今回のテーマは「おかしい」です。
日本語の「おかしい」は、ポジティブな意味からネガティブな意味まで幅広く表せますが、英語ではどうなのでしょう。同じように使える表現があるのか、意味によって訳し分けなければいけないのか、気になりますね。
この記事では、英語で「おかしい」を何と表現すればよいのか、詳しく解説していきます。これを読めば、良い意味から悪い意味まで、あらゆる「おかしい」を英語で表現できるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
そもそも「おかしい」ってどういう意味?
「おかしい」という日本語は非常に便利な言葉で、この一語で色々な意味を表せてしまいます。たとえば、「おかしいジョーク」といえば「面白い」を表し、「おかしい態度」であれば「不審」を、「対応がおかしい」なら「正常ではない」という意味になるでしょう。
このように、日本語の「おかしい」は多義的な言葉なので、それを1つの英語表現で言い換えるのは不可能です。そのため、この記事では「おかしい」の意味を以下の3種類に分けたうえで、それぞれに対応する英語表現を考えていきたいと思います。
- 「変な」「奇妙な」「怪しい」
- 「滑稽な」「面白い」
- 「正常ではない」「狂気じみている」
「おかしい」を表す英語①:「変な」「奇妙な」「怪しい」
「変な」「奇妙な」で言い換えられる「おかしい」は、英語だと “strange”、“weird”、”suspicious” などが適しています。
それぞれに奇妙さのニュアンスが少し異なるので、1つずつ詳しく確認していきましょう。
strange
“strange” は、見慣れない人や物に対して感じる「おかしい」を表します。発音記号は【streɪndʒ】、カタカナだと「ストレンジ」です。
strange のstra の部分は「外側」を意味する extra から来ていて、もともとは地域の外から来た「異邦人」を表していました。そこから、普段見慣れないものに対する「変だ」「おかしい」という感覚を表すようになりました。
One day, suddenly, a strange building appeared in the neighborhood.
訳)ある日突然、近所におかしな建物ができたんだ。
Strange? What’s strange about it?
訳)おかしいって、どうおかしいの?
The walls have a striped pattern.
訳)壁がストライプ柄なんだよね。
That is indeed strange.
訳)それは確かにおかしいね。
weird
“weird” は、理解ができない「おかしい」様子を表します。発音記号は【wɪrd】で、カタカナだと「ウィアード」です。
weird の語源は「運命」を意味していた古英語 “wyrd” であり、そこから運命のようにコントロールできない、不可思議な対象や事象を指して使われるようになりました。
なお、weird は非常にネガティブかつ、カジュアルな印象のスラング的な表現です。そのため、目上の人との会話などでは使わないように注意しましょう。
I had a really weird dream last night.
訳)なんだかとってもおかしな夢を見たよ。
What kind of dream?
訳)どんな夢?
I became the Earth and was troubled by a love triangle with the Sun and the Moon.
訳)私が地球になって、太陽と月との三角関係に悩むんだ。
Hmm, that’s quite something…
訳)うーん、それはなかなかだね…。
suspicious
“suspicious” は、疑わしさを感じさせる「おかしい」を表します。発音記号は【səˈspɪʃəs】で、カタカナだと「サスピシャス」となります。
suspicious はもともと、「疑う」を意味する動詞 “suspect” の形容詞形です。そのため、様子が怪しかったり、態度が不審だったりすることに対する「おかしい」という感覚を表します。
(Lately, B’s behavior has been suspicious… I wonder if he’s having an affair.)
訳)(最近B君の様子がおかしい…。浮気かしら。)
Happy birthday, A-chan!
訳)Aちゃん、誕生日おめでとう!
Wait! Thank you!
訳)違った!ありがとう!
「おかしい」を表す英語②:「滑稽な」「面白い」
「滑稽な」「面白い」と似た意味を表す「おかしい」は、英語だと “funny”、”amusing”、”hilarious” で表現できます。
それぞれの表す意味やニュアンスの違いについて、確認していきましょう。
funny
“funny” は、軽い笑いを引き起こす意味での「おかしい」を表します。発音記号は【ˈfʌni】で、カタカナだと「ファニー」です。
funny はもともと「楽しさ、喜び」を表す名詞 “fun” の形容詞形です。そのため、基本的にはポジティブな意味で使われます。
My husband always entertains me with his funny jokes.
訳)私の夫は、いつもおかしいジョークで私を楽しませてくれます。
amusing
“amusing” は、愉快な気持ちになるような「おかしい」を表します。発音記号は【əˈmjuːzɪŋ】で、カタカナだと「アミュージング」となります。
amusing は、「遊園地」を意味する “amusement park” の amusement と同じ語源です。そのため、単に笑いが生まれるだけでなく、愉快で幸せな気持ちに浸れるような状態を表します。
When I meet my middle school friends, they are always amusing, and I end up laughing so hard.
訳)中学の友達と会うと、いつもおかしくてお腹が痛くなります。
hilarious
“hilarious” は、強く笑いを誘われるような「おかしい」を表します。発音記号は【hɪˈleəriəs】で、カタカナだと「ヒラリアス」となります。
hilarious は簡単に言うと、funny の強化バージョンです。funny が軽い笑いを伴うおかしさを表したのに対し、hilarious は大きな笑いを伴うおかしさを表します。
The comedian’s latest gag was so hilarious that it made the entire audience shake with laughter.
訳)その芸人の最新ギャグは、会場が揺れるほどおかしかったです。
「おかしい」を表す英語③:「正常ではない」「狂気じみている」
「正常ではない」「狂気じみている」と言い換えられる「おかしい」は、英語だと “crazy” や “lunatic” と言います。
それぞれの違いについて、以下で詳しく確認しておきましょう。
crazy
頭のネジが外れてしまったような「おかしい」を表すのが “crazy” という表現です。発音記号は【ˈkreɪzi】で、カタカナだと「クレイジー」となります。
crazy は古英語で「壊れている」という意味だったことから、現在では「頭がおかしい」「正常ではない」といった意味で使われます。ネガティブな意味だけではなく、奇抜で素晴らしい様子を表すこともあります。
I walked around Japan on foot.
訳)徒歩で日本一周してきた。
You’re really crazy, in a good way, you know.
訳)君って本当に頭おかしい(crazy)よね。もちろん、褒め言葉として。
lunatic
“lunatic” は、気が触れてしまったような「おかしい」を表す、だいぶセンシティブな表現です。発音記号は【ˈluːnətɪk】、カタカナだと「ルナティック」となります。
lunatic の語源は「月」を表す lunar から来ています。古来より、月には人を狂わす力があると考えられていて、そこから、「頭がおかしい」「狂っている」という意味を表すようになりました。
先ほどの crazy が場面によってポジティブな意味にも使えた一方、lunatic は基本的にネガティブ100%な表現です。他人に対して使うとトラブルの元なので、なるべく使用は控えた方がよいでしょう。
That actor’s performance as a lunatic is so convincing that it’s truly unnerving.
訳)その役者の頭がおかしくなった演技が真に迫り過ぎていて、なんだかゾクゾクします。
まとめ
今回は「おかしい」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。
一括りに「おかしい」といっても、変なおかしさなのか、滑稽なおかしさなのか、正常ではないおかしさなのかによって、適する英語表現が変わってきます。
今回ご紹介したことを参考に、文脈に合った「おかしい」を、英語でも適切に表現し分けていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!