普段の会話で「反対」「逆」などはよく使う表現の一つですよね。
日本語ではなんとなく「反対」「逆」をシーンに応じて使い分けできますが、この二つの言葉の違いを説明するのは、むずかしい方も多いのではないでしょうか。
さらに、「反対」「逆」を英語で表現するとなると、もっとむずかしく感じるでしょう。
そこで今回は「反対」「逆」の違いを説明したうえで、英語の表現について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
「反対」と「逆」って何が違う?
「反対」と「逆」は同じ意味だと思っていませんか?
しかし、「逆走」とは言いますが「反対走」とは言いませんし、「正反対」とは言いますが「正逆」とは言いませんよね。
つまり、「反対」と「逆」は似ているようで違う意味の言葉なのです。
普段 “なんとなく”正しい日本語を使い分けできているものですが、きちんと理解したうえで英語表現について学ぶと、より理解が深まりますよ。
「反対」と「逆」の違い
「反対」と「逆」はどちらも意見や順序、方向などがさかさまの状態にあることを指す言葉ですが、違いを簡単に解説すると以下のようになります。
- 反対:意見や順序、方向などがさかさまの状態にあること
- 逆:意見や順序、方向などが“正しいもの”とは違う状態にあること
つまり、「逆」を使うときは“正しい”の意見や順序、方向などとは違う状態にあること、「反対」を使う場合は“正しい”ものはないが意見や順序、方向などがさかさまの状態にあることなのです。
「反対」と「逆」の例文
「逆」
車が逆走しています。
→“正しい位置・走るべきところ”とは違う場所を走っている
「反対」
車の位置を反対にしてください。
→“正しい”の置き場所はとくに決まっていない(つまり逆らっていない)
このようなニュアンスの違いが生まれるのです。ただし、必ずしもこの使われ方になっているというわけではなく、「反対」と「逆」を入れ替えても文章が成立するケースもあります。言葉の違いはあるものの、おおよそ同じ意味として捉えておくとよいでしょう。
「反対」「逆」の英語表現
反対や逆はさまざまなシーンで使われる表現ですが、大きくわけて3つの意味合いがあります。
- 【方向・順番など】物理的な反対・逆
- 【意見・考えなど】概念の反対・逆
- 【むしろ・それどころかなど】副詞的な反対・逆
用法によって英語の表現が変わるので、一つひとつ解説していきます。
【方向・順番など】物理的な反対・逆
「反対の方向に向かう」「やるべき仕事の順番が逆」など、方向や順番が「反対」「逆」を表す英語を解説します。
opposite
「反対側の」「向こう側の」といった意味のoppositeは位置や方向が反対のときに使える表現です。
一般的な単語なので、基本として覚えておきましょう。
彼女は反対の方向に歩いていきました。
reverse
reverseは名詞で「~の逆」「裏面」「逆転」などの意味があり、形容詞では「逆の」という意味があります。さらに動詞では「裏返す」「逆走する」といった意味でも使われます。
reverseは日本語で「リバース」という表現があるように、順序や上下、裏表、左右を逆にするときに用いられます。
アルファベットを逆に朗読してみましょう。
upside down
絵の向きが逆さま、コップの並べ方が逆さまなど“上下が”逆さまの様子を表現するときは「upside down」を使います。
「upside down」は「逆さまに」「転倒して」「混乱して」といった意味に訳され、上下がひっくり返る(もしくは上下がひっくり返るような)逆さまをイメージして使いましょう。
その画像が上下が逆さまです。
【意見・考えなど】概念の反対・逆
「反対の意見」「性格が真逆だ」など、概念が「反対」「逆」を表す英語を解説します。
opposite
oppositeは位置や方向が反対のときのほか、意見や考えが「反対」「逆」という意味も表現できます。
わたしの意見は彼女と反対です。
oppose
opposeは動詞で「反対する」「~と争う」「対比させる」といった意味があります。何かの提案や行動に対し、反対するときによく用いられます。
わたしはその意見に反対です。
わたしは原子力発電に反対です。
contrary
予想や期待に対して反対というニュアンスを表現する場合はcontraryを使います。
contraryは「(完全に)反対の」「正反対の」という意味の形容詞で、意見や概念が全く反対というのを表現できます。
その結果はわたしの予想とは(完全)に反対です。
【むしろ・それどころかなど】副詞的な反対・逆
「むしろありがとう」「~と思ってたけど、それどころか…」といった副詞的な意味合いを持つ「反対」「逆」の英語表現を解説します。
on the contrary
「それどころか」「とんでもない」という意味の逆を表現できるのが「on the contrary」です。
先に言っていることに対し、否定して反対の内容を言うときに使います。
わたしは彼が忙しいと思っていましたが、それどころか彼は暇でした。
in contrast
「それにひきかえ」は英語で「in contrast」と言います。後にくる文章の内容と、先の文章との違いを強調しているニュアンスが伝わります。
彼女は周囲の人にひきかえ、幸せそうです。
would rather
「AよりもむしろBがしたい」という文章で使う「むしろ」は英語で「would rather」と言います。
家で一緒に過ごしましょう。
そうだね。わたしは外出するよりむしろ家に居たいです。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「反対」「逆」の英語表現について解説しました。
英語で反対や逆というのを表現するときは、“何がどのように反対・逆なのか”によって表現の使い分けが必要です。
言葉選びによって相手に伝わるニュアンスが変わるので、日本語の意味を暗記するだけでなく、使うシーンやニュアンスも掴んでおくようにしましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、「反対」「逆」の英語を自分のものにしてくださいね。