アメリカの国民食の一つ「ホットドッグ」。野球の試合では、必ずと言っていいほど食べられるホットドッグ。その手軽さから、アメリカでは家やスポーツイベント、ランチスポットに至るまでホットドッグを食べる方が多く見られます。今回は、そんなホットドッグのアメリカでの食べられ方から最近の面白いトレンド、”hotdog”の単語の由来まで深掘りしていきます。

アメリカと日本のホットドッグの違い

アメリカと日本のホットドッグの違い

アメリカと日本のホットドッグには、いくつかのはっきりとした違いがあります。まず一番目に感じられるのは、そのサイズとボリュームです。アメリカのホットドッグは全体的に大きく、パンもソーセージも太くて長く、食べごたえがあります。一方で日本のホットドッグは、比較的小ぶりで、軽食やおやつのような感覚で食べられることが多いです。

使われているソーセージにも違いがあります。アメリカでは主にビーフやポークのソーセージが使われ、味はジューシーでスモーキー。グリルやスチームで調理されることが多く、肉の旨味が前面に出ています。対して日本では、魚肉ソーセージや加工肉を使うことも珍しくなく、味も比較的マイルドでやさしい印象です。

トッピングに関しては、アメリカでは非常に多彩で地域ごとに個性があります。たとえば、マスタード、ケチャップ、レリッシュ(甘酢漬けのピクルス)、オニオン、チリ、チーズ、ザワークラウト(酢キャベツ)などが定番で、シカゴ風やニューヨーク風といったスタイルも存在します。それに対して日本では、ケチャップとマスタードというシンプルな組み合わせが主流ですが、最近ではチーズや照り焼きソース、明太子マヨネーズ、さらにはたこ焼き風など、日本独自の創作ホットドッグも増えています。

また、ホットドッグをどこで食べるかという点でも違いがあります。アメリカではフードトラックやスタジアム、バーベキュー、家庭の庭先のグリルなど、屋外で気軽に食べられるものとして根付いており、スポーツ観戦やイベントでは欠かせない存在です。一方日本では、コンビニやパン屋、学園祭、屋台などで売られており、あらかじめ作られたものをレンジで温めて食べるスタイルが多いです。

こうした違いから、ホットドッグに対する文化的な位置づけも異なります。アメリカでは、ホットドッグは国民的なファストフードであり、日常的に食べるもののひとつです。それに対して日本では、ホットドッグはパンのバリエーションの一つと見なされることが多く、アメリカほどの存在感はありません。

最近のホットドッグのアメリカでのトレンド

最近では、アメリカのホットドッグ界にもさまざまなトレンドが怒っています。ここでは、そんな面白いホットドッグのトレンドを紹介していきます。

グローバルフレーバーの導入

ホットドッグのトッピングに、世界各国の味が取り入れられています。例えば、キムチ、カレー、地中海風のスパイスなどが使われ、食文化の多様性を反映しています。都市部のフードトラックや専門店では、これらの創作ホットドッグが注目を集めています 。

ビーガン・ベジタリアン向けの進化

ビーガンやベジタリアン向けのホットドッグも進化しています。例えば、「キャロットドッグ」と呼ばれる、人参をホットドッグのように調理したメニューが登場し、SNSで話題となっています。これらは、植物ベースの食事を楽しむ人々に新たな選択肢を提供しています 。

コストコのホットドッグの進化

コストコと言えば、1.5ドルのホットドッグがアメリカで大人気です。価格も販売当初から変わることが無く、インフレの中でこのホットドッグの価格に喜ぶ国民も多いです。最近では、ホットドッグの品質向上とコスト削減を目指し、独自のホットドッグ工場を設立したそうです。。これにより、より高品質なホットドッグを提供しつつ、価格を維持しています。

ちなみに、日本のコストコのホットドッグはポークなのに対し、アメリカのホットドッグはビーフが使われています。

参考:delish

“hotdog”の言葉の由来

アメリカンなホットドッグのレシピ

“hotdog”はなぜそう名付けられているかご存知ですか?これには、ユーモラスで少し謎めいた歴史があります。以下にその背景を解説していきます。

「ホットドッグ」という名前は、19世紀後半のアメリカで誕生しました。最初は単に「ソーセージをパンに挟んだ食べ物」として存在していましたが、そこに「dog(犬)」という言葉が付けられるに至ったのには、当時の社会的な風刺やジョークが関係しています。

当時、ドイツ移民が持ち込んだダックスフント型のソーセージ(細長くて小さい)が流行していました。これが犬の「ダックスフント」に似ていることから、「ダックスフント・ソーセージ」や「ドッグソーセージ」と呼ばれるようになりました。

さらに、その頃のアメリカでは、粗悪なソーセージには犬の肉が混ざっているのでは?という根拠のないジョークや疑念が広まっており、これが「hot dog」という皮肉な呼び名につながったとも言われています。

「hot dog」という言葉が文書に初めて登場したのは、1901年のニューヨーク。野球場でホットドッグを売っていたベンダーの様子を描いた新聞漫画が、”hot dachshund sausages” を “hot dogs” と呼んだのが始まりとされています。

参照:Wikipedia

アメリカンなホットドッグのレシピ

"hotdog"の言葉の由来

ここではアメリカンスタイルの定番で人気な「ニューヨーク風ホットドッグ(New York Style Hot Dog)」のレシピをご紹介します。

ニューヨーク風ホットドッグのレシピ(2本分)

 材料:

  • ホットドッグ用バンズ(できれば蒸しタイプ)…2個

  • ビーフまたはポークのソーセージ(フランクフルト)…2本

  • イエローマスタード(アメリカンマスタード)…適量

  • トマトソース煮込みオニオン(後述)…大さじ2〜3

  • (好みで)サワークラウト、ピクルス、ケチャップなど

トマト煮オニオンの材料:

  • 玉ねぎ(中サイズ)…1個(みじん切り)

  • トマトペースト…大さじ1

  • ケチャップ…大さじ2

  • 水…50ml

  • 塩・こしょう…少々

  • オリーブオイル…大さじ1

作り方:

【1】オニオンソースを作る

  1. フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、みじん切りにした玉ねぎを炒める(中火)。

  2. 玉ねぎがしんなりして軽く色づいてきたら、トマトペーストとケチャップ、水を加えてさらに炒める。

  3. 水分が飛び、ソース状になるまで5〜10分ほど煮詰め、塩・こしょうで味を調える。

【2】ソーセージを調理する

  • グリル、フライパン、またはボイルで加熱。アメリカではグリル調理が人気で、表面に焼き目がつくと香ばしさがアップ。

【3】バンズを温める

  • 蒸すのが理想ですが、レンジで10秒ほど加熱してもOK。

【4】仕上げ

  • バンズにソーセージを挟み、上にオニオンソースをたっぷり乗せ、イエローマスタードをかけて完成!

参考:food network

おすすめの組み合わせ:

ホットドッグと言えば、アメリカではポテトチップス や フレンチフライと合わせる場合が多いです。飲みものは炭酸のジュース、例えばコーラ、ルートビア、クラフトビールなどがおすすめです。

また、シカゴ風にしたければピクルス、トマト、青唐辛子、ポピーシード入りバンズに替えると良いでしょう。ボリュームが欲しい方は、チリコンカンとチーズのトッピングもおすすめです。

ホットドッグをもっと気軽に食べよう

ホットドッグと言えば、アメリカでよく食べられる食事の一つですが、様々なトッピングの組み合わせでその楽しみ方は無限大。家で作れば、自分のアレンジでヴィーガンにも、野菜を多めにも、ボリュームアップにもできる利点があります。また、作るのも簡単なのでぜひ様々なアメリカのホットドッグの食べられ方を参考に、自分の好みのホットドッグを探求してみて下さい。

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