大学受験やTOEICの英語を見ていると”no longer”というフレーズを目にすることは多いでしょう。

no longerは「もう〜でない」とか「もう〜していない」という意味で使われる英語表現です。

「もう〜でない」や「もう〜していない」などの、日本語訳に「〜」や「◯◯」が使われていると、直訳の日本語では覚えづらいので「実際の英文中での使われ方」が大事になりますよね。

そこでこの記事では”no longer”の意味と英文での使われ方や、”no longer”によく似た英語の表現を例文付きで紹介します。

no longerの意味と使い方

no longerの意味と使い方

“no longer”は「もう〜ではない」や「もう〜しない」の意味で使われる表現です。

”no longer”は、「以前はそうだったが、今はそうではない」という意味で、動詞の前に置いて使われます。

「以前は〜していた、けど今はしなくなった」という意味で、過去と現在の違いを表しているので、「〜していた過去」を振り返って懐かしむニュアンスがあったり、過去の苦しかったことを振り返って現在の良くなった状況を再確認する意味で使われたりします。

【例文】

  • After moving to a new city, I no longer visit my favorite coffee shop.
    新しい街に引っ越してから、お気に入りの喫茶店にはもう行かなくなりました。
  • The company decided to close the branch as it was no longer profitable.
    会社は、その支店がもう利益を上げていないので閉店することを決めました。
  • We no longer have to worry about the weather for our outdoor event tomorrow.
    明日の屋外イベントのために、もう天気を心配する必要はありません。

no longer than

上述した”no longer”とよく似た表現に”no longer than”があります。

”no longer”の後ろに”than”がついた、非常によく似た表現ですが、”no longer”と”no longer than”は意味が大きく変わります。

“no longer”が「もう〜ではない」や「もう〜しない」を意味するのに対して、”no longer than”は「最大で」や「〜以内で」、「〜を超えないで」といった意味で使われます。

”no longer than”の”than”は比較級で「〜よりも」の意味で使われる表現ですから、「もう〜ない」を意味する”no longer”に、比較級で「〜よりも」を意味する”than”が加わることで、「〜よりも大きくない」の意味になり、「最大で」の意味で使われるわけですね。

【例文】

  • Please make sure your essay is no longer than 1,500 words for the submission.
    提出するエッセイは1,500語を超えないようにしてください。
  • His speech lasted no longer than fifteen minutes, leaving plenty of time for questions.
    彼のスピーチは15分以内に終わり、質問するだけの時間が十分に残りました。
  • The company allows employees to take lunch breaks no longer than an hour during workdays.
    会社は、従業員が平日に1時間以内の昼休憩を取ることを許可しています。

not anymore 意味

“no longer”とよく似た表現として”not anymore”も挙げられます。

”not anymore”は”no longer”と似た意味で、「もはや~でない」や「もう~ない」という使われ方をします。

【例文】

  • After realizing the importance of health, he doesn’t eat fast food anymore.
    健康の大切さに気づいてから、彼はもうファストフードを食べなくなりました。
  • She doesn’t wear glasses anymore since getting laser eye surgery.
    レーシック手術をして以来、彼女はもう眼鏡をかけていません。
  • I loved painting when I was younger, but I don’t paint anymore.
    若い頃は絵を描くのが大好きでしたが、もう描いていません。

前述した”no longer”と意味も形も似ていますが、以下のような違いもあります。

  1. 否定文の形を作る
  2. 話し言葉で使われる

1.については、”no longer”が副詞の形で文章に差し込まれるように使われるのに対して、”not anymore”は”not”が使われているので、文章全体が「否定文」の形になります。文章構造が変わるのは大きな違いです。

2.については、使われる場面の話です。”no longer”は、「書き言葉」として使われることが多く、オフィシャルな場面で好んで使われます。話し言葉で使われることもありますが、話し言葉の場合は”not anymore”の方が自然に感じられることが多いです。

「もはや」を英語で肯定的に表現するには?

 

「もはや」を英語で肯定的に表現するには?

前項までで”no longer”や”not anymore”など「もはや〜ない」という表現を紹介してきました。

では逆に、肯定的な意味や文章で「もはや」を英語ではなんと表現するのでしょうか?

now

“now”を使って「もはや」を肯定的に表現できます。

”now”は「今」を意味する馴染み深い表現ですが、文脈や使い方によって「今や◯◯だ」という使い方もできます。

「昔は✕✕だったけど、今や◯◯だ。」という言い方で「もはや〜だ」と表現できるわけですね。

【例文】

  • Having achieved so much, you can now take proud in the fruits of your labor.
    これほど多くのことを成し遂げたのだから、もう(もはや)努力の成果を誇っても良いんですよ。
  • Now, more than ever, our company is a global leader in innovation.
    我が社はもはや、いまだかつてないほどに、イノベーションの分野で世界のリーダーとなっています。

no longer a problem

「もはや〜ない」を表す”no longer”を使った表現で、”no longer a problem”という肯定の意味の「もはや」があります。

”no longer a problem”は「もはや問題ではない」を意味する慣用句表現です。

”no longer”が「もやは〜ない」を意味し、”a problem”が「問題」を意味するので、そのまま「もはや問題ではない」の意味になるわけですね。

【例文】

  • Now that the financial issues have been resolved, funding for the project is no longer a problem.
    財政の問題が解決した今、プロジェクトに向けた資金集めはもはや問題ではありません。
  • Thanks to the recent repairs, the leak in the basement is no longer a problem for us.
    最近修理したおかげで、地下の水漏れはもう(もはや)問題ではありません。

already

alreadyも「もはや」を肯定的に表現できます。

alreadyは元々「既(すで)に」を意味する英語表現ですが、上述した”now”と同じように文脈や使い方によって「もはや」を肯定的に表現できるわけですね。

【例文】

  • The team’s hard work has paid off, and winning matches is already becoming a routine.
    チームの努力が実を結び、試合に勝つことはもはや日常となりつつあります。
  • With technology advancing rapidly, the old methods of communication are already becoming obsolete.
    技術が急速に進歩しているため、古い通信方法はもはや時代遅れになりつつあります。

まとめ

この記事では大学受験やTOEICの英語でもよく見かける”no longer”と、”no longer”に似た英語表現の意味と使い方をお伝えしました。

ここまでお読みのあなたは、”no longer”の日本語訳だけでなく、実際の使い方に触れて”no longer”の本質的な意味合いを掴んでいることでしょう。

この記事でお伝えした内容が、あなたの英語の表現力をより豊かにできれば幸いです。

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