皆さんは日頃、何かを「予備」していますか?

私の場合、好きな洋服や靴を使い潰すのが嫌で、同じデザインのものを予備として取っておく癖があります。しかし、もともとが大事に扱っているのもあり、予備の分にまで手を出すことは基本的にありません。無駄だとはわかっていても、なかなか癖が抜けない今日この頃です。

さて、そんなわけで今回のテーマは「予備」です。英語で予備をどう言い表すのか、詳しく解説していきます。

また、「予備として」や「予備軍」、「予備知識」など、予備に関連した表現の英語での言い方も扱うので、これらが気になっていた人もぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「予備、予備の」は英語で何て言う?

「予備、予備の」は英語で何て言う?

英語で「予備」を表す際は、“spare”、“extra”、“backup”、“reserve” などがよく使われます。これらは単体で名詞として「予備」を表すだけでなく、形容詞として「予備の○○」を表すことも可能です。

しかし、一括りに「予備」と言っても、それぞれに表すニュアンスが異なるので、状況に応じて使い分ける必要があります。1つずつ、詳細を確認していきましょう。

予備①:spare

万一の不足時に備える「予備」を表す際は “spare” が適切です。発音記号は【spɛr】、カタカナだと「スペア」と読みます。

spare の原義は「節約する、倹約する」ですが、何のためにお金や資源を節約するかといえば、万一それらが不足した際、予備として使うためですよね。そこから転じて、spare で「予備」の意味で使われるようになりました。

イメージとしては、パンクしたときのために自動車に積まれている「予備タイヤ(spare tire)」を想像してもらうとよいでしょう。

Aさん
The spare tire attached to the back of the Jeep is cool as a design.
訳)ジープの後ろに付いてる予備タイヤは、デザインとしてもかっこいいです。

予備②:extra

余分に持っておく「予備」を表す際は “extra” が使われます。発音記号は【ˈɛkstrə】で、カタカナだと「エクストラ」です。

extra はもともと「~の外」を表していて、そこから転じて、必要量を超えて持っておく「予備」を表すようになりました。たとえば、当座は必要ないにもかかわらず、大量に買い込んでしまう「予備のトイレットペーパー(extra toilet paper)」などがわかりやすいでしょう。

Aさん
My husband has a habit of stocking up on extra everyday items.
訳)私の夫は、予備の日用品を買い込む癖があります。

予備③:backup

メインのものが機能しなくなった際、代替として用意しておく「予備」を表すのが “backup” です。発音記号は【ˈbækʌp】、カタカナだと「バックアップ」となります。

backup はもともと back up という動詞で、「後ろから(前線を)支援する」ことを表していました。そこから転じて、今使っているものが使用不能になった際、代わりに使うものも意味するようになりました。特に、データや計画などの不定形の予備を表すことが多いです。

たとえば、PCのデータが消えてしまったときに備えて保存しておく「予備データ(backup data)」などが好例でしょう。

Aさん
For the event of a virus infection, let’s regularly save backup data for our PCs.
訳)万が一のウイルス感染に備えて、定期的にパソコンの予備データを保存しましょう。

予備④:reserve

何かの目的のために保管された「予備」は “reserve” で表します。発音記号は【rɪˈzɜrv】で、カタカナだと「リザーヴ」です。

reserve の原義は「後ろに(re-)保つ(-serve)」であり、予備以外にも「予約」や「保存」などの意味を表します。前述の backup と同様、メインのものが使えなくなった際の予備というニュアンスですが、特に物資や場所などを指すことが多いです。

たとえば、万一燃料を使い果たしたときのため、飛行機などに積まれている「予備の燃料」は“reserve fuel” と言います。

Aさん
Excessive loading of reserve fuel can make the plane heavy, so the quantity selection is crucial.
訳)予備燃料を積み過ぎると飛行機が重くなるので、量の選定が重要です。

「予備として」や「予備軍」など、予備に関する表現を英語で言ってみよう!

「予備として」や「予備軍」など、予備に関する表現を英語で言ってみよう!

ここからは、「予備として」や「予備軍」、「予備知識」など、予備に関連した言葉を英語で何と表現するかについて、詳しく確認していきます。

先に挙げた4種類の表現を使っているものもあれば、まったく違う表現になっているものもあります。それぞれのニュアンスを掴んで、適切に使い分けていきましょう。

「予備として」in English

「予備として」と副詞的に表現したい場合は、“as a backup” か “in reserve” と表現されることが多いです。

as a backup は、主に「失敗したときのための予備として」の意味で使われます。一方の in reserve は、「緊急事態のための予備として」というニュアンスになります。

「予備軍」in English

日本語では、「メタボ予備軍」や「留年予備軍」などと、ある状態になる可能性が高い人や状態を指して「○○予備軍」と呼びます。これを英語にする場合は、“be in line for ○○” や、“be at risk of ○○” と表現するのがよいでしょう。

“be in line for ○○” は、直訳すると「○○の順番待ちをしている」という意味になり、何らかの状態になるのが時間の問題というニュアンスを表します。また、“be at risk of ○○” は直訳すると「○○の危険に直面している」となり、病気などの危険が間近に迫っているニュアンスを表します。

なお、文字通りの軍隊の予備軍の場合は “reserve army” となりますが、こちらが日常生活で使われることは稀です。日本語の「○○予備軍」と同じイメージで reserve army を使っても、英語圏の人には理解してもらえないので注意しましょう。

「予備知識」in English

日本語では、何かをするにあたって、事前に準備しておく必要のあることを「予備知識」と言います。これを英語に翻訳する場合は、“background knowledge” や “prior knowledge” が適切です。

knowledge は「知る」を意味する know の名詞形であり、「知識」を表します。background knowledge は「背景としての知識」、prior knowledge の場合は「優先すべき知識」というニュアンスです。

なお、knowledge は「ノウレッジ」と読み間違えやすいですが、正しい発音は「ナレッジ(ˈnɑlɪdʒ)」となります。

「予備試験」in English

本試験の前に行われる「予備試験」は、英語で “preliminary examination” と言います。読み方は「プレリミナリーイグザミネーション」です。

ここで使われている “preliminary” という単語は、「(本番前の)予備」を表す形容詞で、教育やビジネスのシーンで使用されますが、日常会話ではあまり出てきません。そのため、実際はよりカジュアルに、“pre-examination” “pre-exam” などと短縮して言うことも多いです。

まとめ

今回は「予備」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。

予備を英語で表す際は、主に “spare”、“extra”、“backup”、“reserve” が使われます。不足時の予備は “spare”、余分な予備は “extra”、故障時などの予備は “backup”、そして燃料などの予備は “reserve” と、それぞれにニュアンスが異なります。

今回ご紹介したことを参考に、使用シーンに合わせて、適切な「予備」を使い分けていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!