「映画のタイトル」「新曲のタイトル」など、「タイトル」は、作品名を表す言葉として、日本語で当たり前のように見聞きしていますよね。

「タイトル」は、英語の”title”をそのままカタカナ表記した言葉ですが、作品の名前という意味のほかに、どのような意味があるが知っていますか?
カタカナではなじみがあっても、英語にすると途端に難しく感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は、日本語として普段の生活に浸透しているカタカナ言葉「タイトル」に関して、英語の意味と使い方、関連表現を紹介していきます。

「タイトル」の意味

「タイトル」の意味

「タイトル」は、英語”title”をカタカナで表記した言葉で、書籍や映画、音楽などの作品名を表して、さまざまなシーンで使われている頻出単語です。

辞書では以下のように定義されており、名詞と動詞の2つの用法を持っていること、芸術作品の名前だけでなく、地位や役職、称号、競技順位、土地の所有権なども意味していることがわかります。
複数形の”titles”は、作品の最後または最初に出演者や制作に関わった人の情報を記すことを表します。

noun

  • the name of a film, book, painting, piece of music, etc
    映画、本、絵画、音楽などの名前
  • a word that is used before someone’s name, stating their social rank, qualifications, position in an organization, gender, etc.
    誰かの名前の前に付けられ、その人の社会的地位、資格、組織内での地位、性別などを示す
  • the position you get by beating all other competitors in a sports competition
    スポーツ競技で他のすべての競技者に勝って得られる順位
  • the legal right to own a piece of land or a building, or a document that proves this right
    土地や建物を所有する法的権利、またはこの権利を証明する文書

 

verb

  • to give a title to a book, movie, play, song, or work of art
    本、映画、演劇、歌、芸術作品にタイトルを付ける

 

複数形 “titles”

  • the information given at the end or beginning of a film or television program, stating the names of the people who acted in it or were involved in its production
    映画やテレビ番組の冒頭または最後で与えられる情報で、出演者や制作に関わった人物の名前が記載されている

参考:Cambridge Dictionary

映画や本のタイトル、スポーツのタイトルマッチなどはよく聞きますが、役職、土地の所有権、そしてタイトルをつける、という動詞としての意味もあることを改めておさえておきましょう。

”title”の発音記号は、 /ˈtaɪtəl/ で、「タィトォ(ル)」のように読みます。
最後の[ l ]の音は「ル」とは言わず、唇をすぼめる形で「ウ」のように発音するのがポイントです。
わたしたちが普段見聞きする「タイトル」とは異なりますので、正しい発音を習得しておいてくださいね。

”title”の関連語・類義語

”title”の関連語には、以下のような単語が挙げられます。

  • subtitle「サブタイトル」小見出し、副題、サブタイトル、字幕
  • headline「ヘッドライン」記事の見出し、本のページの上欄、ニュースの主要項目
  • caption「キャプション」記事・論説などの表題、ページの見出し

いずれの単語も、カタカナ言葉として聞いたことがあるものが多いですね。
表題や見出しなどを意味する表現として、”title”と一緒に覚えておきましょう。

”title”の類義語は、以下のような英語があります。

  • name 名称、名前、姓名、評判
  • designation 指示、指名、任命、選任、称号
  • label 張り札、張り紙、付箋、荷札、ラベル
  • tag 名前を記した付け札、値札、標識札

”name”、”label”、”tag”は、カタカナでもよく聞く単語なので覚えやすいですね。
”designation”はあまり聞き慣れない単語ですが、「こんな単語もあったな」と思い出せるよう、一緒に覚えておくことをおすすめします。

”title”を使った例文

”title”を使った例文

名詞と動詞2つの用法がある”title”の使い方を例文で紹介していきましょう。

【名詞】映画や本などの作品

Aさん
“Confrontation on the job” is the title of the workshop.
訳)「仕事上の対立」が、ワークショップのタイトルです。
Aさん
I’ve read one of her books, but I need help remembering the title.
訳)彼女の本を1冊読んだことがありますが、タイトルを思い出せません。

【名詞】社会的地位や資格

Aさん
I have a new official title: I’m Director of HR and Training.
訳)正式な役職が新しくなりました。人事および研修担当ディレクターです。
Aさん
He gave up the title of CEO four years ago.
訳)彼は、4年前にCEOの肩書きを返上しました。

【名詞】スポーツ競技における順位

Aさん
My cousin won the heavyweight boxing title last year.
訳)昨年いとこは、ボクシングのヘビー級タイトルを獲得しました。
Aさん
She won her third straight title in speed skating.
訳)彼女はスピードスケートで3タイトル連覇を達成しました。

【名詞】不動産や土地を所有する権利

Aさん
If you wish to sell the property, you must first prove your title to it.
訳)不動産を売却したい場合は、まずその不動産の所有権を証明する必要があります。
Aさん
He did not have the title and therefore could not transfer the property to anyone else.
訳)彼は不動産の所有権を持っていなかったので、誰にも譲渡できませんでした。

【動詞】作品名をつける

Aさん
He titled his autobiography “Beneath the Underdog.”
訳)彼は自伝に「Beneath the Underdog(負け犬の下に)」というタイトルをつけました。
Aさん
The director is shooting a film titled “Space.”
訳)監督は、「Space」というタイトルの映画を撮影中です。

【複数形”titles”】出演者や制作に関わった人物の情報

Aさん
We all clapped as the lights dimmed and the closing titles rolled.
訳)照明が落ち、エンディングのタイトルが流れると、全員が拍手しました。
Aさん
He always sits there until the end of the closing titles.
訳)彼はいつも、エンディングタイトルが終わるまでそこに座っています。

まとめ

日本語としてなじみ深いカタカナ言葉「タイトル」に関して、英語本来の意味と正しい使い方、関連表現を紹介しました。

「タイトル」は、英語の”title”からきたカタカナ言葉で、おもに映画や本などの作品名や題名を意味します。

”title”には、ほかにも、社会的地位や役職、称号、競技における順位、所有権などさまざまな意味があります。
動詞として作品名をつけることも表し、カタカナの「タイトル」よりも多くの意味を持って幅広く使われる英語です。

カタカナで当たり前のように使用している言葉は、しばしば間違った解釈のまま英語で表現されがちです。
英語本来の意味と使い方をしっかり理解し、自信を持ってコミュニケーションを取れるようになっていきましょう。

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