英語は世界中の人が使っている共通語ですが、主にアメリカ英語とイギリス英語の2つに分けることができます。
オーストラリアやニュージーランド、西インド諸島、インドはイギリス英語が、カナダやフィリピンはアメリカ英語が基準となって、それぞれの国で文化や歴史に影響された独自の英語が発達しています。
オーストラリアで話されている英語「オージー英語」もその1つです。
今回は、オーストラリア英語の起源や特徴、よく使われている日常会話のフレーズについてもご紹介します。
オーストラリア英語の起源や特徴は?
1770年にスコットランド人のジェームズ・クックがオーストラリアに上陸したことで植民地化が始まりました。
初め、オーストラリアはイギリスの囚人の流刑地として多くの囚人が送られていましたが、その後に農地開拓のために囚人以外の移民が移住しました。
移民の多くは、ロンドンの労働階級者であり、コック二ーと言われる訛りのあるイギリス英語を話していたことで、イギリス英語をベースとなって使われるようになりました。
さらに、先住民のアボリジニやその後のアメリカ文化の影響を受けてできたことがオーストラリア英語の起源です。
オーストラリア英語はイギリス英語をベースとしながらも「発音、スペル表記、単語」が異なる部分があり、これらの違いから成る独自のスラング(方言)があるのが特徴です。
これらはアメリカ英語と異なる点があり、オーストラリア独特の「オージー英語」と言えるでしょう。
オーストラリア英語の発音は訛っている?
「オーストラリア英語の発音は訛っている」という話を耳にすることがあります。
なぜなら、オーストラリア英語はイギリス英語を基本にしているとはいえ、「発音、スペル表記、スラング、単語」において違う点があるからです。
さらに私たち日本人が学校で習っている英語はアメリカ英語であることも影響しています。
アメリカ英語とオーストラリア英語の発音に大きな違いがあり、特に「r」の発音をしないもしくは弱く発音するという特徴があります。
例えば、「water」を「ウォラ」と発音しますが、アメリカ英語であれば、「ウオーラー」と発音されます。
日本であっても、住んでいる地域で発音や言い回しが異なり「訛っている」と感じることがあると思います。
オーストラリア英語が訛っていると言われるのはこれと同じ現象が起きているのです。
オーストラリア英語(発音・スペル・イントネーション・単語)
オーストラリア英語の特徴と言えば、「発音、スペル表記、スラング、単語」の点でアメリカ英語と異なります。
それぞれどのような特徴があるのか解説していきます。
発音
オーストラリア英語は「r」を発音しない(r-less)という特徴があります。
そのため、アメリカ英語では「r」を発音する時に舌を巻き舌のようにして発音しますが、オーストラリア英語は発音をしないために、カタカナ英語の発音に近い印象があります。
例えば、「fire」であれば、アメリカ英語であれば、「ファイヤー」と伸ばしますが、オーストラリア英語では「ファイア」と短く切るような発音になります。
さらにアルファベットの「a」は「アイ」もしくは「エァイ」、「I」の発音は「オイ」、 「E」の発音は「ェイー」に近いように発音されます。
例えば、「today」はアメリカ英語であれば、「トゥデイ」ですが、オーストラリア英語では「a」を「アイ」と発音するので、「today」を「トゥダイ」と発音します。
スペル
オーストラリア英語で使われる単語のスペルの基本はイギリス英語と同じです。
アメリカ英語では-erと表現されるものがオーストラリア英語では-reと反転している単語があります。
例えば、アメリカ英語では”センター”は「center」と書きますが、オーストラリア英語では、「centre」と表記します。
「u」を単語に含めることもあります。
例えば、アメリカ英語であれば、”お気に入り”は「favorite」ですが、オーストラリア英語は「favourite」というようにuを含む単語を使用しています。
アメリカ英語の「z」の部分が「s」になることもあります。
例えばアメリカ英語では”気づく”の単語は「realize」は、オーストラリア英語では「realise」となります。
スラング
複数の言葉をくっつけて1つの言葉の意味として話すことをスランングと言いますが、オーストラリア英語はアメリが英語よりも使用される頻度は多いです。
例えば、「Afternoon」を「Arvo(アーヴォ)」と2つの単語を短縮させて表現しています。
「cup of tea」を短縮させて発音する言葉「cuppa(カパ)」、「McDonald’s」は「マクドナルド」と発音しますが、オーストラリアでは「Macca’s」が「マカス」と短縮して話されています。
単語
オーストラリア英語とアメリカ英語を比べた時に、同じ意味でも使用される単語が違うことがあります。
例えば、エレベーターは、アメリカ英語では「elevator」ですが、オーストラリア英語は「lift」と書きます。
フライドポテトは、アメリカ英語では「french fries」、オーストラリア英語は「chips」と書きます。
オーストラリアでよく使う挨拶やフレーズ
日常的に使いやすいフレーズとして「No Worries(ノーウォーリー)」と「G’day(グダイ )」2通りの会話を見ていきましょう。
「No Worries(ノーウォーリー)」
「You’re welcome」や「No problem」と同じ意味として使われますが、「心配しなくていいよ。」「気にしなくて大丈夫」などどんな場面でも使えます便利なフレーズです。
日本語で言えば「大丈夫」に近いくらい誰でもなんにでも使っているイメージです。
待たせてごめんね。バスが遅れちゃった。
気にしないでいいよ。
「G’day(グダイ )」
「Hello」と同じ表現として日常的に使用されています。「G’day mate」(やあ、友よ)」という意味で、親しい間柄で行うあいさつとなっています。
やあ、調子はどう?
いいよ
まとめ
オーストラリア英語は歴史的な背景からイギリス英語を基本として作られていますが、国の文化や歴史によって話される言語としては違いがあります。
オーストラリア英語の特徴は「発音、スペル表記、スラング、単語」にあります。
さらに日常会話でも「No Worries」や「G’day」のような日常生活で使う頻度の高い挨拶言葉はオーストラリア英語ならではと言ってもいいでしょう。
オーストラリアの英語の違いについて知っていただければ幸いです。