日本でも海外でも馴染みがある動物、牛。しかし、この牛を英語でどういうかと言われると、ちょっと困りませんか?言われてみればcowかもしれないし、でもbullという言葉も知っているし、どちらを使えば良いのかわからないなんてこともあるでしょう。他にもたくさんの言い方があり、同じ牛でも英語ではかなり色んな言い方を覚えておかなければ正しく使えないのです。今回は、その違いを見ていくことにします。
辞書で「牛」と引くと・・・?
ではまず、辞書で「牛」を引いてみましょう。どんな単語が正解となっているのでしょうか。
うし1 牛
〈家畜としての総称〉 cattle
《★複数扱いで, three cattle ともいえるが, three head of cattle といういい方をよくする》〈雌〉 a cow
《★牛の総称としての cattle はどちらかというと畜産用語であって, 一般の人は牛の性にもあまりこだわらず There are some cows in that field. (そこの牧場に牛がいる)のように cows を牛の一般的な意味で用いる》〈雄〉 a bull
〈去勢牛〉 a bullock
《主に米国で用いられる》 a steer (食肉用); an ox 《《複数形》 oxen》 (荷車用)〈子牛〉 a calf
《《複数形》 calves》
- 食肉用の牛:beef cattle
- 牛の皮:cowhide
- 牛を飼う:keep cows, raise cattle
1つの単語でズバリこう!と出してくれると思いきや、なんだか予想以上に長い説明がありましたね・・・。そう、私たちが普段「牛」と一言で表しているあの動物は、英語圏だとかなり区分けされているのです。これは羊など、西洋で家畜として飼っているものに多い傾向です。日本だとあまり意識しないので、文化の違いから生まれた言葉ということもできるでしょう。
cow
タイトルにも書いたcowという単語ですが、これは正確に訳すなら「乳牛」や「雌牛」になります。牛乳を提供してくてるのは雌牛ですからね。これが一般的に思い浮かべる牛の代表的な単語です。
bull
そしてbullは、「去勢していない雄牛」のことです。ですから、事前に牛のことを英語でcowやbullと知っていた場合は、雌牛なのか雄牛なのかの違いということでした。これでスッキリしたでしょうか。日本語ではあまり牛がメスなのかオスなのかに注目しないので違和感があるかもしれませんね。
beef
こちらは皆さんお馴染み、ビーフと言えば「食用の肉(牛)」となりますね。もう説明の必要もないでしょう。
cattle
他にも、cattleと表現する「牛」がいますが、こちらは家畜として飼われている牛のことを指します。野生の牛なんて珍しいから、どれもcattleになるのではないかと思うかもしれませんが、家畜という意味を強く含めたい時に使うものです。
ox
牛はoxとも言うと知っていましたか?ちなみにこれはイギリスのオックスフォードの中にも含まれている単語で、英語のスペルはoxfordです。この地名も牛が関連しているという説があるんですよ?
このoxは「去勢した雄牛」という意味です。雄牛は雄牛でも、去勢したことに焦点を当てるかどうかで単語も変わってくるとは、かなりのバリエーションがありますよね。
calf
家畜動物には子どもの動物にも別の名詞が付くことが多いのですが、牛も例外ではありません。仔牛はcalfと言います。具体的にいつまでが仔牛なのかというのは難しいですが、生後1年未満の牛に使うとされています。
牛の鳴き声は英語で何と言う?
動物にはそれぞれ鳴き声があり、それを人間の言語にしたものがありますよね。犬ならワン、猫ならニャー。しかし、英語圏ではバウワウと言ったり、ミャーと言ったりして、発音が違います。それは牛もそうで、日本語ならモーと言うところですが、英語ではムーと言います。書き言葉にしたいならmooです。
豆知識ですが、このmooは動詞にもなるんですよ!意味は、「牛がモーと言って近づく」です。動詞ですから過去形もあり、その場合普通に動詞に-edを付けてmooedになります。
牛肉の部位を英語で言うには
牛をどのように英語で言うのかはわかりましたが、実は海外旅行に行った時に使える牛に関する英語は牛肉に関するものです。となると、メニューを見た時に自分の食べたいものを理解できるようにしておかないといけませんよね。ここからは、牛肉の部位を英語でどう言うのかまとめていきます。
- カルビ:Boneless Short Rib
- 骨付きカルビ:Short Rib
- タン:tongue
- ロース:Loin
- ヒレ肉:Tenderloin
- リブロース:Spencer Roll
- サーロイン:Sirloin
- ハラミ:Outside Skirt
- 肩バラ:Brisket
- 肩肉:Shoulder
- 小腸:Small intestine
- 大腸:Large intestine
- モモ肉:Round
- テール:Tail
- 仔牛肉:Veal
日本語で聞いたことがあるものもいくつかありませんでしたか?ショートリブだとか、サーロインなどは聞きますよね。一方で、肩肉はそのまま肩という意味のshoulderで通じちゃったりもするのは面白いところ。それなのに、仔牛肉は、仔牛という単語のcalfを使わずまったく別のvealという単語になってしまうのですから英語もなかなか複雑です。
これらは英語圏に行った時にレストランで出てきやすい単語ですから、料理や食べ物に疎い人は、今からどこの部位でどんな味がするものなのかを調べておくのも良いでしょう。
まとめ
一言で牛と言うことが圧倒的に多い日本ですが、英語になるとたくさんの言い方がありましたね。英語を勉強していると知っている人も多いcowやbullは、実は雌牛や雄牛といったオス・メスの違いがありました。それ以外にも、仔牛には違う単語が用意されていたり、雄牛に至っては去勢している牛にまた別の単語があったりもしました。海外に行く機会があるならば、牛肉の部位は覚えておきたいので今のうちに頑張って全部暗記していまいましょう!