いきなりですが、皆さんは何か「癖(くせ)」を持っていますか?
私の場合、悪い癖とわかってはいるんですが、どうしても考えるときは腕を組んでしまいます。腕を組むのは拒絶の表れという話を聞いたことがあるので、なるべくしないようにしているものの、ついつい出てしまいます。わかってはいても止められない、これぞ「癖」って感じですね…。
ということで、今回のテーマは「癖」です。
冒頭にあった「腕を組む」のような悪い癖、良い癖の表し方から、癖以外の幅広い習慣、「癖が強い」というツッコミに使える表現まで、さまざまな表現を掘り下げていきます。
これを読めば、身の回りの「癖」をすべて英語で表現できるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「癖」は英語で何て言う?
「癖」という意味で最も一般的なのは “habit” です。発音記号は「hˈæbɪt」、カタカナだと「ハビット」となります。
habit の語源を遡ると、「持つ」という意味のラテン語 “habere” に行き着きます。つまり、「気づいたら手に持っちゃっている(身に付いちゃっている)」という癖のイメージです。
habit は1つ2つと数えられる可算名詞として、多くの場合 “a habit of ~ing(~する癖)” の形で使われます。
My father has a habit of crossing his arms.
訳)私の父は腕組みをする癖があります。
「癖が付く&癖が無くなる」in English
「~の癖が付く」と言いたい場合は、”get into the habit of ~ing” と表現します。get into ~ は「~の中に入り込む」という意味なので、癖という沼に入り込んでしまうイメージですね。もちろん、悪い癖だけでなく良い癖の場合も表すことが可能です。
You should get into the habit of taking notes.
訳)あなたはメモを取る癖を付けた方がいいよ。
反対に「~の癖が無くなる」と言いたい場合は、”get out of the habit of ~ing” と表現します。get out of ~ は「~から抜け出す」という意味。into と out of で正反対の形になっているので、ぜひセットで覚えておきましょう。
I can’t get out of the habit of twirling my hair.
訳)髪を指に巻き付ける癖が無くならないんです。
「良い癖&悪い癖」in English
「良い癖」と言いたいときは “good habit”、悪い癖と言いたいときは “bad habit” と言えばOKです。
世の中にはいろいろな癖がありますが、良い癖と悪い癖の代表例としては、主に以下のものが挙げられます。
良い癖(good habits) | 悪い癖(bad habits) |
preparation and review
予習復習をする |
shaking one’s knees
貧乏ゆすりをする |
greeting
挨拶をする |
cracking one’s knuckles
指の関節を鳴らす |
early to bed and early to rise
早寝早起きをする |
clicking one’s tongue
舌打ちをする |
とはいえ、他人から見たら悪い癖でも、自分にとってはリラックスするために必要な癖であることもあります。他人に不快感を与えないことも大切ですが、自分の生きやすさも忘れないようにしたいものですね。
You have many bad habits.
訳)君は悪い癖だらけだな。
If I had no habits, I would no longer be myself.
訳)もし癖が無かったとしたら、それはもう僕じゃない。
奇妙な癖= quirk
また、habit に比べると一般的ではありませんが、”quirk” という単語も「癖」の意味で使われます。発音記号は「kwˈɚːk」、カタカナだと「クワーク」です。
quirk は habit と異なり、癖は癖でも他人に理解されないような「奇妙な癖」のみを表します。quirk には他に「運命のいたずら」という意味もあり、原因がわからない、運命のいたずらとしか言えないような独特の癖を指すのにピッタリの表現です。
Why are you standing on your head now?
訳)何で逆立ちしてんの?
Oh, it’s my quirk. Never mind it.
訳)あ、癖だから気にしないで。
「癖が強い」「癖がある」in English
ここまでで紹介した habit と quirk は、どちらも「繰り返し行う行動の癖」を表します。しかし、日本語の癖には「偏った性質、個性」という意味もあり、「あの人は癖が強い」「この食べ物は癖がある」などと使います。
英語で「癖が強い」「癖がある」と表したい場合は、”strong characteristic” を使うのが適切です。characteristic(キャラクタリスティック)は日本でもよく言う「キャラクター(キャラ)」と同語源なので、「キャラが強い」と考えるとイメージがしっくり来ますね。
My mother usually goes shopping by tricycle.
訳)うちのお母さん、たいてい三輪車で買い物に行くんだ。
She has a strong characteristic!
訳)お母さん、癖が強い!
「習慣」や「所作」など、癖に似た意味を表す英語表現
「癖」と似た意味の言葉に「習慣」や「所作」がありますね。これらを英語で何と表すのかについても、詳しく確認していきましょう。
「習慣」in English
「習慣」を英語で表すなら “custom(カスタム)” か “practice(プラクティス)” が適切です。habit が個人的な癖を指すことが多いのに対し、これらは集団的な習慣を指す点が異なります。
それぞれほとんど同じ意味で使われますが、強いて違いを挙げると、custom は無意識化した社会的な習慣(慣習)を、practice は意識的に規則正しく行う習慣を表します。
毎日無意識に買い物に行ってしまう customer(客)と、鍛錬のために行う practice(練習)をイメージすれば、両者の違いが見えてきそうですね。
In Japan, it is a custom to bow as a greeting.
訳)日本では、挨拶としてお辞儀をする習慣があります。
Our company makes it a practice to submit a quote on the same day.
訳)当社では、即日での見積もりを(習慣として)徹底しています。
「所作」in English
人の動作やしぐさを指す「所作(しょさ)」という日本語は、英語だと “behavior(ビヘイビア)” や “conduct(コンダクト)” が近いです。両者はほとんど同じ意味ですが、強いて言うと conduct の方がフォーマルな印象を与えます。
Her behavior is very beautiful and refined.
訳)彼女の所作は、とても美しくて品があります。
まとめ
今回は、「癖」をテーマにお話ししてきました。
行動の癖を表すなら habit や quark が適切ですが、キャラの癖が強い場合は strong characteristic と表します。日本語では同じ癖という単語でも、英語で表す場合はまったく異なる表現になるので注意が必要です。
今回ご紹介したことを参考に、英語でもさまざまな「癖」を表現していきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!