ビジネスや、研究論文・レポートの執筆時には「割合」を英語で表したいことも多いのではないでしょうか。
この記事では「割合」を表す英語表現をご紹介します。
「ratio(レイシオ)」「rate(レイト)」「percentage/percent(パーセンテージ/パーセント)」「proportion(プロポーション)」「scale(スケール)」などの割合を表す表現の使い分けも紹介しますので、参考にしてみてください。
percentage/percent(パーセンテージ/パーセント)の意味や使い方は大半の人が分かっているでしょうが、ratio(レイシオ)と rate(レイト)と propotion(プロポーション)の違いについて、説明できますか? 「それらの違いが分からない」「だいたいは分かるけど、あやふやだなぁ」と感じた方は、ぜひ最後までこの記事に目を通してくださいね。
「割合」を表す英語
「割合」を表す英語表現は主に以下の5つがあります。
- ratio(レイシオ)
- rate(レイト)
- percentage/percent(パーセンテージ/パーセント)
- proportion(プロポーション)
- scale(スケール)
ここでは、それぞれの使い方や、例文をご紹介します。
ratio(レイシオ)
「ratio(レイシオ)」は、2つのもの(量)の割合、比率を表すときに使います。
A:Bの比率の概念を表し、「A:B」はスピーキングでは「A to B (A対B)」と発音します。
この会社の男女比は約1対3で、その会社では女性の比率が低いことを示しています。
上記の文で、which はその前文を受けているので、,(カンマ)を必ず入れるようにしましょう。
訳)収入と負債の比率は、ローンを申し込む際の重要な要素です。
訳)収入と負債の理想的な比率はどれぐらいですか?
訳)収入と負債の良い比率は、一般的に36%未満であると考えられています。
訳)本当ですか? それはかなり低いですね。
訳)43%を超える収入と負債の比率は、一般的に高すぎると考えられています。
rate(レイト)
「rate(レイト)」は、割合、率、速度、相場、歩合といった意味で使用されます。
一定期間で全体の割合を記す際に用いられます。
「rate」を使って表した傾向から、何らかの結論を導いている文章が多いです。そのため、「今年の○○の割合は○○でした。これは前回の期間より(と)【上がった・下がった・変わりない】です」などと、変化を表す表現と一緒に用いられる傾向があります。
訳)今年の失業率は2.5%でした。成長が鈍化する経済のため来年も失業率は増えると予想されます。
「鈍化する経済」は、”sluggish economy”と表現するのが一番自然で、ネイティブも違和感を感じない表現です。
percentage/percent(パーセンテージ/パーセント)
「percentage/percent(パーセンテージ/パーセント)」は、100割のうち何割を占めるかを表します。
日本語でも使用されるため、馴染みのある方も多いでしょう。
訳)30代で結婚する人口のパーセントは減少していました。
proportion(プロポーション)
「proportion(プロポーション)」は、特定の何かを全体とし、そのうちの割合を表します。
- The proportion of A to B
- The proportion of A compared to B
- The proportion of A over B
という表現もあります。どれも「Aに対するBの割合」という意味です。
訳)材料の割合に気をつけないといけませんよ。
訳)そうですね。気をつけます。
scale(スケール)
「scale(スケール)」は縮尺を意味します。
全体に対する地図上の位置を表し、「(地図の)全体に対して何分の何」かを表します。
訳)この地図は1対250.000の縮尺の地図です。
その他に、定規と一緒に使用され「目盛り」という意味もあります。
訳)この定規の目盛りは間違っているんじゃないかな…
「割合」に関連する英語表現
次に、「割合」に関する他の英語表現もご紹介します。
全体の〜割を占める
“account for 〜”は「全体の〜割を占める」の意味です。
ビジネスで円グラフの割合を表現する際や、ニュースでも頻繁に見かける言い回しです。
訳)このお店の売上は、我社の利益の70%を占めています。
訳)えー!他の店の売上を上げてリスク分散しないといけないね!
「〜を占める」は”take up”で表現もできます。
訳)女性の労働者が、この業界の40%を占めます。
上記の会話の文例で、”account for ~”で「~%を占める」という表現以外に、”take up ~%”も使われています。英語は同じ表現を何度も繰り返して使うのを嫌う言語ですので、言い換えた方がいい場合に、take up も使ってみるといいですね。
倍数・分数表現
分数は割合を表す際によく用いられる表現です。
代表的な分数表現の例⇓
- one third(3分の1)
- two-thirds(3分の2)
- one half(2分の1)
- one quarter(4分の1)
訳)このお店の4分の1の商品はトラックで運ばれています。
訳)そのパーティーの参加者の3分の2は、独身の若者でした。
数値を入れずに割合を表す英語表現
最後に、数字を使わずに割合を表す表現もご紹介します。
(ほとんど)全部
「全部」は “all” で表しますが、「ほとんど全部」を表現したいときには”almost all”が使えます。
訳)日本で消費されるスダチのほとんど全てが徳島県で生産されています。
訳)本当に?!
”almost”だけだと、「ほぼ」という意味で、その後に”all”を持ってくると、almost が all にかかって、「ほぼすべて」という意味になります。”all”を入れ忘れると、「ほぼすべて」という意味にならないので、注意しましょう。
大多数
「Most of 〜/ The majority of〜」で「~の大半」「〜の大多数」という意味になります。
訳)この会社にいる大多数の男性社員は育児休暇をとることができます。
Most of の後には「限定的な名詞」が来るので、the male workers として、theを必ず入れるようにしましょう。女性の産休は”matenity leave”ですが、男性の育児休暇は”paternity leave”です。男性の育児休暇に関して、英語が”matenity leave”とならないように気を付けましょう。
訳)従業員の大多数は、金曜に家から働きます。
金曜に家から働くことができたら、いいですね。仕事が終わった後に家族で出かけたり、家族とまったりと自宅で過ごしたりできそうです。
一部
「一部」は “some of”で表すことができます。
訳)あなたの作品の一部を見たいです。
訳)もちろんです。
“some”だけでも、「いくらかの、幾分かの、一定数の」の意味になります。
訳)今もガラケーを使っている高齢者が一定数います。
日本語で「ガラケー」という言葉もあまり使われなくなってきていますが、「スマートフォン」が導入される前の携帯電話のことですね。
まとめ
この記事では、「割合」を表す英語表現や関連する表現をご紹介しました。
ratio(レイシオ)と rate(レイト)と propotion(プロポーション)の違いについて、最後に復習しておきましょう。
「ratio(レイシオ)」は、2つのもの(量)の割合、比率を表すときに使い、The ratio of A to B is X:Y (X to Y) の形などで使います。「ratioは2つのものの「比率」を表すのに使う」と覚えるのもいいでしょう。
「rate(レイト)」は、割合、率、速度、相場、歩合といった意味で使用され、The … rate is xx percent. のように使います。
「proportion(プロポーション)」は、特定の何かを全体とし、そのうちの割合を表します。「Aに対するBの割合」を英語で表現する場合、次のような表現が使えます。
- The proportion of A to B
- The proportion of A compared to B
- The proportion of A over B
proportionに関する3つの表現のうち最初の表現が覚えやすいなら、最初の表現だけでも覚えておきましょう。
ratio、rate、proportion、これら3つの単語はみんな「割合」を表す単語ですが、「割合」という意味だけを覚えていても、英語で話したり英作文をする場合に使えませんね。紛らわしい単語は整理して、その使い方を覚えることによって初めて使いこなせるようになります。
ビジネスシーンやニュースでは、割合に関連する英語表現が登場することがよくあります。
大事な商談やプレゼンテーションでも、数字を用いた表現や、パーセントを使う機会もあるでしょう。
この記事を参考にして、ビジネスや日常会話で割合を表す英語を使い、説得力のあるプレゼンテーションができる方が増えることを祈っています。