身近な人や大切な方の訃報は、いつも突然やってくるものです。日本語では「ご冥福をお祈りします」や「お悔やみ申し上げます」といった定番のフレーズがありますが、英語ではどのように表現するのでしょうか。

そもそも実は「ご冥福」という言葉には仏教的なニュアンスが強く、英語で直訳すると、かえって相手を困惑させてしまうこともあります。

そこで、今回は「ご冥福をお祈りします」に代わる英語の基本フレーズから、葬儀や追悼メッセージで使える表現まで、シーン別にわかりやすくご紹介します。

この記事の3行まとめ(AI要約)

  • 「ご冥福をお祈りします」の直訳は英語では不自然で、宗教観の違いから「相手に寄り添う表現」を使うのが基本。
  • I’m sorry for your loss や condolencesなど、関係性や場面に応じて丁寧さを使い分けることが大切。
  • 追悼メッセージは「遺族への言葉+故人への一言+気遣い」の3文構成にすると、自然で心のこもった表現になる。

「ご冥福をお祈りします」の直訳はNG?英語の考え方

「ご冥福をお祈りします」の直訳はNG?英語の考え方

まず知っておきたいのが、日本語の「ご冥福をお祈りします」を英語に直訳するのは難しいということ。というのも「冥福」は死後の世界の幸福を祈る仏教用語だからです。宗教観・死生観がさまざまな英語圏のお悔やみの言葉には、「ご冥福をお祈りします」の直訳ではなく「相手の悲しみに寄り添う言い方」を選ぶのがマナーです。

「I’m sorry」は謝罪ではない

お悔やみのシーンでよく聞く “I’m sorry.” ですが、これは「ごめんなさい」と謝っているわけではありません。「そのような悲しい知らせを聞いて、私の心も痛んでいます」という共感を表しています。

特によく使われるのが、次の表現です。

Aさん

I am sorry for your loss.

ご愁傷様です/お悔やみ申し上げます。

Aさん

I’m truly sorry to hear about your loss.

その知らせを聞き、心よりお悔やみ申し上げます。

【シーン別】心よりお悔やみ申し上げます

お悔やみの英語表現は、相手との関係性や状況によって「ちょうどよい丁寧さ」が変わります。ここでは、フォーマルとカジュアルの2つに分けて、よく使われる定番フレーズを紹介します。

フォーマルな場面

ビジネスメールや、少し距離のある相手、また葬儀(Funeral)の受付などで対面した際には、“condolences”(お悔やみ、哀悼)を使った丁寧な表現が一般的です 。この単語は基本的に複数形で使います 。

Aさん

Please accept my deepest condolences.

心よりお悔やみ申し上げます。

Aさん

Please accept my sincere condolences.

謹んでお悔やみ申し上げます。

また、次のフレーズもよく使われます。

Aさん

My thoughts and prayers are with you.

あなたのことを思い、祈っています。

ただし、“prayers”は宗教色が出ることもあるため、相手の価値観が分からない場合は、次のようなニュートラルな表現がおすすめです。

Aさん

My thoughts are with you.

心はあなたと共にあります。

カジュアルな場面

親しい相手には、かしこまりすぎない一言が伝わりやすいです。お悔やみの言葉に「気遣い」を添えましょう。

Aさん

I’m so sorry to hear about your father.

お父様の訃報を聞き、とても胸が痛みます。

Aさん

My heart goes out to you.

心からお察しします。

Aさん

If you need anything, I’m here for you.

何かあれば、いつでも言ってね。

Aさん

Please take care of yourself.

どうか無理しないでね/ご自愛ください。

メールやSNSで送る「追悼メッセージ」の書き方

メールやSNSで送る「追悼メッセージ」の書き方

最近は、SNSやメールで追悼メッセージを送る機会も増えています。英語の追悼メッセージでは、「ご遺族に向けた一言」と「故人への言葉」を少し意識すると、より自然で丁寧になります。それぞれのよく使われるフレーズをご紹介します。

ご遺族に向けた一言

ご遺族に寄り添うフレーズは短くても、丁寧に気持ちを伝えられるものを選びましょう。

Aさん

I was deeply saddened to hear this news.

この知らせを聞き、深い悲しみに暮れています。

Aさん

Thinking of you and your family during this difficult time.

この困難な時に、あなたとご家族のことを想っています。

Aさん

With deepest sympathy.

深いお悔やみを込めて。

故人への言葉

故人を偲ぶ言葉を添えると、より丁寧で温かい追悼メッセージになります。故人の人柄に触れるフレーズや、感謝を伝える一言がよく使われます。

Aさん

He/She will be deeply missed.

彼/彼女がいなくなって寂しくなります。

Aさん

I’ll always remember his/her kindness.

優しさをずっと忘れません。

Aさん

Rest in peace.

安らかにお眠りください。

※SNSでは R.I.P. と略すことも多いですが、改まったメッセージでは略さない方が無難です。

迷ったときに使えるテンプレート

言葉に迷ったら、「遺族へのお悔やみ → 故人への追悼 → 気遣いの一言」の3文でまとめると、短くても丁寧に伝わります。以下のテンプレートを参考にしてください。

Aさん

I’m sorry for your loss.

My thoughts are with you.

Please take care of yourself.

お悔やみ申し上げます。

あなたのことを思っています。

どうかご自愛ください。

Aさん

I’m so sorry to hear about your loss.

He/She will be deeply missed.

I’m here for you if you need anything.

辛い知らせを聞いて、本当に胸が痛みます。

彼/彼女がいなくなって寂しくなります。

必要ならいつでも力になります。

3文目の「気遣いの一言」は、次のようなフレーズもおすすめです。ぜひ参考にしてください。

Aさん

I’m here if you want to talk.

話したくなったら、いつでも聞くよ。

Aさん

Please don’t hesitate to reach out.

遠慮なく連絡してください。

Aさん

Take all the time you need.

落ち着くまで無理しなくていいよ。

参照サイト

英辞郎 on the WEB 

Oxford Learner’s Dictionaries

 

まとめ

英語でのお悔やみは、日本語のように決まった「型」を完璧に守ることよりも、「あなたの悲しみに共感しています」という姿勢を見せることが重視されます。

大切なのは「言葉」よりも「寄り添う気持ち」。もし言葉に詰まってしまっても、無理に難しい単語を使おうとせず、“I’m so sorry.” と心を込めて伝えるだけでも、気持ちは相手に届きます。

相手との関係性や場面に合わせて、短くても丁寧な表現を選べば、思いやりのある印象になります。いくつか覚えておけば、いざという時も落ち着いて言葉を選べます。いざという時に、大切な人へそっと寄り添えるよう、今回ご紹介したフレーズをいくつか心に留めておいてください。迷ったら、短い一言でも構わないので、心を込めて伝えましょう。

「英語でなんて言えばいいんだろう?」と悩む時間は、それだけあなたが相手を大切に想っている証拠。この記事で紹介したフレーズが、あなたと大切な人を繋ぐ、温かい架け橋になれば幸いです。

author avatar
tsuru 英語教材開発者・英語教育ライター / English Curriculum Developer & Writer
英会話スクールで20年以上にわたり教材開発と指導に従事。TOEIC880点を保持し、子ども向け英語教育やカリキュラム設計の経験を活かして、学習者目線の英語学習情報を発信している。