いきなりですが、あなたは「ラップ」と聞いて何が思い浮かびますか?

ある人は食べ物にかけるラップかもしれません。またある人は音楽のラップかもしれません。パソコンのラップトップが浮かんだ人は、ガジェット好きな人でしょうね。

ちなみに私は音楽のラップが思い浮かびます。上手く韻を踏もうと一時期練習しましたが、なかなか上達せず挫折した思い出。一度ラッパーの人たちの頭の中を覗いてみたい今日この頃です。

さて、いろいろなラップの意味が出てきましたが、英語ではこれらすべてが別々の単語なんです。そのため、適切に表現するためには各単語の違いを知っておく必要があります。

ということで今回のテーマは「ラップ」。それぞれを表す単語のスペルや意味について詳しく確認していきます。

これを読めば、今までカタカナで一括りに捉えていた「ラップ」を、しっかり区別して理解できるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「ラップ」は英語で何て言う?

カタカナ英語の「ラップ」に対応する英単語は、”wrap”、”rap”、”lap” の3種類が存在します。

wrap と rap はどちらも「rˈæp」という発音で、lapは「lˈæp」という発音。どれもカタカナ英語だと「ラップ」になりますが、RかLの発音はしっかり区別しておきたいところです。

さて、そんなスペルも発音も似ていてややこしいwrap、rap、lap のラップ3兄弟ですが、当然それぞれに違う意味を持っています。1つずつ詳しく確認していきましょう。

“wrap” ってどういう意味?

“wrap” ってどういう意味?

“wrap(ラップ)” は「包む、巻く」という意味です。割れ物をプチプチで包んだり、赤ん坊を布でくるんだり、はたまた考えを悟られないよう言葉で覆い隠したり、幅広い意味で使われる単語です。

しかし、私たち日本人にとって最も馴染み深い wrap の意味は「食品用ラップ」です。ということで、以下では食品用ラップを英語で何と言うかについて、さらに深掘りしていきましょう。

「食品用ラップ」は英語で何て言う?

「食品用ラップ」は英語で “cling wrap”、あるいは “cling film” と言います。cling(クリング)は「くっつく、しがみつく」という意味なので、食品にピッタリくっつくラップらしい名前ですね。cling は食品用ラップ以外だと、お母さんにしがみつく赤ちゃんなどを形容する際にもよく使われます。

Aさん
I often use cling wrap before putting the leftovers in the fridge.
訳)残り物を冷蔵庫に入れる前にラップをよく使います。

また、もっと簡単に “food wrap”、”plastic wrap” などと言うこともあります。food wrap はズバリ「食品用ラップ」という意味、plastic wrap は「プラスチック製のラップ」という意味です。

「ラップは柔らかいのに何でプラスチック?」と思った人もいるかもしれませんが、plastic は本来やわらかいものから硬いものまで全部を表す単語です。そのため、ラップやビニールなどもすべて plastic で表されます。

ちなみに、ビニールに対応する “vinyl” という単語は専門性の高い単語であるため、英語圏での日常会話ではまず登場しません。

“rap” ってどういう意味?

“rap” ってどういう意味?

“rap” は「コツコツ、トントン聞こえる音」という意味です。コツコツと物を叩く行為自体は knock と言いますが、そこで発生する音は rap です。そのため、「ノックの音=rap」と捉えてもらえればOKです。

また、心霊現象で「ラップ音」というものがありますが、これもやはり rap。正体が何であれ、同じような音はすべて rap ということですね。

Aさん
Did you hear that? There was a strange rap in this room. I’m scared.
訳)聞こえた?この部屋でラップ音が聞こえたの。怖いよー。
Bさん
It’s the sound of your leg shaking.
訳)それ、君の貧乏ゆすりの音だよ。

 

音楽のラップは英語で何て言う?

ヒップホップミュージック(Hip Hop Music)で使われる、リズムに乗せて喋るような独投稿一覧特の歌唱方法である「ラップ」は、英語では rap と言います。

上述のように rap はコツコツという音を表す単語ですが、そこから「(物音のように聞こえる)おしゃべり」という意味に派生し、ヒップホップの歌手たちがおしゃべりするように歌うことから、現在の意味に定着したようです。

また、本来の rap という単語には「コツコツと響く耳障りな音」というイメージから「小言、非難」という意味もあります。世の中や相手へのディスり(disrespect)を多く散りばめたラップの特徴との奇妙な一致は、果たして偶然か必然か。

Aさん
I got a mail from my mother, it was a sail to the matter.
訳)母からもらった手紙、それは核心に迫る航海。
Bさん
What? Is that rap?
訳)何それラップ?

 

“lap” ってどういう意味?

“lap” ってどういう意味?

“lap” は非常に多くの意味をもつ多義語ですが、特に有名なのは「膝」という意味です。

膝という意味では “knee” という単語もありますが、knee が膝小僧あたりの具体的な部位を示すのに対して、lap が表すのは太ももから膝にかけての全体です。立っている状態だと見えない、膝を折って座ったときに生まれる空間のことです。

日本で言う「ノートパソコン」のことを英語では “laptop computer” と言いますが、「ノートパソコンを置く空間= lap(top)」と考えると良いでしょう。まさか膝小僧(knee)に乗せる人は居ないですもんね。

Aさん
I want to sleep on your knee.
訳)あなたの膝小僧の上で眠りたい(「膝枕してほしい」と言ってるつもり)。
Bさん
I can’t imagine how to do that.
訳)どういう状態か想像できないわ。

 

ストップウォッチの「ラップ」ってどんな機能?

ストップウォッチに「ラップ」という機能があるのをご存知でしょうか。これは、カウントを止めることなく途中のタイムを計測することができる便利な機能で、複数人のランナーそれぞれのタイムを計ったり、周回ごとのタイム差を確認したりできます。最近ではスマートフォンのストップウォッチ機能にも多く組み込まれているので、ご存知ない方はぜひ一度使ってみてください。

さて、そんなラップ機能も英語では lap と言います。「何でタイムが膝?」という感じですが、lap には膝の他にも多くの意味があり、その1つに「一周」というのがあるんです。

「膝とは、太ももをぐるっと一周したものを表すのでは?」

「一周=丸い=膝(太もも)?」

などと語源的な繋がりを邪推してしまいますが、今のところ lap の「膝」と「一周」の意味を繋ぐ定説は存在していません。興味のある方は、ぜひ一緒にあれこれ考えてみましょう。

ちなみに、lap には「膝」「一周」以外に「(動物が水を)ぴちゃぴちゃ舐める」なんて意味もあります。

まとめ

今回は、「ラップ」というカタカナ語に相当する3つの英単語 “wrap”、”rap”、”lap” の3つについて詳しく確認していきました。

RとLで発音が違うのもありますが、意味もそれぞれに大きく異なっています。言い間違いをしないよう、今回ご紹介したことを参考に、状況に応じて適切な単語を使えるようにしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!