「かっこいい」という言葉は日常的によく使いますが、使うシーンによって、そして使う人によって、そのニュアンスがちょっと違いますよね。

日本語でそうなら、英語の「かっこいい」にもきっと色々なニュアンスが存在するはず。ということで、今回のテーマは「かっこいい」を表す英語表現です。

英語には「かっこいい」に相当する表現がたくさんありますが、予想通り、それぞれにニュアンスが異なっています。今回は全部で14種類もの表現を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「かっこいい」は英語で何て言う?

ひとくちに「かっこいい」といっても、見た目がかっこいいのか、全体の雰囲気がかっこいいのか等、表すニュアンスに応じて表現が異なります。

ここでは、英語で「かっこいい」を表す代表的な9つの表現を厳選しました。1つずつ詳しく確認していきましょう。

「かっこいい」①:cool

「かっこいい」という意味で、老若男女問わず最も多く使われるのは “cool(クール)” です日本でもかっこよさを表してよく使われるので、聞き馴染みがある人も多いのでは。

cool の本来の意味は「冷たい、涼しい」ですが、1900年代前半ごろに「かっこいい」という意味のスラングとして使われ始め、現在では定番の表現となっています。

確かに、暑そうにしているより涼しそうにしている方がかっこいいですよね。日本で「涼し気な目元」と言うのと近いイメージでしょう。

Aさん
He is cool.
訳)彼はかっこいいです。

「かっこいい」②:hot

逆説的ですが、cool と反対の意味を表す “hot(ホット)” も「かっこいい」という意味を表します

こちらは比較的最近使われ始めた表現で、「人気があってかっこいい」「活動的でかっこいい」といったニュアンスを表します。日本でも「〇〇が今熱い」と言うことがありますが、それと似たイメージでしょう。

cool の次は hot が、hot が定着したらまた cool が、そんな感じで言葉の意味は巡っていくのかもしれませんね。

Aさん
This singer is so hot!
訳)この歌手がめっちゃイケてるんだ!

「かっこいい」③:cute

「かわいい」というイメージが強い “cute(キュート)” も、男性に使うと「かっこいい」という意味を表すことができます

ただし cute が表すのは、あくまで「かわいさ」を内に秘めた「かっこよさ」です。そのため、若い男性を形容して使うぶんには問題ありませんが、渋いおじさまを指して使うと、ちょっと違和感が生まれます。日本語の感覚だと「キュンとするかっこよさ」というイメージが近いでしょう。

Aさん
My boyfriend is very cute.
訳)私の彼氏、かっこよくてキュンとするの。

「かっこいい」④:handsome

“handsome(ハンサム)” は、昔から男性のかっこよさを表す際によく使われる表現です日本でもカタカナ英語として定着していますよね。

ちなみに、なぜ handsome という綴りなのかというと、「手(hand-)で扱いやすい(-some)」というのが由来なようです。

容姿に優れた男性は、それだけで女性を簡単に扱えるという、今ではちょっと時代錯誤なイメージ。おそらく使われた当初は一種のスラングだったのでしょう。現在では、男女関係なく容姿を褒める際に使われます。

Aさん
My father used to be handsome in his youthful days.
訳)私の父は、若いころはハンサムでした。

「かっこいい」⑤:good-looking

外見がかっこいいことを表したい場合は “good-looking(グッドルッキング)” が適切です読んで字のごとく「良い(good)見た目(looking)」という意味で、日本語だと「イケメン」と同じようなニュアンスで使われます。

上述の handsome と good-looking は似たイメージの表現ですが、handsome の方が使う年齢層が高く、good-looking の方が若い人に使われる傾向が強いようです。日本での美男子とイケメンの違いみたいなものですね。

Aさん
Who is that good-looking guy?
訳)あのイケメンは誰?

「かっこいい」⑥:attractive

客観的にかっこいいだけでなく、そこに魅力を感じる場合は “attractive(アトラクティヴ)” と表現します

attractive に含まれる attract は「(人の関心などを)引きつける」という意味の動詞で、attraction(アトラクション)などにも使われています。心が惹かれる、惚れてしまうようなかっこよさを表す際には打ってつけの表現です。

Aさん
The actor is so attractive.
訳)その俳優はとても魅力的です。

「かっこいい」⑦:stylish

顔だけでなく、服装や体型を含めてかっこいい場合は “stylish(スタイリッシュ)” と表現します

stylish は見ての通り、style(スタイル)を語源とする単語。流行りのファッションに身を包んだおしゃれさん、そんなかっこよさを連想させる表現です。

Aさん
I want to go out with a stylish man!
訳)おしゃれな人と付き合いたい!

「かっこいい」⑧:nifty

“nifty(ニフティ)” は、服装や身に着けるアイテムがかっこいいことを表す表現です

前述の stylish が服装含めた全体を評するのに対し、nifty はあくまで服だけ、つまり物のかっこよさを表します。「good-looking + nifty = stylish」という等式が成り立つようなイメージです。

Aさん
I want to buy a nifty watch.
訳)イケてる腕時計が欲しいです。

「かっこいい」⑨:smart

理知的なかっこよさを表すなら “smart(スマート)” という表現も使えます

smart は「賢い」という意味の単語なので、身の内から賢さが湧き出るような、人間としてのかっこよさを表すことができます。

しかし、単に見た目がかっこいいことを指して smart と言うのはNG。さっぱりした服装など、あくまで賢さが根底にあるようなかっこよさを表す点を忘れないようにしましょう。

Aさん
My brother looks smart.
訳)私の兄は理知的でかっこよく見えます。

スラング的な響きの「かっこいい」を表す英語表現

「かっこいい」を表す表現には、cool や handsome のように、かつてはスラングだっただろうものが多く含まれています。では、現代のスラングで「かっこいい」は何と表現するのでしょうか。

ここでは、「かっこいい」を表す旬なスラングを5種類チェックしていきましょう。

awesome

“awesome(オーサム)” は、かっこよさを含めた誉め言葉として幅広く使われるスラング

awe は「畏敬」、some は handsome と同じく「~しやすい」を表すので、awesome の原義は「畏敬の念を抱きやすい」という意味。日本語の感覚だと「ヤバい」が近いです。

awesome は、スラングとしては結構歴史が長い表現なので、cool や handsome と同様、今後「かっこいい」を表す定番表現になるかもしれませんね。

stud

強くて魅力的な男性を表して “stud(スタッド)” と表現することがあります

stud の原義は馬、特に繁殖用に飼われる「種馬」です。そこから、精力的な男性という意味のスラングとして使われるようになりました。

ちなみに、stud にはレザーやタイヤなどに打ち込む「鋲(びょう)、スタッズ」という意味もあります。思わず、スタッズを大量に打ち込んだ革ジャンを着たファンキーな男性が浮かびますが、それもある意味 “so stud” なのかもしれません。

bad

「悪い」という意味でお馴染みの “bad(バッド)” ですが、スラング的に「かっこいい」を表して使われることがあります似た表現に “badass(バダス)” というものもあります。

良くないとは知りつつ、悪いものに魅力を感じてしまうのは万国共通。日本でも不良がモテたり、敢えて悪ぶって見せたりすることがありますよね。それと似たような感覚です。

とはいえ、本来の意味はあくまで「悪い」なので、使いどころには注意が必要。不用意に使うと誤解に繋がるので気をつけましょう。

dope

“dope(ドープ)” はヒップホップカルチャーに由来する「かっこいい」を表すスラングです場を沸かせるかっこいいパフォーマンスをした際などによく使われます。

dope の本来の意味は「禁止薬物」。スポーツの大会でよく聞く “doping(ドーピング)” は dope がもとになっています。

使いどころを間違えると法に触れる勘違いに繋がる可能性があるので、くれぐれも使用シーンには気をつけましょう。

ill、sick

dope と同様、ヒップホップ出自の「かっこいい」を表すスラングに “ill(イル)” と “sick(シック)” があります

ill と sick はどちらも、本来は「病気」を表す言葉です。そのため、スラング的に用いると「病的にかっこいい」「異常にかっこいい」というニュアンスになります。

とはいえ、dope と同様、使う際には誤解を生まないように注意が必要です。

まとめ

今回は「かっこいい」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。

ひとくちに「かっこいい」といっても、定番の “cool” や “handsome” からスラング的な “awesome” などまで、さまざまな表現が存在します。それぞれに表すニュアンスが異なるので、使用シーンに合わせて使い分けていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!