海外旅行の時、必ずと言っていいほど立ちふさがるのが言葉の壁。
自分でなんとかできたら嬉しいですが、やむをえず通訳の方の力を借りることもありますし、最近は通訳アプリも便利なものがたくさんありますよね。

また、英語を学習している方の中には、本格的に通訳を目指しているという方もいるのでは。今は忙しく頑張っている方が多いでしょうが、子育てが一段落したら海外に住んでコーディネーター……なんて生活にも憧れます。

今回は、英語学習とは切っても切り離せない「通訳」にまつわる話題です。
紛らわしい「翻訳」との違いについての解説や、知っておきたい英語表現集、そして海外旅行などで役に立つアプリをご紹介します。

通訳って英語で何て言う?

「日本語を英語に(英語を日本語に)変換する」意味の英単語として思いつきやすいのが、「translation」です。
しかし、実は「translation」に「通訳」という意味合いはほとんどありません。

「通訳」と言いたい場合、英語では「interpretation」と表現するのが一般的です。

ちなみに「通訳する人」を表す場合は「interpreter」といいます。

「interpret」は「解釈する」と和訳するイメージが強いため、意外に思う方もいるかも知れませんが、「interpret」の語源はもともと「二者の間を仲介する」という意味のラテン語に由来しています。

人と人の間に入って何かを説明したり、取引したりすることを表す言葉が転じて、「解釈する」「通訳する」といった意味で使われるようになったようです。

通訳と翻訳の違い

通訳と翻訳の違い

「通訳」は英語で「interpretation」、「翻訳」は英語で「translation」と和訳するのが一般的です。

日本語の場合、「通訳」は「会話」を訳す作業を表し、「翻訳」は書籍やWebサイトなどの「文字情報」を訳す作業を意味します。

ただ、英語の「interpret」「translate」が表す内容は、日本語とは若干異なります。
Cambridge Dictionaryで調べてみると、「interpret」は下記のように説明されているので、基本的には日本語でいう「通訳」と近い内容です。

interpret
to change what someone is saying into another language

ただ、やはり「解釈する」とも訳せる英単語なので、「話された言葉を自分なりに解釈して説明する」という意味合いの強い単語のようです。

また、「translate」はCambridge Dictionaryには下記のように記載されています。

 

translate
Cambridge Dictionaryには「to change words into a different language

基本的には日本語の「翻訳」と同じく、文字情報を訳す作業を表す言葉ですが、文字情報に限らず言葉を訳す作業全般を表す場合もあるようです。

通訳を使ったフレーズ

通訳を使ったフレーズ

海外旅行や国際交流の場で、他人に通訳を頼みたいときには、以下のような表現が役立つのではないでしょうか。

英語話者の友人とおしゃべりしていて自分の意図がうまく伝わらない時、一緒にいる別の友人に助けを求めたいなら、次のようにと頼むと良いでしょう。

Aさん
Can you interpret me?
訳)私の代わりに説明して!

また、英語圏や英語が通じる他の外国語圏の、現地で通訳ガイドを雇いたい時は、以下のように依頼するのが無難です。

Aさん
I would like to engage an interpreter.
訳)通訳を雇いたいのですが

また、将来の夢として通訳を目指している方なら、こんな表現を知っておくといいかもしれません。

Aさん
I want to be an interpreter in the future.
訳)将来通訳になりたい
Aさん
She made me serve as interpreter.
訳)彼女は私に通訳をやらせた
Aさん
I was engaged as an interpreter.
訳)私は通訳として雇われた
Aさん
I acted as a simultaneous interpreter at the meeting.
訳)私はその会議で同時通訳を務めた

ちなみに「同時通訳」については、「simultaneous interpretation」だけではなく、「simultaneous translation」という表現が使われることもあるようです。

おすすめ無料翻訳アプリ3選

おすすめ無料翻訳アプリ3選

英語力にまだ自信がないなら、翻訳アプリを活用するのもおすすめです。
「翻訳アプリ」という呼び名が一般的ですが、テキストだけでなく「音声翻訳」、つまり通訳の機能を併せ持っているアプリが多いです。
その中でもおすすめの翻訳アプリを3つご紹介します。全て完全無料で利用できるアプリです。

1.Google翻訳

超有名鉄板翻訳アプリです。
対応言語は108ヶ国語にのぼるので、大抵の国での通訳・翻訳に使えます。
既にテキストをコピペして使っている方も多いかと思いますが、テキスト入力だけではなく、手書き入力にも対応しているので、文字の読めない言語圏でも使えます。
もちろん通訳機能も搭載されていますし、訳文の精度もなかなかの高さです。

2.Papago

海外旅行が好きな方におすすめなのは、「Papago」というアプリです。
特にカメラ翻訳の精度が高さに定評があり、旅行先で読めないポスターや看板があっても、カメラで撮るだけですぐに訳してくれます。文字入力する必要がないので、ドイツ語や韓国語などの、文字がわからない国でも活躍してくれます。

また、敬語表現に対応している「文脈を理解する翻訳アプリ」なので、国際交流の場でのコミュニケーションに最適です。
よく使う会話表現をまとめて収録してあるので、旅行前に機内でちょっと会話の練習をしたりしておくことも。
まさに海外旅行好きの方にはうってつけの翻訳アプリです。

3.DeepL翻訳

ビジネスシーンで英語を活用したい方におすすめなのが、「DeepL翻訳」というアプリです。
最高レベルのAIが搭載されているため、非常に高い翻訳精度を誇り、微妙なニュアンスまで訳してくれるという点で評判の高いアプリです。
カメラ翻訳などの機能はなく、認識できる文字情報はテキスト入力だけですが、長文を入力しても素早く翻訳してくれるので、スピーディーな対応が要求されるビジネスシーンなどにおすすめのアプリです。

まとめ

「通訳」は英語で「interpretation」「interpreter」と表すのが一般的です。
英語の「interpret」には、日本語の「通訳する」という意味に加えて、「話された内容を、自分なりに解釈して説明する」というニュアンスが加わります。

最近の翻訳アプリは無料なのに翻訳精度が高いものも多いので、海外旅行をする時もアプリを利用すれば済んでしまう時代かもしれません。しかし、アプリで翻訳して意図を伝えるのと、自分の言葉でコミュニケーションをとるのとでは、「気持ちが通じ方」が全然違うのではないかと思います。
英語を学んでいる方も、なぜ英語を学ぶかと聞かれたら、「自分の言葉で気持ちを伝えたい」からではないでしょうか。

そして、英語で気持ちを伝えるためには、単純に日本語を英語に訳すのではなく、「interpretation」(自分で解釈して、自分の言葉で説明すること)が必要です。

英語学習を頑張る合間にちょっとだけ立ち止まって、「interpretation」という言葉について考えてみてはいかがでしょうか。
英語学習に対する考え方やモチベーションが少し変わってくるのではないかと思います。