自然界には、私たちの想像を超える形や能力を持った生き物が数多く存在します。
中でも「オオカレハカマキリ(Dead Leaf Mantis)」は、その擬態能力と独特な姿で知られる、まさに“森の忍者”とも言える存在です。
オオカレハカマキリとは?

オオカレハカマキリは、マレーシアやインドネシアなど東南アジアの熱帯雨林に生息するカマキリの一種で、特にその「落ち葉のような擬態(camouflage)」が有名です。
体全体が茶色く、乾いた葉っぱにそっくりな形をしており、敵や獲物から身を守るためにこのような姿になったと考えられています。
オオカレハカマキリの基本情報
- 和名(Japanese Name):オオカレハカマキリ
- 英名(English Name):Dead Leaf Mantis
- 学名(Scientific Name):Deroplatys desiccata
「desiccata」は「乾燥した(desiccated)」という意味で、枯葉に似た外見を表しています。
- 門(Phylum):節足動物門(Arthropoda)
- 綱(Class):昆虫綱(Insecta)
- 目(Order):カマキリ目(Mantodea)
- 科(Family):カレハカマキリ科(Deroplatyidae)
- 属(Genus):Deroplatys
オオカレハカマキリを英語で表現
- The dead leaf mantis is a master of disguise.
(オオカレハカマキリは擬態の達人です。) - It uses its camouflage to avoid predators.
(捕食者を避けるためにカモフラージュを使います。) - Its front legs are adapted for catching prey.
(その前脚は獲物を捕らえるために進化しています。)
オオカレハカマキリの生態

生息地(Habitat)
オオカレハカマキリは、主に東南アジアの熱帯雨林に生息しています。具体的には、マレーシア、インドネシア、タイ、スマトラ島、ボルネオ島などが分布域です。湿度が高く、落ち葉が多い森林環境に適応しています。
擬態(Camouflage)
このカマキリの最大の特徴は、落ち葉にそっくりな擬態能力です。翅(はね)は乾いた葉のような色と形をしており、静止すると完全に葉に見えます。敵から身を守るだけでなく、獲物に気づかれないようにも使われます。
行動(Behavior)
昼はじっとして擬態に徹し、夜に活動することが多い(夜行性の傾向)。
- 敵に遭遇すると、「デスプレイ(threat display)」と呼ばれる威嚇行動をとり、翅を広げて大きく見せます。
- 飛ぶこともできますが、基本的には歩行や枝にじっととまることが多いです。
食性(Diet)
完全な肉食性(carnivorous)で、昆虫を主食とします。待ち伏せ型の捕食者(ambush predator)で、動かずに獲物が近づくのを待ち、素早く前脚で捕らえます。
- 食べるもの:ハエ、コオロギ、小さな甲虫など
- 前脚は「鎌」のような形をしており、獲物をしっかりつかむことができます。
繁殖と寿命(Reproduction and Lifespan)
- 寿命はおよそ1年前後。
- メスのほうが大きく、繁殖期にはオスがメスに近づいて交尾します。
- 卵は「ootheca(卵鞘)」と呼ばれる泡状のカプセルに包まれ、植物に産み付けられます。
孵化した幼虫は「ニンフ(nymph)」と呼ばれ、成長と脱皮を繰り返しながら成虫になります。
外敵と防御(Predators and Defense)
- 天敵にはトカゲ、鳥、小型哺乳類などがいます。
- 擬態以外に、威嚇や飛行で逃げる行動も取ります。
- 捕食者に見つかっても、”startle display”(驚かせるディスプレイ)で生き延びる可能性があります。
オオカレハカマキリの飼育方法
飼育に必要なもの
1. 飼育ケース(Enclosure)
- 大きさ:成虫には高さ30cm以上の縦長ケースが理想。
- 通気性:側面やフタに通気口が必要(ventilation is important)。
- 環境:落ち葉や木の枝を入れて、自然に近い環境を作る。
2. 温度と湿度(Temperature and Humidity)
- 温度:24~28℃(Room temperature between 75–82°F is ideal.)
- 湿度:60〜80%(Keep the humidity between 60 and 80%.)
- ※1日1回、霧吹きで水分を与える(Mist the enclosure once a day)。
3. 餌(Feeding)
- 主な餌:コオロギ(crickets)、ハエ(flies)、ミルワーム(mealworms)など。
- 頻度:2〜3日に1回、サイズに合った獲物を与える。(Feed live insects every 2–3 days.)
- ※獲物のサイズは頭の大きさ程度まで(Feed prey that is about the same size as the mantis’s head.)
4. 脱皮(Molting)
- オオカレハカマキリは約7~9回脱皮して成虫になります。
- 脱皮の際には静かに見守る(Do not disturb the mantis during molting.)
英語表現ポイント:
“Molting is a delicate process. Disturbing it can be fatal.”
(脱皮はデリケートなプロセスです。 邪魔をすれば命取りになります。)
注意点(Important Tips)
- 同居飼育は避ける(They are cannibalistic, so keep them separately.)
- 捕まえるときは優しく(Handle with care.)
- 水入れは不要、霧吹きで十分(They drink water droplets from leaves.)
オオカレハカマキリをモチーフにした作品
BBC Earth – “Life in the Undergrowth”(2005)
- ナレーター:デイヴィッド・アッテンボロー(David Attenborough)
- 内容:BBC制作の昆虫や節足動物に焦点を当てたドキュメンタリー。
- 特徴:オオカレハカマキリの擬態能力や捕食行動について、美しい映像と共に紹介されています。
英語学習のポイント:
- ナレーションはクリアで聞き取りやすく、自然科学の語彙が豊富。
- 擬態(camouflage)、ambush predator、mimicryなどの用語に慣れるのに最適です。
NHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体・昆虫編」
オオカレハカマキリの登場回では、擬態を使った生存戦略や生態系の中での役割に注目。
日本語音声ですが、英語字幕版も時折放送・配信されており、英語学習の補助になります。
YouTubeチャンネル:Brave Wilderness
オオカレハカマキリを手に取り、その体の仕組みや行動をわかりやすく解説。
- ホスト:Coyote Peterson
- エピソード:「Dead Leaf Mantis Close-Up!」
英語学習のポイント:
- カジュアルな会話形式の英語が多く、リスニングの練習に最適。
- インセクトに関する単語や、自然科学系の表現に親しめます。
書籍:「The Book of Mantis」 by Orin McMonigle
カマキリの種類や飼育方法、生態に関する詳細な図鑑。オオカレハカマキリも収録されています。
英語学習の活用法:
- 調べながら読むことで、昆虫学の英単語に親しめる。
- 構造や生態を英語で説明できる力を育てるのに有効です。
CGアニメやキャラクター例(モチーフ)
直接的に「オオカレハカマキリ」がモデルとなっているアニメキャラクターは少ないものの、擬態能力や外見をモチーフにしたキャラクターは以下のように登場します。
- ポケットモンスターシリーズの「カマスジョー」:カマキリ型ポケモンで、隠れる能力が設定にある。
- 『虫籠のカガステル』などのアニメ作品で、昆虫型クリーチャーのモデルに用いられることも。
まとめ
最近の子どもたちは昆虫を嫌う傾向にあるというものの、その不思議な生態や見た目の面白さに魅了されるのは
決して子どもたちだけではありません。
とりわけカマキリはその独特の風貌と、どこかミステリアスな雰囲気を醸しだし
昆虫マニアにはたまらないものなのでしょう。
20センチほどに成長するものもあるらしく、ぜひ一度見てみたいものですね!
