ポーランドの「ポンチキ(Pączki)」は、ポーランドの人々に日常的に食べられている「揚げドーナツ」です。
とくに毎年2月の「脂の木曜日」には、一人あたり数個~数十個、国全体で約1億個ものポンチキが消費されるといわれています。
さらにその日にポンチキを食べると幸運が、食べないと不運が訪れる、という言い伝えまであるんだとか。
さてこのポンチキ、英語ではなんて言うのでしょうか?
今回は、ポーランドで愛されるポンチキを英語でどう表現するのか、また名前の由来や歴史、作り方をくわしく紹介します。
今日から使える英会話も併せて紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ポンチキとは?

ポンチキとは?

ポンチキ(ポンチュキとも呼ばれる)は「脂の木曜日」に食べられる「ポーランドの伝統菓子」です。
あんぱんのような形の生地には粉砂糖やアイシング(砂糖衣)がかかっていて、中にジャムやクリームが入っています。
フィリングの定番は薔薇ジャムですが、お店によってラズベリーなどのジャム、カスタードやチョコレートも使われます。
生地の食感は作り手により異なりますが、ラードで揚げられている割にくどさがないため、たくさん食べられるのかも知れません。
といってもポンチキは意外に高カロリーで、1個あたり約300カロリーあるとされていますから食べすぎると後悔するかも…
ちなみにポンチキは「ポンチェック」という単語の複数形ですが、ポンチェックはポンク(pąk)という単語の縮小辞です

縮小辞(指小辞)とは?

縮小辞(diminutive)とは、名詞や形容詞につけて、そのものの大きさや程度が「小ささ」や「弱さ」を意味するものです。
日本語の縮小辞の例を挙げると、「ちゃん」(お嬢ちゃん)や「ころ」(石ころ)などがそれにあたります。
たしかに縮小辞をつけることで小ささがイメージできますよね。
また縮小辞は「けら」(虫けら)のように「取るに足りないもの」を表すこともあります。
なお、ポンチキは蕾という意味を持つポンクの縮小辞で複数ですから「蕾ちゃんたち」という意味になりますね。

昔のポンチキは甘くなかった?

ポンチキはジャムやカスタードが入ったもの、というイメージですが、昔のポンチキは甘くない揚げパンだったそうです。
フィリングもラードや肉だったそうで、今のような甘いポンチキになったのは17世紀以降からなんですって。
ラードを詰めてラードで揚げるなんて、昔のポンチキは相当なカロリー爆弾だったんですね。
ラードはともかく、お肉の入ったポンチキもとても美味しそう。手作りなら再現できるかも知れません。
どちらにしても高カロリーになるのは間違いないので、食べすぎには注意が必要ですが…。

脂の木曜日とは?

脂の木曜日とは?

脂の木曜日とはキリスト教の祭日のひとつで「40日間の断食」を意味する「四旬節」の初日直前の木曜日です。
元々は断食の前に家にある脂や砂糖、卵などを使い切るため、断食の辛さに耐えられるよう思う存分甘いポンチキを食べる日でした。
現在では断食に備えるというよりも、ただただ甘いポンチキをお腹いっぱい食べる日となっているようです。
また脂の木曜日に食べるポンチキには幸せや繁栄への願いが込められており、食べないと不幸が訪れるとまでいわれています。
そのため、この日はポーランド中で何十個ものポンチキを買い求める光景も珍しくありません。

Aさん
How many pączki are you gonna eat?

訳)ポンチキ、いくつ食べる?

Bさん
I’ll start with three!

訳)まずは3個かな!

Aさん
Let’s see who can eat the most!

訳)いくつ食べられるか勝負しようぜ!

Bさん
Or who gains the most weight!

訳)何キロ太るかも勝負だな!

Aさん
That’s one contest I don’t wanna win…

訳)それは勝ちたくねえ…

ポンチキは英語でなんて言う?

ポンチキは英語でも「Pączki」(ポンチキ)です。カタカナ読みにしてもポンチキで問題ありません。
名前をそのまま固有名詞として扱うのは、日本の「寿司(sushi)」などと同じですね。
ただ名前だけではポンチキがどんなものか分からないと思いますので、説明が必要でしょう。
ここでは、ポンチキを英語でどう説明したら伝わりやすいか、会話形式で紹介します。

Aさん
Have you ever tried paczki?

訳)ポンチキって食べたことある?

Bさん
What’s that?

訳)何、それ?

Aさん
Pączki are Polish doughnuts filled with jam or custard. I hear they’re a national treat in Poland.

訳)ジャムやカスタードが入ったポーランドのドーナツだよ。ポーランドの国民食ともいわれてるんだって 

ポンチキの作り方

ポンチキの作り方

脂の木曜日には約1億個も食べられているというポンチキ、どんな味なのか気になりますよね。
ここではご家庭で手軽に楽しめるポンチキの作り方を紹介しますので、ぜひ作ってみてください。
発酵に1時間~1時間ほどかかりますが、手作りのポンチキはいちだんと美味しいはず。
カロリーのことはひとまず忘れて、ポーランドの味を楽しみましょう。

<材料(約8個分)>

  • 小麦粉 300g
  • ドライイースト 6g
  • 卵黄 2個
  • 牛乳 100ml
  • 砂糖 35g
  • バター 30g
  • ジャム(薔薇ジャムが王道。なければローズヒップやラズベリー) 適量
  • 揚げ油(あればラード) 適量
  • バニラエッセンス  数滴
  • 粉砂糖 適量

①牛乳とバターを人肌程度の温度に温め、イーストと砂糖を加えて混ぜる

②ボウルに小麦粉を入れ、溶き卵と①、バニラエッセンスを加え、こねる
※くっつきやすいので木べらなどで混ぜるのがおすすめ!

③生地の入ったボウルにラップをかけ、室温で1時間~1時間半ほど発酵させて生地をふくらませる

④生地を8等分し、中央にジャムを詰めて丸める
※ジャムが生地につくとくっつかなくなるので丸める際は注意が必要!

⑤160度位の温度で3分ほど両面をこんがり揚げる

⑥粉砂糖をたっぷりかけたら完成!

※ジャムが上手く包めないときは、揚げた後に菜箸などを使って側面に穴を開け、ジャムを注入してもOK!

Aさん
Isn’t rising the dough kind of a pain?

訳)発酵ってちょっと面倒くさくない?

Bさん
It takes some time, but it’s totally worth it!

訳)ちょっと手間はかかるけど、それ以上の価値があるよ!

まとめ

ポンチキは、ポーランドの歴史や宗教、文化の詰まった特別なお菓子です。
日本にもポンチキが買えるお店がありますから、機会があればぜひ味わってみてください。
この記事で紹介したレシピも発酵に時間はかかるものの、手軽にポンチキを楽しむことができます。
また英会話についても、ポンチキ以外の単語に置き換えて今日から使えるものばかりです。
せっかくフレーズを覚えても、使わなければ宝の持ち腐れになってしまいます。
覚えたら使ってみる、を繰り返せば、気づかないうちに英語力が身につきますよ。
これからも楽しく使える英会話、英語表現をどんどん紹介しますので、お楽しみに。
See you next time!

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