パリの中心をゆったりと流れるセーヌ川。その両岸には、ノートルダム大聖堂からエッフェル塔まで、世界的に有名な建築や美術館がずらりと並んでいます。この川の両岸、中洲のシテ島(Île de la Cité)には、2000年以上にわたるパリの歴史が詰まっています。
2024年のパリオリンピックでは、このセーヌ川が開会式の舞台となり、世界中の注目を集めました。では、この「パリのセーヌ河岸(The Banks of the Seine)」とは、どんな場所なのでしょうか。その魅力と歴史をお伝えします。
パリのセーヌ河岸とは?

「パリのセーヌ河岸」は、シュリー橋(Pont de Sully)からイエナ橋(Pont d’Iéna)までの約7kmにわたる川沿いのエリアを指します。
川の左岸(Left Bank)、右岸(Right Bank)、そしてシテ島(Île de la Cité)やサン・ルイ島(Île Saint-Louis)を含むこの地域は、歴史、芸術、文化、パリの美しさが凝縮された場所です。
セーヌ川とは?
セーヌ川(Seine River)は、フランス北部を流れる長さ777kmの大河です。ブルゴーニュ地方から流れ出し、パリを通ってイギリス海峡へと注ぎます。
パリ市内では約13kmにわたって流れており、街を南北に分ける自然の軸となっています。
パリへのアクセスと観光の楽しみ方
日本からパリへは、直行便で約13時間。シャルル・ド・ゴール空港(Charles de Gaulle Airport)からパリ市内へは、バスやRER(パリ高速鉄道)で約1時間ほどです。
市内を移動するには、地下鉄(Metro)、バス(Bus)、貸し自転車(Vélib’)などが便利。セーヌ河岸は徒歩でも楽しめるエリアなので、のんびり散歩するのもおすすめです。
訳)すみません、セーヌ川にはどう行けばいいですか?
セーヌ河岸の歴史

セーヌ川の周辺には、紀元前3世紀頃から人々が暮らしていました。ローマ時代には、現在のパリにあたるルテティア(Lutetia)という都市が築かれ、セーヌ川はその中心を流れていたのです。
中世に入ると、セーヌ川は交易や物資運搬の要所としてますます重要に。川沿いには教会、宮殿、裁判所、市場などが次々と建設され、ノートルダム大聖堂やコンシェルジュリーといった建物が誕生しました。
19世紀には、ナポレオン3世とオスマン知事によるパリ大改造が行われ、セーヌ河岸は現在のような広々とした美しい景観に生まれ変わりました。
覚えておきたい!セーヌ河岸関連の英語表現
旅行中や英語の学習に役立つ、セーヌ河岸に関する英語表現をご紹介します。
訳)セーヌ川の河岸を散歩しようかと思ってるよ。
訳)夕暮れ時に川のクルーズをしたんだ。すごくロマンチックだったよ!
訳)橋からの眺めは本当に息をのむほどだったよ。
訳)2024年のパリオリンピックでは、セーヌ川が開会式の舞台となったね。
世界遺産としてのセーヌ河岸
セーヌ河岸は、1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。
訳)パリのセーヌ河岸は、1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。
登録理由は?
登録の理由としては、次のような点が挙げられます。
- パリの都市発展の歴史がわかる都市構造
- 建築、芸術、歴史が融合した景観
- 世界的に影響力のある文化の中心地であること
セーヌ河岸の魅力スポット

セーヌ河岸の最大の魅力は、何と言っても歴史的な建築や芸術、文化が驚くほど密集していることです。わずか数kmの範囲に、パリの象徴ともいえる場所がぎっしり詰まっています。
ここでは、そんなセーヌ河岸の見逃せないスポットを、英語表現とともにご紹介します。
エッフェル塔(Eiffel Tower)
1889年のパリ万博のために建設されました。高さはおよそ330m。セーヌ川沿いから見るエッフェル塔の姿は、昼も夜も格別です。
ノートルダム大聖堂(Notre-Dame Cathedral)
1163年に着工し、約200年の歳月をかけて完成したノートルダム大聖堂は、ゴシック建築の最高傑作の一つです。精緻な彫刻、バラ窓、荘厳な雰囲気は訪れる人々を魅了します。
2019年の火災で大きな被害を受けましたが、現在も復元工事が進行中です。
ルーブル美術館(Louvre Museum)
世界最大級の美術館であり、かつてはフランス王の宮殿だったルーブル美術館。
セーヌ川の右岸に位置し、建物そのものが歴史的価値を持っています。ピラミッド型のエントランスも印象的。
オルセー美術館(Musée d’Orsay)
セーヌ左岸に位置するオルセー美術館は、19世紀の印象派・ポスト印象派の絵画を中心とした美術館です。元々は鉄道駅だった建物を利用しており、駅舎の美しさも大きな魅力です。
オランジュリー美術館(Musée de l’Orangerie)
コンパクトで見やすい美術館です。何より有名なのが、クロード・モネの「睡蓮(Water Lilies)」の大作を展示する楕円形の展示室。
サント・シャペル(Sainte-Chapelle)
13世紀に建てられたこのゴシック様式の教会は、「光の宝石箱」とも言われるほど美しいステンドグラスが魅力です。壁一面を覆う色とりどりのガラスから差し込む光は幻想的です。
コンコルド広場(Place de la Concorde)
パリで最も広い広場の一つで、フランス革命の際にはギロチンが置かれていたという歴史的な場所。現在ではエジプトから贈られたオベリスクが立ち、壮大な都市景観を楽しめます。
セーヌ川にかかる橋
セーヌ川には全部で37の橋が架かっています。それぞれに歴史や物語があり、散歩しながら巡るのもパリ観光の醍醐味です。
ポン・ヌフ橋(Pont Neuf):名前は「新しい橋」ですが、実はパリ最古の石橋(1607年完成)。橋の上から見るシテ島の風景は絶景。
ポン・アレクサンドル三世橋(Pont Alexandre III):19世紀末に建設された豪華な橋で、金色の彫刻や街灯が美しく、写真撮影スポットとして大人気です。
まとめ:英語で広がる世界遺産の旅
セーヌ河岸を歩くことは、パリの過去と現在を感じることでもあります。英語で感動を共有しながらセーヌ河岸でのひとときを楽しんでみてください。

