今回は私が国境なき医師団でアフリカ・コンゴ民主共和国の活動に参加した体験レポートです。
国際協力にはいろいろな形があること、そして、多国籍な環境で「あーいいなぁ!」と思ったことをシェアさせていただきます。
「こんなお仕事もあるんだ」「ガチ多国籍な環境ってこんな感じなんだ」みたいなことを感じ取っていただけたら嬉しいです。
まず自己紹介:国際協力にはいろんな形があります
国境なき医師団は、世界中で緊急医療援助を届ける非営利の医療・人道援助団体です。私は国境なき医師団に所属していますが、医療職の資格は何も持っていません。新卒から3年間IT企業の会社員として働いて、国境なき医師団に参加しました。
案外フツーの人でしょ?笑。
読者の皆さまをがっかりさせてしまったら申し訳ないですが汗、「国際協力の場にはいろんな形がある」「インターナショナルの場にはフツーの人もいる」思っていただけたら私は嬉しいです。
マジメな話に戻ると笑、
お医者さんや看護師さんはとても重要なお仕事ですが、医療職だけではプロジェクトは回りません。お金や人の動きを管理するアドミニストレーションチーム、車や病院の設備を管理するロジスティックスチーム、セキュリティやプロジェクト全体を管理するプロジェクトリーダー、などなど、様々な役割が一緒になってプロジェクトは動きます。
私はコンゴ民主共和国の活動で「サプライ」というチームに所属していました。プロジェクトの倉庫管理、購買、物流が私のチームの主な役割です。ちなみに私は企業でも同じ仕事をしていて、その経験がいきています。
国際協力に参加するのは民間企業等の就職と違うことも多いですが、あきらめなければ決して叶わない夢ではありません。
もし今「世界を良くするために何かしたいけど、どうやって協力できるか分からない…。」と思っている方がいらっしゃったら、ぜひあきらめずに、自分らしい道を探し続けてみませんか、と私はお伝えしたいです。先ほど申し上げた通り私はフツーの人ですが、たくさんの人に助けてもらいながら、今回プロジェクトに参加し働くことができたと思っています。
英語ができて/インターナショナルな環境に居られて良かったこと
遠い場所で希望を見れた
今回私が参加したプロジェクトの患者さんの多くは、紛争を逃れ家や故郷を離れて来た人たちでした。ですので家はもちろん無いですし、靴も履いてない、持っている服は今着ているものだけ、という方々がとても多くいました。
「そりゃ病気にもなるよね…。衛生環境なんて言ってられないよね…。」と思いました。
私が現地に到着して3週間くらい経った時、病院へ物資を届けに行きました。その荷物について看護師さんと少し話をしていました。すると私よりも若いのではないか、と思うお母さんがその看護師さんに近づいてきて、おんぶしている赤ちゃんを見せながら「ほら、私の赤ちゃんを見て。死んでしまうと思ったけど、こんなに元気になりました。本当に本当にありがとう。God bless you」と言って退院しました。
コンゴ民主共和国で人びとを取り巻く状況はあまりにも過酷で、自分の力で何とかするには限界がある。でもこのお母さんのような方と一緒に少しでも希望を見ることができて、「ここに来て良かったな」と思いました。
だからといって、日本には大変な苦労をされている方がいない、と申し上げるつもりは全くありません。どこに行っても生きるのは簡単なことではありません。
そして日本にいながら、誰かの力になること、希望をともにすることは必ずできます。
一方、遠い場所では、日本とは違う大変な苦労をしながら生きている人たちがいる、というのも事実だと思います。
日本だけでなく、海外でも、国境を越えてたくさんの人と一緒に希望を見ることができるのは、英語が少しできるから、インターナショナルな環境だからではないかな、と思います。
(もちろん、悲しいことが早く終わりますように、といつも願っていますが…。)
いろんな違いと変わらない大事なことに触れられた
今回参加したプロジェクトには、現地採用スタッフに加えて、私のようなインターナショナルスタッフが15人ほどいました。この15人は、8カ国の人で構成されていました。
これだけいろんなバックグラウンドを持ったメンバーがいるので、違いを上げればキリがありません。
仕事の進め方、コミュニケーション方法、食べ物の好き嫌い、食事の仕方そのもの、生活リズム、などなど。
これだけ違うので、毎日「飽きる」と思ったことは一度もありませんでした笑。それだけいろんな文化・背景を知ることができたのもとても良い経験でした。
一方、これだけ違うのに、同じこともあるんです。
大事なことはどこへ行っても同じなのか、どこへ行っても同じなくらい大事なことなのか、その答えは私には分かりませんが、「どれだけ違っても人は人」と改めて思いました。
ここでは一番嬉しかったエピソードを紹介させていただきます。
私の帰国1週間前に、少しでも「ありがとう」の気持ちをチームに伝えられればと思い、1人1人に小さなプレゼントを用意しました。正直に言って、本当に小さかったです汗。
アフリカの生地でポーチを作って、その中に現地マーケットで見つけたキャンディーとお茶、そして小さな手紙を書いて入れました。
これを夕食の場でみんなに渡しました。すると私がびっくりするくらい、とても喜んでもらえました。
その中でも、チームメイトの1人が「ユリカの国はプレゼントの大きさじゃないのね。温かい心が詰まっていてとても嬉しかった」と言ってくれました。
こんなにいろいろ違っても、心を見てくれる人がいる、幸せな時間を共有できる、という事実が私の中で印象深く残っています。
ただ実際の話をすると、毎日このように温かい場に出会えるわけではありません。どんなに心を尽くしても分かり合えない状況はあると思います。文化背景が対立する相手などは難しい場合も多いと思います。
でもだからこそ、「こんなに違うことだらけでも大事なことは同じ」と実体験できるのは、インターナショナルな環境ならではかな、と思います。
おまけ:Gomaについて
コンゴ民主共和国の中でも、私は「Goma」という、ルワンダとコンゴ民主共和国の国境付近にいました。
上で随分マジメな話をしたので、Gomaの楽しいお話も一緒に共有できると嬉しいです…!
気候最高
「アフリカ=暑い」みたいなイメージは正しいことが多いですが、Gomaは違います!笑。
標高1000M以上のところにある街なので、最高気温が27度くらい。
私は特に夏にGomaに居たので、日本の方が暑かったです。避暑した感じになりました笑。
美味しい食べ物
Gomaは涼しいので、チーズが作れます。なんと「Gomaのチーズ」というのがあるんです!見た目はヨーロッパでよく見る、大きな丸い形をしています。ヤギの乳でできているので、日本で食べられるチーズとはかなり違うチーズです。少し濃いので好き嫌いが分かれるかもしれないですが、私はいつかもう1回食べたいです笑。
まとめ
今回は国境なき医師団でコンゴ民主共和国へ行って、私が体験してきたこと・考えたことをシェアさせていただきました。
国際協力にはいろいろな形があること、そして、「インターナショナルな場にはこんな世界もあるんだ」「純粋に話が面白かった」など思っていただけたら嬉しいです。
英語の勉強はどうしても時間がかかるのであきらめたくなる時も多いと思いますが、「英語ができたらこんな世界も広がっているんだ」と、少しでも皆さまが頑張るお力になれたら嬉しいです。
自分のペースで頑張ってください…!