会話の中で頻繫に出てくる「家」に関わる言葉。英語では何と言うか知っていますか。

おそらく多くの日本人が「home」もしくは「house」と答えるでしょう。

どちらも「家」を意味する単語として間違ってはいません。

しかし、使い方によっては異なる意味や不自然な印象を与えてしまうこともあります。

そこで今回は、家を意味する英語「home」と「house」の違いとともに、日常会話に役立つ英語表現を紹介します。

 

「home」と「house」の違い

「家」を英語で表すとき、「home」と「house」のどちらを用いて話しているでしょうか。

2つとも中学校で習う基本的な英単語なので、知らない人はいないでしょう。

しかし、この2つは明確に意味が異なります。

home

意味:生活する場所としての家、家庭、自宅、我が家、故郷など

「I’m home.(ただいま)」からも分かるように、自分や家族が住んでいる家や帰る場所、安らぎや温かさをイメージさせる場所を指します。

Aさん
Where is he?
訳)彼はどこ?
Bさん
He is at home.
訳)彼は家にいるよ。

 

 

「彼はどこにいるの?」という質問に対して、「家にいるよ。」の「家」として正しいのは、「home」です。

「He is in the house.」は、「(ただ)建物の中にいるよ。」といった解釈になり不自然です。

また「He is at the house.」となると、一軒家の外、家の周りにいるというイメージもできます。

 

Aさん
I have to go home by 6.
訳)6時までに家に帰らなきゃ。
Aさん
I usually work at home.
訳)わたしはたいてい、家で仕事をしています。
Aさん
My older brother isn’t home for a few days.
訳)兄は数日、家を留守にしているんだ。

 

こちらは長旅から帰宅したときの有名なフレーズ

Aさん
Home sweet home.
訳)やっぱり我が家が一番だ!

house

 

意味:建物、一軒家、ホテル、レストラン、アパート、マンションなど

人の居住に関係なく建物や家屋そのものを表します。

 

Aさん
That house was vacant for many years.
訳)あの家は何年も空き家だったんだよ。
Aさん
She lives in the house next to mine.
訳)彼女はわたしの家の隣に住んでいるんだ。
Aさん
Doing house chores is really hard.
訳)家事って本当に大変だよ。

「マイホーム」は和製英語

 

自分で買って家を所有するという意味での「マイホーム」は使えないので注意が必要です。

英語での「my home」は賃貸、マンション、アパートなど多くの意味を含みます。

日本語のマイホームは、「my own house(訳:自分自身が所有する一軒家)」となるため、覚えておくとよいでしょう。

 

 日本語の「うち、け、や」

 

 日本語の「うち、け、や」

 

日本語で場所を表す「〇〇さん家(ち)」や「〇〇家(け・や)」、「家(うち)」。

漢字は同じでも、さまざまな言い方や読み方のある家ですが、英語ではどのように表現するのでしょうか。

 

〇〇家

 

英語で「〇〇家」は、通常「The [family name]’s place」と表します。

「The [family name]’s house」とも言いますが、場所を示す家の意味が一戸建てに限定されてしまいます。したがって、「The [family name]’s place」と使うのが間違いないでしょう。

 

「house」や「place」を省いた「The [family name]’s」もカジュアルな会話表現としてよく使われます。

 

また、「with」を使った場合は人を指すので、一緒に覚えておくと役立ちます。

 

Aさん
I heard that there is going to be a dinner party at Kato’s(house) next week. Would you like to come too?
訳)来週、加藤家で食事会があるみたいだけどあなたもどう?
Aさん
I’m going to have dinner with the Kato’s next week.
訳)来週、加藤家と一緒に食事をするんだ。

うち

 

日本語でよく聞く「うち」は、その文の意味によって使い方が分かれます。

「home」や「house」でも意味は通じますが、日本語の「うち」は「my place」を使用するのが一般的です。

ネイティブにとってより自然で、カジュアルな表現であるため覚えておきましょう。

 

Aさん
Come over to my place next time!
訳)今度うちにおいでよ!
Aさん
Do you want to drop by my place after work?
訳)仕事の後、うちに寄る?
Bさん
That’s a good idea.
訳)いいね。

 

家に関する英語の表現集

 

家・住宅を意味する英語

「home」や「house」を使った間違いやすい英語表現を3つ紹介します。

違いを理解して正しく使い分けましょう。

at home/ in the house

 

「at home」には、「家にいる」という意味の他に、「気軽に、くつろいで」という意味もあります。

対して 「in (the) house」は、「(外ではなく)家の中にいる」といった状況を示す表現として使われます。

 

Aさん
Is Nick at home?
訳)(電話口で) ニックはいる?
Aさん
Make yourself at home.
訳)(お客様に対して)くつろいでね。
Aさん
Is Bob in the house?
訳)(外で話しながら)ボブは家の中にいるの?

homework/housework

 

homework」は、「家で取り組む勉強や仕事」といった意味を持ち、勉強の予習だけでなく、仕事の下調べや準備なども含まれます。

 

日本の宿題を英語で表す適切な単語は「assignment」です。提出して評価が付く、課題や業務という意味で使われます。

 

housework」は「家事」という意味の名詞です。食事のための買い物や支度、洗濯や掃除など一軒家での仕事を指します。

 

「housewife」は主婦(主夫)を意味しますが、妻である女性に限定した言葉であることから、現在では性差のない「homemaker」を使うのが一般的となっています。

 

Aさん
Have you finished your homework yet?
訳)宿題はもう終わったの?
Aさん
He does the housework before dinner.
訳)彼は夕食の前に家事をするよ。

stay at home/ stay in the house

 

ここ数年でずいぶんと聞き慣れた「おうち時間」という言葉。英語ではなんと言うでしょうか。カタカナで「ステイホーム」とも言われているため、言葉通りに覚えている人もいるでしょう。

 

家の中にいるという意味で「stay in the house」と思いがちですが、外出せずに家で楽しもう、在宅しようという意味もあり「stay at home」が正解です。

 

ちなみに、アメリカ英語では「stay home」、イギリス英語では「stay at home」が主流です。

家・住宅を意味する英語

家・住宅を意味する英語

家や住宅を意味する英語は他にもたくさんあります。

日本人が間違いやすいマンションや住所、住宅、別荘、邸宅などさまざまな単語を例文で紹介します。

 

マンション

 

日本語の「マンション」をそのまま「mansion」としてしまうと、「豪邸」「お屋敷」の意味になります。

 

apartment」は賃貸の集合住宅全体のことを指すので注意しましょう。イギリスでは「flat」がよく使われます。

 

特に分譲であることを強調したい場合は「condominium」と言います。

 

Aさん
This is a great apartment.
訳)素敵なマンションですね。
Aさん
I’m looking for used condominium.
訳)中古の分譲マンションを探しているんだ。

住宅、邸宅、別荘、住所

 

住宅は「housing」、大きくて立派な家は「residence」、住所には「dweling」を使います。

 

別荘は「summer house」とも言い、夏に長期休暇を取る事が多い海外では、別荘を夏に過ごす家という意味で使います(大邸宅や豪邸の場合はVillaとも呼ばれます)。

 

Aさん
The couple settled in public housing.
訳)そのカップルは公営住宅に入居した。
Aさん
I rent an apartment provided by my company.
訳)わたしは社宅を借りている。
Aさん
I built a two family home recently.
訳)最近、二世帯住宅を建てたんだ。
Aさん
We spend the vacation in my summer house.
訳)休暇は別荘で過ごすよ。
Aさん
The event will be held at the ambassador’s residence.
訳)そのイベントは大使公邸で行われる。
Aさん
What is the name of it’s dwelling place?
訳)その住所を教えて?

 まとめ

 

家は英語で何と言うか、「home」と「house」の違いに注目して解説しました。

 

住居、住宅、住まいなど日本語でも「家」を表す言葉はたくさんあります。それぞれ違ったイメージを持ち、使われる状況も異なります。

 

英語も同様に、家を意味する表現はさまざまです。安心してくつろげる場所であるhomeと、建物自体を表すhouse。単語の持つ意味をしっかり理解して、会話の幅を広げ、より自然な言い回しを習得しましょう。