英会話って、本当に難しいですよね。中学・高校とあれだけ英語を勉強したのに、英会話となるとなかなか、できない…。海外旅行をしたときに、もうちょっと英会話ができたら楽しいのにと思う一方で、「今さら勉強したって無理だよねー」と、つい委縮しがち。でもあることをちょっと変えるだけで、初心者でも英会話が楽しくなって上達できます!簡単にすぐできるポイントをご紹介します。
英会話ができないと思っている人は意外と多い!
2016年に20~60代の日本人男女1000人を対象に行われた調査(※1)によると、「英語が得意ですか?」という質問に対し、「苦手・とても苦手」と答えた日本人はなんと全体の7割(69.6%)にも及んだそう。
さらに、その内訳がとても興味深いんです。主に受験用の英語しか学んでこなかったであろう40代以上が「苦手」と答えるのはある程度は納得がいくのですが、英語教育が英会話重視にシフトしはじめた以降とされる20~30代も、ほぼ同じ60%以上が「英語が苦手」と回答したという点です。
文法や単語暗記の学習だけにとらわれない英会話重視の英語にシフトしてもなお、「英語・英会話ができない」と感じる人が多く、まさに老若男女、日本人の多くが「英語が苦手」という意識が根強いということがよくわかります。
日本人の大半が英語ができないと思っている理由
英語が不得意、中でも英会話ができないという日本人ですが、実は英語の文法力などは低くない人が多いといいます。でも実際の英会話となると、簡単な道案内ですら、しどろもどろなんていうのも珍しくないようです。その原因については諸説あるのですが、代表的なものをいくつか挙げてみましょう。
- 日常生活ではほとんど英語を話さない、聞かない(外国人自体をあまり見かけない)。
- 日本語と英語の違いが大きい
- 日本人の多くが(欧米人と比べて)恥ずかしがりやの傾向にある
ドイツ語やフランス語などは、多少の違いはありますが、基本的に使う文字はアルファベットで共通。なおかつ言語的な構造も似たところがあるので、言語学的には、ドイツ人やフランス人が英語を学ぶ方が、日本人に比べて容易である、と指摘されています。
また日本で暮らしている限り、英語を必須とされるシーンはほとんどないため、簡単な単語や表現ですら忘れがちで、そこに日本人の恥ずかしがり屋の傾向が重なったとき、道で困った外国人がいても、「私が上手に話せるわけがない」「自分の英語なんかで話しかけて通じなかったらかえって困らせてしまう」といった感情がわきでて、話しかける前に「やっぱり自分は英会話ができない・苦手だ」という苦手意識だけが印象に残ってしまうのかもしれません。
英会話上達のカギ!日本人が身につけるべき考え方
英会話を上達させるには、正しい学習方法や環境も重要ですが、それ以上に大切なのが学習に対する「考え方」です。特に私たち日本人は、英語学習において独特の意識を持っている傾向があり、それが上達の妨げになっていることも少なくありません。
英会話力を効果的に伸ばすためには、日本人特有の考え方を見直し、新しい視点を取り入れることが不可欠です。
ここでは、日本人が陥りやすい考え方と、英会話を上達させるために身につけるべきマインドについて、具体的に解説していきます。この考え方を意識することで、英会話学習に対する意識が変わり、上達へのモチベーションが高まることでしょう。
日本人が陥りやすい考え方①:発言を遠慮してしまう
日本の教育現場では、教師に質問することや「わからない」と言うことに対して遠慮の気持ちや周囲への迷惑に捉えてしまうことがあります。この意識が英語学習にも影響し、講師に「わからない」と言えなくなってしまうのです。
そこで、教師への遠慮や周りへ気を遣うことを取り払うために、積極的に質問したり自分の意見を述べたりする習慣をつけましょう。
海外では主体性を重んじる人が多く、生徒たちはどんな小さなことでも発言します。そのような姿勢は前向きに捉えられることがほとんどです。
それを踏まえて、どんどん質問や意見を出していきましょう。
日本人が陥りやすい考え方②:沈黙は美徳と考える
日本では沈黙は美徳とされ、わからないことを安易に質問するのは良くないとされがちです。この文化的背景が、英語学習の場面でも「わからない」と言い出しにくくさせているのかもしれません。
特に「空気を読む」という独特の文化が日本にはありますが、海外では言わないと伝わらないことの方が多いです。
そのような背景を知った上で、英会話レッスンでは自分の考えを言語化することに注力してみましょう。例えば理解したことを確認されたとしたら、 “Yes” だけではなく、わかった部分について伝えてみてください。
話そうとする姿勢が何より大事なことを、理解しておきましょう。
日本人が陥りやすい考え方③:英語で「わからない」と言えない
「わからない」「もう一度言ってください」などの表現は、英語学習の初期段階で学ぶことが多いです。しかし実際の会話で使う機会が少ないため、すぐに忘れてしまったり、使うことにとまどったりしてしまうのです。
分からないときは「わからない(I can’t understand! )」「もう一度言ってください(Please repeat again! /Please say it again?)」と自分の気持ちや今の状況を相手にはっきり伝えること。これこそが、まさに立派な英会話!
流ちょうな英会話だけが英会話なのではなく、自分の気持ちや考えを相手に伝えること、これが英会話のはじまりなのです。
日本人が陥りやすい考え方④:自分に自信がない
私たち日本人が陥りやすい考え方のひとつが「自分に自信がない」ということです。日本人は、自己肯定感が低いと言われており、これが英語学習の妨げになっていると考えられます。
「自分の英語力は低い」と決めつけてしまうと、学習への意欲が損なわれてしまいます。また間違うことを恐れるあまり、発言を控えてしまうことも。
しかし、英語に対する自信がないことはみんな同じです。まずは、自分の強みを生かした発言を心がけてみましょう。
得意な話題や関心のある分野についてなら、話しやすくなるはずです。話すことで、自然と気持ちが上向きになってきます。
少しずつ自分のコンフォートゾーンを広げていくことが大切です。
英会話ができるようになる・上達するための第一歩とは?
英語の文法や単語を覚えることは会話の幅を広げることにとても有効なのですが、その前に、私たち「日本人」が、英会話をできるようになる・上達するためのポイント5つを解説します!
- 間違えても大丈夫
- 細かい文法や発音ミスはあまり気にしない
- とにかく英語で言ってみる
- 意識的に英語を話す機会を作る
- 目標設定と計画を立てる
「えっ、これだけ?」「英語に関することが書かれてないの?」などと思われるかもしれません。でも実はこれこそが、英会話上達のための第一歩です。詳しく見ていきましょう。
間違えても大丈夫 ~ とにかく英語で言ってみる
ここでちょっと想像してみてください。日本国内で何かに困っている外国人旅行者がいます。彼は日本語で話そうとするも、その文法や発音は下手。でも、一生懸命に日本語を使って話そうとしています。
そんな外国人旅行者に対し、「君、文法が違うよ」「発音できてないねー」「日本語ぜんぜんダメじゃないか!」なんて言う日本人はおそらく少なく、それよりも「日本語がんばっているな」「何とか相手のことをわかってあげよう」という感情に至る方のほうが、多いのではないでしょうか。
逆に自分が母国語でない英語を英語ネイティブの前で話すことを想像してみてください。昨今では、円安の影響もあり気軽に海外留学できない状況にはなっていますが、インバウンドで日本を訪れている外国人の数は増えています。日本語がうまく話せなくて困っている外国人に対して、自分が英語を話して助けてあげたいと思って話しかけたら、外国人はおそらく感謝してくれるでしょう。
英語が得意じゃなくても、助けてあげたいと思う気持ちが大事です。多少間違えても、英語で話している内容が伝わる可能性は高いです。
言葉はあくまで「コミュニケーションの手段」です。はじめは使い方が下手でも、毎日コツコツ使い続けていけば、必ず上手になっていきます。「下手だから」「できないから」と初めから決して諦めないで、下手でもなんでもどんどん使ってみることこそが、英会話上達のための第一歩となるのです。
訳)最近日本を訪れる外国人の数が増えているね。機会があれば、彼らとコミュニケーションを取りたいよ。
訳)君ならできるよ。勇気を出して、外国人に話しかけてみて。
細かい文法ミスや発音はあまり気にしない
英会話に慣れていない人は、英語で話すと慣れてないからミスするんじゃないかと思って、話すのをためらってしまうことが多いです。しかし、まず英語をアウトプットすることが大事なので、最初は細かい文法ミスや発音はあまりきにせずに、とにかく英語で話してみましょう。
慣れてきたら、中級、上級レベルになるために、細かい文法や発音にも気を配って直していく必要があります。自分で文法ミスや発音間違いに気づきつらいので、オンライン英会話などを活用して、文法ミスや発音間違いを指摘してもらうようにしましょう。
勇気を出して英語を話すことが大事ですが、慣れてきたら、文法や発音に気を配っていくようにすると、あなたの英会話はきっと上達します。
訳)私はアメリカ留学経験があるんだけど、長い間英語圏の人と英語で話していないから、話しかけるのをためらってしまうよ。
訳)完璧な英語を話そうとするのはよくないよ。リラックスして話しかけることを楽しんで。
意識的に英語を話す機会を作る
インバウンドで日本を訪れる外国人は増えていますが、海外に留学する日本人の数は減っています。
学校での英語教育で、英検などの資格を取るように勧められたり、学校の英語の試験で高得点を取るように言われますが、本当に日常生活やビジネスで使える英語を練習する機会が持てていない人が多いのではないでしょうか。
テストで高得点を取るために、つめこみで覚えた英語は、実用的じゃなかったりするものです。オンライン英会話などを活用して、意識的に英語を話す機会を作るようにしましょう。
目標設定と計画を立てる
ただ漠然と英会話を勉強していても、張り合いがなくて、飽きてしまうか挫折してしまいがちです。
だからこそ、英会話学習における目標が必要です。また目標が決まったら、計画を立てる際に「いつまでに」という期限も設定するようにしましょう。アメリカ・メジャーリーグで活躍している大谷選手が、学生時代に、「何歳までに●●する」という具体的な目標と計画を立てていたことが報道されていて、大勢の人が驚き、感化されたのではないでしょうか。
何事においても目標を作り、それを達成するための計画を立てることが大事ですね。
訳)大谷選手は学生だったときに、将来のために具体的な目標と計画を立てていて、目標達成の期限まで設定していたね。
訳)そのことに感銘を受けたよ。何事においても目標と計画を立てることは重要だね。
英会話を上達させる具体的な方法
英会話力を上達させるには、ただ教科書を読んだり、文法問題を解いたりするだけでは、実際の会話で使える英語力を身につけることは難しいでしょう。
ここでは日常で英会話を上達させる基本の3つをご紹介します。英会話力の向上は一朝一夕では成し遂げられませんが、正しい方法で学習を続ければ、着実に上達することができるはずです。
毎日英語に触れる習慣をつける
よく聞く話ではありますが、英会話力を上達させるには日常的に英語に触れることが重要です。
通勤時間や空き時間を利用してポッドキャストを聴いたり、英文の記事やニュースを読んだりしましょう。また、英語の動画を見ることで、リスニング力と同時に、ネイティブスピーカーの表情や身振り手振りから、言葉の背景にある文化的なニュアンスを学ぶこともできます。
毎日少しずつでも英語に触れる習慣を継続することで、英語の語彙力や表現力が自然と身につき、英会話力の向上につながります。
アウトプットを重視する
英語力を伸ばすには、インプット(読む、聴く)だけでなく、アウトプット(話す、書く)も重要です。英会話スクールやオンライン英会話を活用して、ネイティブスピーカーの講師と定期的に会話の練習をしましょう。また、ランゲージエクスチェンジ(言語交換)パートナーを見つけて、お互いの母語を教え合うのも効果的です。
今は、AIを活用した英会話練習アプリを利用するのも良い方法です。アプリによっては、発音の評価や文法のチェック、適切な表現の提案などの機能があり、自分のペースで効果的に練習できます。
アウトプットを通じて、英語の運用能力を高めていきましょう。
英語学習を楽しむ工夫をする
英会話力を上達させるためには、英語学習を楽しむことが何より大切です。自分の興味のある分野の英語コンテンツを探して、読んだり聴いたりしましょう。洋楽や映画を楽しむのも良い方法です。
また、英語を使ったゲームをすることで、エンターテインメント性を持たせながら、自然と英語力を伸ばすことができます。英語学習を楽しみながら継続することで、モチベーションを維持し、英会話力の向上につなげましょう。
英会話の上達に効果的なゴール設定テクニック
英会話力を効果的に向上させるためには、ゴール設定が必須です。目的地を明確にすることで、そこにたどり着くまでのステップがわかりやすくなり、モチベーション維持につながるからです。
ここでは、英会話が上達するためのゴール設定の具体的な方法をご紹介します。目標をしっかり定めて、自分のなりたい姿に近づきましょう。
SMARTの法則を使う
英会話力向上のための目標設定では、SMARTの法則を使うことがおすすめです。SMARTとは、Specific(具体的な)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関連性のある)、Time-bound(期限のある)の5つの目標設定を意味します。
例えば「英語講師とフリートークができるようになる」「英検●級に合格する」など、自分が達成したい目標を立てましょう。英検は、読む、聞く、書く、話すの4技能を重視するようになってきて、英会話力も重視されてきている傾向があります。
英語力という目に見えないものの達成率を測るには、上記5つのいずれかを含んだ目標にすることがポイントです。
長期目標と短期目標を設定する
長期的なビジョンを描き、その実現のために短期目標を設定します。
長期目標を達成するための道筋を短期目標で示すことで、モチベーションを維持しながら着実に英会話力を伸ばすことができます。
例えば、長期目標が「1年以内にネイティブスピーカーと自然な会話ができるようになる」であれば、短期目標は「3ヶ月以内に日常会話で使われる語彙を1000語習得する」などが考えられます。
目標達成のためのアクションプランを作成する
目標を設定したら、その達成に必要な学習内容に沿ったスケジュールを立てます。また、効果的な学習リソースや教材を選択することも重要です。
例えば「毎日30分英語のニュース番組を視聴し、新しい表現を10個ノートに書き出す」といった具体的なアクションプランを作成します。
目標達成の進捗を定期的に確認する
目標達成に向けて学習を進める中で、定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて目標や学習計画を調整します。
達成した目標は振り返り、次の目標設定に活かすことが大切です。例えば、「1ヶ月ごとに目標達成度を評価し、学習方法の改善点を見出す」などの習慣を身につけましょう。
目標達成時のご褒美を設定する
目標達成時のご褒美を決めておくことで、モチベーションを維持しながら学習を続けることができます。目標達成後は、自分の成長を称え、次の目標に向けて前進しましょう。
例えば「TOEIC800点以上を取得したら英語圏へ旅行に行く」などのご褒美を設定するのもひとつの方法です。
英会話スクールで英語を習うコツ
大人になってからオンライン英会話や通学型の英会話スクールで英語の勉強はじめる際も、恥ずかしがり屋の日本人は無意識のうちに、ミスをすること、間違えることは恥ずかしいと感じ「英会話をすること」にブレーキをかけてしまう方が多いようです。
日本人に指導をしている外国人講師の間からも、「日本人は間違えることを恥ずかしがらずに、どんどん発話してほしい」という声をよく聞きます。日本人は自分でお金を払っている英会話のレッスンであっても、間違えることを気にして、黙ってしまう方が多いようです。
無料体験レッスンを活用しよう
習い始める前に、お試しレッスンを受けてみることをおすすめします。オンラインが合うのか対面が合うのか、外国人講師が良いのか日本人講師が良いのかなど、実際のレッスンでチェックできるからです。
何かを始めるときが1番緊張するもの。恥ずかしさや遠慮がちな気持ちがあってもOKなので、まずはトライしてみましょう。
お伝えした上達のポイントを意識しつつ、スクールの雰囲気や自分との相性を見てみる絶好の機会となります。
まとめ
単語や文法を増やすことも大事ですが、「意識を変えて、間違ってもいいから、とにかく英語を使って話してみる」ということが、英会話上達のためのポイントであり、第一歩となります。
英会話を始めてみたい、始めてみたけどなかなかうまくならない、と悩んでいる方がいたら、ぜひ試してみてくださいね。