるみたち、見て!」と言いました。

IKEAで子どものエリアに行くと、たくさんのぬいぐるみがいますね。あれらはすべて“soft toy”です。

「クマのぬいぐるみ」の英語表現

「クマのぬいぐるみ」の英語表現

テディベアは、クマのぬいぐるみです。では、テディベアでないクマのぬいぐるみは英語でどう表現するのかもみていきましょう。

a bear soft toyで「クマのぬいぐるみ」

上で学んだぬいぐるみ(soft toy)にa bear(熊)を組み合わせたa bear soft toyで「クマのぬいぐるみ」を表します。

Aさん
My daughter picked a bear soft toy at the toy shop.
訳)娘はおもちゃ屋さんで、クマのぬいぐるみを選びました。

「クマのぬいぐるみ」はTeddy Bearが自然

ところが、a bear soft toyは少し説明的なニュアンスがあり、クマのぬいぐるみを自然な会話で使うときにはTeddy Bearになります。Teddyだけでもクマのぬいぐるみとして通じます。

Aさん
Where is my teddy?
訳)私のテディ(クマのぬいぐるみ)はどこ?
Bさん
She is on your bed.
訳)彼女はベッドの上だよ。
Aさん
I found her!
訳)見つけた!

このように、テディベア=熊のぬいぐるみで問題ないのです。クマほど定着している動物のぬいぐるみはあるでしょうか?!

バースデー・テディとは

人気のテディベアは、誕生日に贈られることもあります。ここでは、バースデー・テディというテディベアを紹介しましょう。

誕生日に贈るバースデー・テディ

バースデー・テディ(Birthday Teddy Bear)は、誕生日に贈る年号や年齢をパーソナライズしたテディベアです。
筆者の住むイギリスでは、年齢を入れたテディベアを贈ることがあります。子どもだけでなく、大人もこのプレゼントをもらうことがあります。

Aさん
I received a birthday teddy from my parents.
訳)両親から、バースデー・テディをもらったの。

ここで一つ、TeddyBearLandというサイトを紹介しましょう。

TeddyBearLand “Birthday”

Aさん
We have a large range of birthday teddy bears here at teddybearland from age specific to generic. We have birthday bears from Steiff and Me to You!
訳)テディベアランドでは、年齢別から汎用タイプまで幅広い誕生日用テディベアを取り揃えています。シュタイフやミー・トゥ・ユーの誕生日ベアもご用意しています!

ところで、この例文に登場した「シュタイフ」とは何のことでしょう?

ドイツとイギリスのテディベア

テディベアは世界中で人気です。そのなかでも、ドイツとイギリスには注目すべき歴史と文化があります。最後に、その点について紹介しましょう。

ドイツ・シュタイフ社のテディベア

モリス・ミクトムがTeddy Bearを制作したのとほぼ同時期に、ドイツのぬいぐるみメーカーであるシュタイフ社(Steiff)が似た熊のぬいぐるみを作りました。このことは、テディベアの世界的普及に大きく貢献しました。

シュタイフ社(Steiff)ウェブサイト

ドイツからイギリスへ渡ったテディベア

1910年代、アメリカとドイツからイギリスに輸入されたテディベアは、1920年代以降にはすっかりイギリス家庭で定着しました。イギリスでは、テディベアはパディントンといった物語などとセットになっていることが大きな特徴です。

そして、テディベアと言えば、あのイギリス最大級の老舗高級百貨店ハロッズ(Harrods)のイメージがあります。
ハロッズでは、定期的に限定版テディベアが販売されたり、シュタイフ社などとのコラボをしたり、高級素材や特別なデザインのテディベアを販売しています。このため、コレクション価値が上がり、ハロッズのテディベア売り場は観光名所としても有名です。ロンドン土産にハロッズのテディベアと言われるほどです。

以下、HarrodsのWebサイトで、ハロッズのテディベアをご覧ください。特に、ハロッズ創立175年記念のテディベアが紹介されています。

Harrods “175 Years of Harrods: Meet the Harrods Bears”

まとめ

本記事では、世界中にファンのいる「テディベア」を英語表現とともに紹介しました。ルーズベルトが狩りで捕らえた熊を撃たなかった大統領として話題になり、おもちゃ屋のオーナーがぬいぐるみのクマを作ったことでテディベアの歴史が始まりました。イギリスに住んでいると、誕生日も可愛いテディベアも子どもの特権ではなく、大人も楽しんでいることを強く感じます。テディベアのストーリーを知ることで、さらに見方が変わってきますね。記事が長くなりましたが、お楽しみいただけていたら嬉しいです。

 

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sachifre 日英リエゾン・通訳翻訳者 / UK-Japan Liaison & Translator
イギリス在住で日英間のリエゾンや通訳・翻訳業務に従事。日本文化とイギリス文化をつなぐ活動を行いながら、英語とコミュニケーションに関する実践的な情報を発信している。