外国人と話す機会には、自然とお互いの国の話しになります。オリンピックにしても国民を代表する選手が活躍します。したがって、日本や外国を考えるときのキーワードの一つは、国や国民ということになります。では、それらを英語で表現するとどのような言葉になるのでしょうか?
記事では、英語表現nationについて、その意味や正しい使い方を紹介します。英語という外国語を学習している皆さんはぜひ、nationそして関連用語をしっかりと使えるようにしていきましょう。
nationの意味と使い方
さっそく紹介するのは、nationという単語です。nationの意味と使い方を理解した後、関連する表現を紹介します。
nationの意味と語源
nationは名詞、接尾辞である-tionが付くことで名詞化される単語の一つです。他にはaction/operation/education/donation/populationなどなど多くありますね。nationのカタカナ語の読み方はネイションになります。
以下、おもな意味を2つ挙げましょう。
ある政府に対する「国民」
主権を持つ「国・国家」
国民や国家という、大きなくくりの意味を持つ単語がnationです。この語源は「生まれること・出身」といった意味のラテン語natioが由来です。現在nationは、政府および領土を持つ国、民族を表す表現として世界中で広く使われているのです。民族ということでは、北米先住民の「部族」もnationが表します。
nationの使い方
nationをどう英文や英会話で使うのかは、次の例文でみていきましょう。
訳)城には国の旗が掲げられています。
訳)日本という国は、日本国(にっぽん国)または日本国(にほん国)と呼ばれている。
訳)新首相は明日、国民に向けて演説を行なう。
訳)国民は貧困に直面している。
これら例文のように、nationは「国・国家」や「国民」という大きなくくりとして使われる単語です。
nationsの意味と使い方
次に、nationの複数形nationsをみていきます。世界には国同士が関わる様々な団体やスポーツイベントがあります。それらの表現を学びましょう。
nationsの意味と使い方
nationの複数形がnationsです。2つ以上の国や国家、民族について述べる際には必ずnationsと-sをつけます。「関係諸国」という言い方もnationsで表しますが、その使い方を以下、例文で紹介します。
訳)テロの脅威の可能性という共通の問題を抱える関係諸国が緊急会議を開いた。
関係諸国=国々ですが、時事問題における表現は関係諸国になります。
The United Nationsで「国際連合(国連)」
The United Nations(UN)と言えば「国連」であり、英語学習者の皆さんには親しみのある機関かもしれません。ここにもnationsが使用されていますが、これは世界の平和・経済・社会発展のために協力し合う国々(nations)が集まっているからです。
スポーツ界のnations
ラグビー好きの方であれば、Six Nations Rugby、バレーボールが好きであればバレーボールネーションズリーグを知っていますね。
Six Nations Rugbyは、イングランド・スコットランド・ウェールズ・アイルランド・フランス・イタリアというヨーロッパ6ケ国によって行なわれる国代表のラグビーリーグ戦です。なんとその歴史は137年、毎年2月〜3月の時期に開催されます。筆者の夫も元ラグビー選手として毎年注目、観戦しています。
国連にしてもSix Nations Rugbyにしても、2つ以上の国が集まればnationsにしましょう。
nationとcountryの違いとは?
「国」の英語を考えるとき、nationよりもcountryのほうが馴染みがあるかもしれません。そこで、これら2つの表現の違いについて確認しましょう。
nation vs country
nationはここまで解説したとおり「国家・国民」、そしてcountryは「国・国家」さらに「地方・田舎」の意味で使われます。
さて、2単語の違いですが、nationは同じような特徴そして文化を持つ人々の大きな集団を指し、それは言語や独自の国民性があるという意味でもあります。
一方、countryは国境や境界を持つ地理的な地域を言い、独自の国家政府がある物理的な領土でもあります。
訳)東アジアの島国である日本は、先進国である。
developed countryが先進国、発展途上国はdeveloping countryです。
「国の」や「国家の」の英語
次に紹介するのは「国の」または「国家の」と表現したいときの英語表現です。国の政策、国家の花など様々な言い方ができるようになります。
nationalで「国の・国家の」
「国の・国家の」の英語はnational(ナショナル)であり、nationの関連用語です。
国歌は国民や国家を代表するものとして唄われる歌、国花は国民が愛好しその国を代表するとされる花や植物です。日本の国歌は君が代、国花は桜です。ちなみに、筆者の住むイギリスの国花は赤い薔薇になります。
また、先の例文でThe nation’s flagとありましたが、これはnational flag(国旗=国の旗)とも言えます。
訳)日本の国花は桜です。
訳)日本の民族衣装は、美しい着物です。
訳)私はイギリスの国歌「神よ、国王を護りたまえ」を歌うことができます。
nationalの意味「全国的な」
さらに、nationalの意味について解説を続けましょう。
国の・国家の◯◯というnationalには「全国的な」の意味もあります。
nationalで「全国的な」
全国にわたっている様、国中に及ぶ様子を「全国的な」と表現します。「全国的な」の英語は形容詞のnationalです。
訳)全国的な秋晴れの空が国中に広がりました。
副詞nationallyで「全国的に」
さらに、関連用語である副詞nationallyを紹介します。副詞であるnationallyになると、その意味は「全国的に」になります。ということは、nationally=across the nationです。
訳)その歌は、全国的に大人気となった。
nationの意味 – スラング
nationには民族の意味がありました。特定の国家グループに属していると自認し、その領土を共有する人々に対して親近感を抱いている人々の集団です。ちなみに、愛国者の英語はpatriotになります。
さて、nationがスラングとして使われるのかという点です。our nationであれば私たちの国として英会話に使われますが、特にスラング表現ではありません。このことからも、nationはスラングとしては使用されていないと言えるでしょう。
nationに関連する英語
ここまで、nationやnationalなどを紹介してきました。最後に、さらに関連する英語表現をみていきましょう。
名詞nationalityで「国籍・国民性・愛国心」
外国人と話すとき、飛行機に乗って海外に行く際、国籍の英語が欠かせません。「国籍・国民性・愛国心」の英語は名詞のnationalityです。パスポートにも記載されているのが国籍ですね。
訳)私はイギリスの永住権を持っているけれど、国籍は日本だよ。
Indefinite leave to remainはいわゆる永住権ヴィザです。筆者もこのヴィザを取得してイギリスに長く住んでいますが、日本は二重国籍を認めない世界でも珍しい国であり、日本国籍だけの状態です。したがって、永住権があってもイギリスでの選挙権は持っていないんですね。
名詞nationalismで「国家主義・愛国心」
nationalismも名詞であり「国家主義・愛国心」という意味を持っています。ナショナリズムといえば、独立運動や独立主義です。
訳)ナショナリズムとは、自分の国が他国よりも優れているという信念である。
まとめ
nationとは、ある政府に対する「国民」、主権を持つ「国・国家」を表現します。同じような特徴そして文化を持つ人々の大きな集団、それを形成する人々の集まりです。この機会に、countryに加え、nationを使えるようになりましょう。
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