「中学英語って急に難しくなると聞くし、先取りした方がいいのかな…」
そう感じるのは自然なことです。周りが始めていると、なおさら気になりますよね。
ただ、先取りは「早く進めば安心」というものではありません。英語は積み重ねの教科なので、いまのお子さんに合う順番とペースで進めたほうが、あとから伸びやすくなります。大切なのは、難しい内容を詰め込むことではなく、「わかる・使える・続けられる」の土台をバランスよく整えてあげること。
今回は、中学英語の先取りが向く子・まだ待つ子の見分け方と、家庭で取り入れやすい進め方をご紹介します。
先取りの前に知っておきたいメリットと注意点

先取りのメリットは、中学の授業が「初めて聞く内容」になりにくく、理解が追いつきやすくなることです。授業の中で「これ知ってる」「ここはできる」と思える場面が増えると、自信がつき、学習のリズムも作りやすくなります。
ただし、合わない状態で先取りを続けると、理解があいまいなまま先へ進んでしまったり、「できない」が増えて英語がしんどく感じたりすることもあります。英語は積み重ねの教科なので、少しのつまずきがそのまま負担になりやすい点には注意が必要です。
そこで、先取りをするかどうかは、『わかる・使える・続けられる』の3つがバランスよく整っているかで判断するとよいでしょう。3つが整っているなら前向きに英語学習を進めることができるはず。どこかに無理がかかっているようなら、今は準備の時期と考えましょう。
見分け方:先取りが「向く子」に多いサイン3つ

とはいっても、具体的にどこで判断するかはわかりづらいもの。そこでここでは、中学英語の先取りが「向きやすい子」に見られやすいサインを3つご紹介します。大切なのは、どれか1つでも当てはまれば「先取りすべき」と決めつけることではなく、いまのお子さんの状態を把握することです。当てはまる点が多いほど先取りが効果を発揮しやすく、逆に不安が残る場合は、先に土台づくりを優先するほうが安心です。
サイン1:英語に触れることが大きな負担になっていない
先取りは、続けた分だけ力になります。たとえば、英語の歌や動画を楽しめる、英語のフレーズをまねして言ってみたがるなど、英語に触れること自体が「嫌ではない」状態なら、先取りが前向きに進みやすいでしょう。また、「毎日きっちり」ではなくても、週に数回など自分のペースで取り組む習慣がある子は、先取りで成果が出やすいタイプ。先取りは短距離走ではなく、少しずつ積み上げる学びだからこそ、学習の土台になるのは“続けられる感覚”といえます。
サイン2:「わからない」を置き去りにせず、理解を積み上げられる
先取りでつまずきやすいのは、進度そのものより「理解があいまいなまま先に進む」ことです。とくに中学英語の入口では、be動詞と一般動詞の違いがあいまいだと、否定文・疑問文に入ったときに混乱しやすくなります。授業や学習の中で、間違いを指摘されても極端に落ち込まず、「どこが違ったのか」を確認できる子は、先取りと相性が良い傾向があります。理解があいまいな部分をそのままにしない姿勢があると、先取りの内容が“積み残し”ではなく“自信”として積み上がっていきます。
サイン3:覚えたことを、短くても「使う」練習につなげられる
中学英語は、知識として知るだけでなく、実際に使える形にしていくことが重要です。たとえば「I am 〜」を学んだら、自分の気持ちや状況に当てはめて短い文を作ってみる。「Do you 〜 ?」を学んだら、家族に質問してみる。こうした小さな実践ができる子は、先取りが“実力”になりやすいでしょう。特別に長い会話をする必要はありません。1分でもよいので、学んだ内容を「口に出す」「書く」「聞いて反応する」といった形で使う習慣があると、先取りの効果が出やすくなります。
見分け方:先取りが「まだ早い子」に多いサイン3つ
では、いったん先取りを急がず、準備を優先したほうが伸びやすいサインを確認しましょう。これは「できない」という意味ではなく、いまは土台づくりのタイミングだと捉えましょう。
サイン1:先取りがストレスになり、英語への気持ちが下がっている
「やりたくない」「もう無理」といった反応が増えたり、英語の時間が親子げんかの原因になってしまったりする場合は、先取りを続けることで“続ける力”が削れてしまう可能性があります。英語は続けるほど伸びる教科なので、まずは負担を下げて「これならできる」という学び方に戻すほうが結果的に近道です。量を減らす、時間を短くする、内容をやさしくするなど、調整しながら“前向きに続けられる状態”を取り戻すことを優先しましょう。
サイン2:音と文字があいまい
中学では、英単語を読んだり書いたりする場面が増えます。小学校で英語に触れていても、アルファベットの大文字・小文字を正しく書くことや、単語のつづりを覚えることに慣れていない子も少なくありません。「聞くとわかるけれど、書くのは苦手」「単語が覚えられない」という場合は、先取りで文法を進めるよりも、まずは音と文字を結びつける練習(アルファベット、基本単語の読み書きなど)を優先すると、あとが楽になります。
サイン3:進むほど“積み残し”が増える
先に進むほど理解が薄くなってしまう子は、先取りよりも「定着」が先です。とくに be動詞・一般動詞・疑問文・否定文などは、少しの理解不足が後から大きな負担になりやすい分野です。もし「説明を聞いてもピンとこない」「なんとなくで答えてしまう」傾向がある場合は、いったん戻って基本の文を確実にするほうが、結果的に伸びやすくなります。
先取りするなら「ここだけ」:中学前に押さえたい範囲

先取りをするなら、範囲を広げすぎないことが大切です。
中学の英語は読み書きの比重が上がるため、まずは以下を先取りしましょう。
- アルファベット(大文字・小文字)
- 基本単語の読み書き(音とつづりの結びつき)
- be動詞
- 一般動詞の基本
ここまでを押さえておくと安心です。特に be動詞と一般動詞は、中学英語の「文の型」そのものになります 。ここがあいまいだと否定文・疑問文に入ったときに混乱しやすくなるため、あせらず「戻らずに進める状態」を作ることが大切です 。
ちなみにわが家の息子の中学校入学前は、まだアルファベットが十分に身についていない状態でした。そのため、国語の教科書に載っていた短い詩をローマ字にして書く練習を取り入れました。英語はローマ字読みとは違いますが、「アルファベットを見て書く」「文字の並びに慣れる」という意味では役立ち、本人も抵抗感なく続けられました。
「これならできる!」という小さな自信を積み重ねたことで、中学に入ってからの本格的な英語学習にも、自分なりのペースで前向きに踏み出せたように感じています。
まとめ
中学英語の先取りで大切なのは、どんどん先に進むことではありません。それよりも、「知る(理解)・使う(運用)・続ける(動機)」という3つの要素が、お子さんの中でバランスよく整っている状態を大切にすることです。
もし「うちの子にはまだ早いかも」と感じても、焦らなくて大丈夫ですよ。今は無理に先を急ぐよりも、アルファベットや基本単語の読み書きといった「土台」を丁寧に整えてあげてください。その安心感が、中学に入ってからの学びをぐっと楽にしてくれます。
Kimini英会話でも、この「知る・使う・続ける」のサイクルを回しながら、知識をコミュニケーションにつなげていくことを大切にしています。背伸びをせず、まずは「できる範囲」を小さく区切ることから始めてみましょう。お子さんのペースで心地よい学習のリズムを作ってあげることが、結果的にいちばん確かな準備になります。
