日本語には音や感覚を表すオノマトペが多くあります。オノマトペにはいくつかの種類がありますが、そのなかで擬態語があります。例えば、本記事で取り上げる「ギリギリ」もその一例です。さて、ギリギリの英語がどのような表現になるかご存知ですか?

この記事では、オノマトペ「ギリギリ」の英語表現Just in timeそしてBarelyを解説します。ギリギリのニュアンスとともにそれに当たる英語での言い方を学び、英会話に活かせるようにしていきましょう。

オノマトペ「ギリギリ」は擬態語

オノマトペのなかでも「ギリギリ」は擬態語です。まずは、擬態語とはどのような言葉で、ギリギリはどういった意味を持つオノマトペなのかについてみていきましょう。

擬態語(ぎたいご)とは?

擬態語とは、ものや人の状態や様子を表す言葉です。直接耳で聞く音ではなく、物事や人の状態をそれらしく表します。本記事で取り上げるギリギリ、またはにこにこ・ベッタリ・キラキラ・ふわふわなど、多くの擬態語があり、日常的に会話で使われています。

「ギリギリ」の意味

「ギリギリ」の意味を改めて確認しましょう。ギリギリと言う場合、何かが限界に限りなく近い様子であったり、時間や状況が迫っていてもう少しで待ち合わないことも起こり得るような状況を表します。出かけるギリギリまで寝てた、なんていう会話もありますね。このため、ギリギリを他の言葉に置き換えると「限界・瀬戸際・寸前・間際」などが挙がります。

走ったら電車の時間にギリギリ間に合った、試験のスコアは合格ギリギリだった、などどいう感じでギリギリを使用します。

Just in timeで「ギリギリ」を表現

Just in timeの使い方

ギリギリを表す英語フレーズにJust in timeがあります。まずは、Just in timeがどのような意味を持つフレーズなのか紹介しましょう。

Just in timeで「ギリギリちょうど間に合う」

just in timeにはtimeが使用されていることから、時間的に何かがギリギリでちょうど間に合うような状況を表します。また、締め切りや納期に関しても遅れず間に合ったといったシチュエーション下でよく使われるフレーズです。justが使用されていますので、タイミング的にピッタリ間に合った印象を持ちます。

例えば「渋滞に巻き込まれて、クライアントとの会議にギリギリ間に合った」ということはあり得ることです。電車が遅れた場合も、会議をする場所にギリギリに到着、ということもあります。このように、遅れてはいけないと余裕を持って出たものの、事故など予期せぬことがあってギリギリになってしまう、しかしこの場合遅れることは回避し、なんとか間に合ったというポジティブな結果が伴っています。
このように、時間的・納期的にギリちょうど間に合うと言いたいときにjust in timeが使われます。

Just in timeとjust in the nick of time

ところで、just in timeと似た表現にjust in the nick of timeというフレーズがあります。これらを合わせてみてみましょう。

Just in timeとjust in the nick of time

ここで、just in timeを英語で説明してみます。

Aさん
If you do something just in time, or just in the nick of time, you do it just before time runs out.
訳)何かをギリギリ間に合うように、または、際どいときに何かを行なうということは、時間切れになる直前にそれを行なうということです。

名詞nickには切り目や刻み目から「いざというとき・際どいとき」という意味があります。そこから、例文に出てきたフレーズjust in the nick of timeは「際どいとき」として使われます。just in timeとともに覚えるのもおすすめです。

Just in timeの使い方

Just in timeの使い方

さて、just in timeの意味が分かったところで、ここでは実際にどのように使うのか例文で使い方を紹介します。

 just in timeの使い方

単語timeがフレーズ内で使われていることからも、時間的・納期的にギリちょうどという状況で使用するのが just in timeです。以下、例文で確認していきましょう。

Aさん
I ran to the station and got on the train just in time!
訳)駅まで走って、ギリギリで電車に乗った!

もし走らなかったなら間に合わなかったくらいの間一髪のタイミングで乗った電車です。なんとか間に合ったけれど、乗れて良かったというポジティブで安堵している気持ちを表しています。

Aさん
He’s submitted his essay to the university just in time.
訳)彼は、ギリギリで大学にエッセイを提出しました。

こちらは、納期的なことによく使われる just in timeの例になります。期限のことは知っていてもギリギリまでやらない、よくありますよね。こんなときにもjust in timeです。ギリギリではあるけれど提出期限には遅れてはいません。

Aさん
We shipped a large number of orders just in time.
訳)我が社は、大量の注文をちょうど間に合うよう出荷しました。

業務においてもさまざまな納期がありますが、just in timeはビジネスの会話でも使用されるフレーズです。

Barelyで「ギリギリ」を表現

ギリギリというときには、時間的なものだけでなく、何かが危うい状態でスレスレ・かろうじてというニュアンスでも使用されます。それを英語にするとbarelyが当てはまります。

barelyで「どうにかこうにか・辛うじて」

barelyは副詞で「どうにかこうにか・辛うじて」や「ギリギリ」の意味で使用される単語です。
例えば「その洋服を買うのにギリギリのお金しか持っていない」や「英検2級にギリギリの点数で合格した」という感じで使います。このように、barelyを使えば、最小限・最低限の状態を表すことができます。

Barelyの使い方

感嘆文の使い方

それでは、ここでbarelyを使った例文を紹介します。barelyの入る位置や訳がどのようになるのか確認しましょう。

barelyの使い方

barelyには「どうにかこうにか・辛うじて」や「ギリギリ」といった意味がありましたね。辛うじてセーフというニュアンスも含まれます。

Aさん
I barely had enough money to buy the summer dress.
訳)そのサマードレスを買うのにどうにかこうにかお金がありました。

とっても欲しいと思ったドレスの値段ギリギリのお金を持っていた、という内容です。買えるけれど、それを買ったらもうお小遣いが消えるくらいのイメージです。

Aさん
My daughter barely passed the level 2 of the English Language Proficiency Test, scoring just enough points.
訳)娘は、英検2級のテストにギリギリ必要な点数を取って合格しました。

英検2級の合格点は一次試験で1520点(1950点満点)、二次試験で460点(650点満点)です。合格は60%程度の正答率ですが、試験当日は緊張感もありますし、やはりギリギリでいいんだという考えは禁物ですね。

まとめ

本記事では、オノマトペ「ギリギリ」の英語表現Just in timeそしてBarelyを紹介しました。
Just in time「ちょうど間に合う・ギリギリ間に合う」
Barely「ギリギリ・どうにかこうにか・辛うじて」

待ち合わせの時間も英語の試験対策も、ギリギリよりは余裕を持っておきたいですね。しかし、ギリギリで◯◯をした・できたというような会話はやはりあるものです。そんなときに、ぜひjust in timeそしてbarelyを使えるようにしていきましょう。

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