「保育園」や「幼稚園」を英語で何と言うかご存知ですか? 考えてみると「幼稚園はキンダーガーデンだっけ? でも保育園は何だろう……」と知識があいまいなことに気づくかもしれません。それもそのはず、海外の保育園や幼稚園にはさまざまな種類があり、国によって呼び方も違って意外と複雑なのです。

 そこでこの記事では、アメリカとイギリスの保育園や幼稚園の呼び方と特徴をわかりやすくまとめました。ここで一度、保育園や幼稚園の正確な英語表現をおさえておきましょう!

「保育園」や「幼稚園」って英語で何て言う?

「保育園」や「幼稚園」って英語で何て言う?

さっそく、保育園や幼稚園の呼び方を見てみましょう。海外には日本人になじみのない「プレ小学校」のような施設もあります。ここでは、アメリカとイギリスのケースをご紹介します。

【アメリカ】保育園は”Daycare”

”daycare(デイケア)”とは、0歳児から5歳児までを受け入れる保育園のこと。アメリカで一般的な呼び方です。

働く親のために、朝早くから夜遅くまで開いている園が多いのが特徴。多くは朝7時から夕方5時ごろまで開いており、朝食をとらせてくれる場合もあります。春休み・夏休みなどの長期休暇が少なく、働くパパとママを全面的にサポート。

低年齢児には、トイレトレーニングのお世話もしてくれます。どちらかというと親に代わって保育するという側面が強い施設ですが、知育カリキュラムも持つ園もあります。 

【イギリス】保育園は”Day nursery” 

 イギリスでは、保育園のことを”day nursery(デイナーサリー、デイナースリー)”と呼びます。アメリカの保育園daycareと同じように働く親をサポートするための施設で、0歳児から受け入れ可能。

開園時間は朝から夕方まで。多くの場合、それ以降も延長保育で対応できます。夜間シフトで働く親のために、夜間保育が可能な園もあります。

【アメリカ・イギリス】幼稚園は”Preschool” 

 ”preschool(プリスクール)”は日本の幼稚園のような施設。3歳から通える場所で、アメリカ・イギリスともにこの言葉を使います。日本の幼稚園のように、昼~午後2時ごろに降園します。

 また学校の春休みや夏休みの期間は、preschoolもお休みです。ただ、園によっては延長保育ができたり長期休暇中に預かってくれたりする場合も。入園までに、トイレトレーニングが完了していることを求める園もあります。

また多くのpreschoolは、daycareよりも教育に力を入れているのが特徴。小学校での勉強や生活をスムーズにスタートさせるために、それぞれのカリキュラムに基づいて教育を行います。モンテッソーリなど、特定の教育哲学を土台にしたカリキュラムを組んでいる園も。

【アメリカ】”Kindergarten”は5歳児が通う場所 

 ”kindergarten(キンダーガーテン)”は、アメリカで一般的な小学校入学前に通う幼稚園のような施設です。日本でいう年長(5歳)の子どもたちが対象。 

kindergartenの大半は公立で、州によっては無償で利用できます。小学校の敷地内に併設されているケースが多いよう。初歩的な読み書きや算数などを習って、小学校での学習に備えます。

 ちなみにkindergartenはドイツ発祥の言葉で「子どもの庭」という意味。ドイツ語なので、英語圏でもkindergarden(キンダーガーデン)ではなくkindergarten(キンダーガーテン)と呼ばれます。

 「英語で幼稚園といえばキンダーガーデン」と覚えてしまっている人も多いのでは? 響きが似ていて間違いやすいのでご注意を。

【イギリス】”Reception”は4歳児が通う場所

 イギリスにもkindergartenのような場所があり、”reception(リセプション、レセプション)”と呼ばれます。4歳児を対象にした、小学校での学習の基礎を学ぶところです。

イギリスでは、日本より1年早い5歳で小学校に入学します。その前に4歳でreceptionに入り、1年をかけて小学校入学に備えるというわけです。読み書きなどのクラスだけでなく、塗り絵や砂遊び、ブロック遊びなどのアクティビティーを通して社会性も養います。

Daycareでの一日

ここで、daycareでよくある一日のスケジュールを見てみましょう。絵本の読み聞かせや工作の時間などを挟みながら、長時間保育をしてくれます。保育内容は園によって異なりますので、参考程度にご覧ください。

7:00 開園、子どもたちが揃うまで自由遊び
8:30 朝の会
8:45 お歌の時間
9:00 園庭で遊ぶ
10:00 おやつ
10:30 工作の時間
11:15 絵本の読み聞かせ
12:00 昼食
12:30 お昼寝
14:30 自由遊び
15:00 おやつ
15:30 お迎えまで自由遊び
17:00 延長保育

Preschoolでの一日

 日本でいう幼稚園であるpreschoolでの一日は、daycareと少し違います。読み書きや外国語のクラスなど、知育に力を入れている場合が多いようです。クラスの内容は園によってさまざま。閉園時間が昼~午後2時ごろと早いのも特徴です。

8:45 朝の会
9:00 絵本の読み聞かせや工作など
10:00 読み書きや算数のクラス
11:00 園庭で遊ぶ
11:30 昼食
12:30 文字や言葉のクラス
13:00 外国語のクラス(フランス語、スペイン語)
14:00 帰りの会

保育園にまつわる英単語

infant 乳児
toddler 2~4歳くらいの幼児
preschooler 幼稚園生
kindergartener kindergartenに通う子ども
rest time お昼寝時間
free play 自由遊び
snack おやつ
pick-up お迎え
playground 園庭
outdoor play 外遊び
picture book 絵本
clay ねんど
craft 工作
crayon クレヨン
colored pencil 色えんぴつ
diaper オムツ
crib ベビーベッド
formula 粉ミルク
baby food 離乳食
potty-training トイレトレーニング

海外でも有名な「モンテッソーリ教育」

Preschoolでの一日

 preschoolでは、教育哲学(educational method)を軸にカリキュラムを組んでいる園もあります。日本で人気の「モンテッソーリ教育(Montessori education)」は、英語圏でも有名な哲学です。

 モンテッソーリ教育は、イタリア人の医師モンテッソーリ博士が考案した教育法。モンテッソーリで重視されるのが、子どもの「自己教育力」。子どもたちは自ら育つ能力を持っていると考え、自立性を重んじます。子ども主導(student-led)のスタイルの中、自分のペースで(self-paced)学ぶ姿勢を大切にする方針です。

モンテッソーリ教育で特徴的なのが、年齢による縦割りクラス。異なる年齢の子どもたちが同じグループで活動します(mixed-age grouping)。小さい子ども達はお兄さん・お姉さんから学び、大きい子ども達は年下の子ども達に教えてあげることで学びを深めます。

アメリカでは、5,000校以上の学校がモンテッソーリメソッドを導入。乳幼児だけでなく、ティーンエイジャーも含めた100万人以上の生徒を抱えています。

まとめ

  daycareやday nursery、preschoolにkindergarten……。海外の保育園や幼稚園には種類が多く、呼び方もさまざまで混乱しやすいですよね。アメリカやイギリスには小学校入学前に通う施設もあり、複雑さを増しています。 

ただ制度や種類、呼び方を整理すれば、覚えるのは難しくありません。この機会に国ごとの名前をおさらいして、正確な英語表現を身につけてくださいね。

【参考サイト】
American Montessori Society
https://amshq.org/