「アルコールを含んでいる」「貴重な情報が含まれている」など、日常会話でよく使う「含む」という表現。
便利な言葉ですが、英語で表現するとなるとパッと言葉が出てこない方も多いのではないでしょうか。
日本語では「含む」という一言でさまざまな意味を表現できますが、英語では状況に応じて単語を使い分けなければなりません。
ちなみに、「含む」を表現できる英単語は10個以上あるので、一気に覚えるのはむずかしいと言えます。
そこで今回は、「含む」の基本表現3つをピックアップし、それぞれの違いについて解説していきます。
「含む」の基本表現3選
「含む」という英単語を調べてみると、「contain」「include」「involve」といった言葉が出てきますよね。
日本語訳が同じなため、どれを選んでもよいという訳ではなく、状況に応じて英単語を使い分ける必要があります。
もちろん、場合によってはどれを使ってもよいこともありますが、一方でこの状況にはこの英単語を使うべきというシーンもあります。
そこで、一つ一つの単語の違いを理解していきしょう。
「contain」「include」「involve」の語源
まずは、「contain」「include」「involve」の語源から解説していきます。
ちなみに、いずれの単語もラテン語が語源となっており、意味を確認してみるとどのようにできた単語かが分かりますよ。
contain
containは「con+tain」が組み合わさった言葉です。
接頭辞のconは「ともに」もしくは「完全に」という意味があります。
tainは「保持する」という意味があるため、「con+tain」=「完全に保持する」が直訳した意味になります。
include
includeは「in+clude」が組み合わさった言葉です。
接頭辞のinは「中へ」という意味があります。
cludeは「閉じ込める」という意味があるため、「in+clude」=「中へ閉じ込める」が直訳した意味になります。
involve
involveは「in+volve」が組み合わさった言葉です。
接頭辞のinは「中へ」という意味があります。
volveは「巻く」という意味があるため、「in+volve」=「中へ巻き込む」が直訳した意味になります。
語源を確認してみると、日本語では「含む」と訳されますが、意味が違っているのがイメージできるでしょう。
「contain」「include」「involve」のニュアンスの違い
語源から、「contain」「include」「involve」それぞれの言葉に違いがあるのがわかりましたよね。
ここでは、より詳しくニュアンスの違いを解説していきます。
contain
containは「con+tain」=「完全に保持する」が直訳した意味になると解説しました。
また、containが派生した英単語に「container:容器」という言葉もあります。
カタカナ英語で「コンテナ」とも言いますよね。
そのため、containを使って「含む」を表現するときは、 “容器の中に全体がすっぽりと収まっている” というニュアンスになります。
この野球会場は1万人が入ります。
この箱には多くのアクセサリーが入っています。
include
includeは「in+clude」=「中へ閉じ込める」が直訳した意味合いですが、日本語の「含む」に最も近い意味の表現にあたるでしょう。
さまざまな要素で全体を構成しており、その中の一部に含まれている様子というニュアンスが伝わりますよ。
たとえば、あるグループの一部のヒト・モノを表現する場合をイメージすると分かりやすいでしょう。
この金額は税金を含まない。
この金額はお酒を含んだ値段ですか?
ほとんどのフルーツはビタミンを豊富に含んでいます。
involve
involveは「in+volve」=「中へ巻き込む」が直訳した意味ですよね。
「巻き込む」という意味から想像できるように、involveは「“必要不可欠なものとして”~を含む」という意味になります。
たとえば、「彼の存在が交渉に欠かせない」→「彼がその交渉に必要不可欠な存在として含まれている」となるのです。
彼はその交渉に参加している。(彼はその交渉に必要不可欠な存在として巻き込まれている)
ちなみに、「be involved in ~」=「~に参加している」「~に関与している」という意味になるので覚えておきましょう。
わたしは新しいプロジェクトの一員です。
「含む」に関連する表現
「含む」はどのような状況で含むのかによって、表現の使い分けが必要になるのがわかりましたよね。
また、「含む」は「など」という意味合いで使うこともあります。
最後にネイティブが使う「など」の英語表現をいくつか紹介していきます。
and so on
少しフォーマルな印象で「など」を表現する場合、「and so on」を覚えておくと便利です。
「and so on」を文末に付けると、「など……」と一部を省略しているニュアンスを表現できますよ。
何が飲みたいですか?グレープフルーツジュース、紅茶、コーヒーなどがあります。
ただ、「and so on」はモノに対して使う表現のため、ヒトに対しては使わないので注意しましょう。
etc.
ときどき見かける「etc.」もなどを表現する言葉の一つですね。
意外に知られていませんが、「etc.」はラテン語の「et cetera:~とほかのもの」を省略した言葉ですよ。
主に書き言葉として使われるのが一般的で、文末につけて「~など」という意味を表現できます。
わたしはニューヨーク、ブルックリン、ワシントンなどに行ったことがあります。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「含む」の英語表現について解説しました。
日本語では「含む」の一言でさまざまなニュアンスを表現できますが、英語では状況によって単語の使い分けが必要です。
まずは基本の「contain」「include」「involve」から、ニュアンスの違いと使い分け方をマスターしていきましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、「含む」の英語表現を会話で活用してみてくださいね。