皆さん、英語を話していて、自分の英語が正しいか不安に思ったことはありませんか。また、正しい英語を考えるのに時間がかかってしまい、なかなか会話が上手くいかないといった悩みも聞かれます。この背景には、英語の正確さを追求するあまり、間違った英語を話してしまうことを恐れ、話したくても中々発言できないとう葛藤があります。こういった悩みを解決するには、一度正確さと流暢さのバランスを考えてみることが必要です。そこで今回は、英会話での正確さと流暢さのバランスのとり方についてお話ししたいと思います。
英会話での正確さと流暢さとは?
英会話では正確さ(accuracy)と流暢さ(fluency)の両方が求められます。英会話において、「正確さが高い」とは適切な語彙や文法を用いて、間違いも少なく会話できていることを指します。一方、「流暢さが高い」とはあまり間隔を開けずに簡単な内容であっても会話がスムーズにできていることを意味します。そして、正確さと流暢さの両方が高い場合は、ネイティブスピーカーのように、自然な間隔で間違いも少なく会話ができているということです。
英会話を習得するには、正確さと流暢さの両方を高めていく必要がありますが、この2つのバランスを取ることは難しいと感じている人も多いと思います。それは、正確さを求めると流暢さが失われ、流暢さを求めると正確さが失われてしまうこともあり得るためです。例えば、正しい英語を考えていて、なかなか口から英語が出てこないといった場合は、流暢さに欠けていると言えます。一方、英語での会話はスムーズにできているように見えても、ブロークンイングリッシュのため、意味が正しく伝わらない時があるといった場合は、正確さに問題があります。では、どのように正確さと流暢さのバランスを取ればよいのでしょうか。
英会話での正確さと流暢さのバランス
英会話での正確さと流暢さのバランスを考える際、もしも自分の英語力が初級~中級レベルだと思われる場合は、先ずは流暢さを重視した学習(英語を使うことの練習)をお勧めします。これは、正確さを気にしすぎてしまうと、会話が上手くいかず、さらに正確さを求めて語彙や文法の学習を積み重ねて、実際に話す練習がおろそかになってしまうこともあるからです。もちろん、学習の目標が留学やビジネスなど正確さを求めるものであれば、早い段階から正確さも重視していく必要があります。
しかし、英会話講師をしていて感じるのは、皆さんとても正確さに気を遣っているという点です。一方私が語学学校時代に日本以外からの留学生を見て感じたことは、英会話においては流暢さを重視している学生が多いという点でした。だから、多くの皆さんはもう少し正確さに寛容になって、流暢さを重視しても良いのではないかと思います。
もしも、語彙も文法も一通り練習したのに、会話が上手くいかないといった悩みがある場合は、ぜひ流暢さの習得に力を入れてみて下さい。
訳)英会話で流暢さと正確さのバランスをとることはとても困難です。
訳)英語のネイティブスピーカーでも、英会話で言い間違えることは時々あるけど、神経質になりすぎず流ちょうに話そうとしているね。
訳)日本人には完璧主義者がいて、英語を話すのに慣れていなくてそれを話さざるを得ない時、ほんの少ししか話せない傾向があるよ。
「AとBでバランスをとる」を英語で表現する場合、”balance”を動詞で使って”balance between A and B”と言うこともありますが、”strike a balance between A and B”という表現もよく使われます。
流暢さを伸ばすためには間違いを恐れない
正確さと流暢さのバランスを考えた上で、流暢さを伸ばしていこうとした場合、邪魔をするのが間違えた英語を使ってしまうことを恐れる気持ちです。TESOL(英語教授法の資格)の講義の中で紹介された、語学学習が得意な人が実践している戦略の中に、「上達したければ、愚かでバカだと思われることに満足することだ」(If you want to improve, be content to be thought foolish or stupid.)というものがあります。これは、英語を上達したければ、愚かでバカだと思われることに満足して取り組むべきだと解釈できます。
流暢さを伸ばすためには、実際に英語を使ってみること=練習することが必要不可欠です。自分の周りの英語を使う機会を最大限利用し、まずは間違えを恐れずどんどん使っていきましょう。日常の中で英語を使う機会がないという場合は、英語で独り言を言ってみたり、オンライン英会話で英語を話す時間を作ったりと、様々な方法で練習する機会を増やすことができると思います。そして、流暢さを重視して会話をしている場合でも、もし自分の間違えに気づいた場合は、すぐに訂正して言い直してみましょう。後で間違えてしまった箇所を中心に、学習していくことで、正確さも鍛えてくことができます。間違った英語を話すことは、恥ずかしいことではありません。流暢さを鍛えるためには、「間違っていても良いので、とりあえず話してみよう」という姿勢が大切です。
口慣らしと英作文の実践
英語を日常生活で使っている国や地域に幼少期から住んでいる人は、英会話の上達が早く、正しい英語を使えるようになるのが速いです。英語を公用語として使っている国に住んでいるお子さんにオンラインレッスン等を通して接触すると、小中学生でも、どれだけ英語力が高いかを痛感します。
一方、日本では近年、英語4技能が高まるようにと幼児から英語教育が強化されていますが、試験や資格取得のための英語の勉強になってしまっていることは否めないと思います。
英語を公用語として使っている国に住んでいるお子さんと、日本に住んでいるお子さんで何が違うのか―― 一番の違いは、学んだ英単語・熟語や英文法を日常生活の会話で使う機会があるかないかだと言えます。
日本に住んでいて、英語圏の国に幼少期から住んでいる人と同じぐらい英語が上達するのは、とても困難ですが、オンラインレッスン等を活用して、日常的に口慣らしや英作文をすることで、そのレベルに近づくことは可能です。
オンライン英会話の活用
英会話の流暢さと正確さのバランスをとるためには、オンライン英会話を活用することがおすすめです。Kiminiオンライン英会話には、英会話力を伸ばすのに最適なコースがいくつかあるので、紹介させていただきます。自分の英会話のレベルや学びたい内容に合っているコースを検討してみてください。
日常英会話コース 初級編
日常英会話コース 初級編は、全100レッスンで、日常会話ですぐに使える語彙や便利なフレーズを学習できます。
日常生活によく出てくるさまざまなテーマで、語彙・フレーズを学習し、それらを使って講師と会話の練習を行います。たとえば、Lesson 1は「家族を紹介する」、Lesson 2は「食べ物」、Lesson 3は「朝の日課」といった感じで、日常生活に関連するさまざまなテーマが取り上げられています。基本的な語句や文を用いて、自分や家族・友達のことについて話したり、日常的なトピックや身近な話題について、自分の意見や経験を相手に伝えたり、たずねたりできるようになります。
試験や資格のための英語学習ではないですが、英会話のレベルが初級で、流ちょうに英語が話せるようになりたい、英会話を楽しみたいと思っている方におすすめのコースです。
トータルスピーキングコース
トータルスピーキングコースは、全40レッスンで、様々なトピックをもとに実践的な「話す力」をトレーニングを行います。中上級レベルで、英語はある程度話せるけれど、正しい文法で正確な英語を話せている自信がないという方におすすめです。
英会話には慣れてきたけど、いつも同じような無難な英語表現を使って話しているという方が意外と多いのではないでしょうか。英語の質問に対してイエス・ノーで答えることはできるけど、必要な情報をうまく付け加えられないなと感じておられる方は、ぜひ試していただきたいです。
このコースでは、自身の経験や好みについて話すトレーニングだけでなく、写真やグラフなどの描写説明なども学ぶことができます。英語で物事を順序立てて説明したり、何かを対比して意見を述べたり、物事や意見に対する理由説明ができるようになったら、きっと仕事やプライベートで活かせます。
レッスンで扱っているトピックは、家、人物、町などから始まり、旅行・休日、健康、天気予報など、さまざまなものがあり、役に立つ英語表現もたくさん学べるので、英会話で実践的に使えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、英会話における正確さと流暢さのバランスについてご紹介しました。英会話についての悩みがある方は、是非一度正確さと流暢さのバランスを考えてみて下さい。真面目で勤勉な人ほど、正確さを意識して完璧な文で話そうとする人が多いように思います。
しかし、完璧にしてから話そうとすると、どうしても会話がスムーズにいかなくなってしまいます。ネイティブスピーカーであっても、会話の中での小さな間違いはあります。英語学習者である私たちが間違えるのは当たり前であるということを心にとめて、どんどん発言してみて下さい。
Happy Learning English!