近年、ビジネスシーンでの英語の重要性は増すばかりで、社内公用語を英語とする企業も増えてきています。しかし、いざビジネス英会話を学ぼうと思っても「なんだか難しそう…」と及び腰になっている人が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ビジネス英会話の特徴や具体的なおすすめの学習方法について、詳しく解説していきます。

また、記事の最後では今日から即戦力として使える、便利なフレーズ集も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

ビジネス英会話とは?

ビジネス英会話とは、会社をはじめとするビジネス現場で、同僚や上司、取引先などを相手とする会話で使われる英語のことです。また、ビジネス文書でやり取りされる書き言葉が含まれることもあります。

ビジネスの会話では、ちょっとした誤解が大きな損失に繋がったり、意図せず相手に失礼な印象を与えたりする可能性があります。そのため、ビジネス英会話ではなるべく誤解が生まれないよう、正確で丁寧な表現が好まれる傾向にあります。

ビジネス英会話と日常英会話は何が違う?

ビジネス英会話と日常英会話の違いは、ビジネス英会話が丁寧(フォーマル)な一方、日常英会話がくだけている(カジュアル)という点です。

日本語でも、くだけた言い回しは友人や家族同士では問題ないものの、上司などに使うと失礼に当たることがありますよね。英語でもそれと同様、ビジネスではカジュアルな言い回しを避け、極力丁寧な言葉遣いをします。

また、日常英会話では単語や文を省略して話すことが多いですが、ビジネス英会話では基本的に省略は行わず、可能な限り完全な文章で会話をします。

ビジネス英会話は難しい?

ビジネスと聞くと難しそうなイメージがありますが、ビジネス英会話は決して難しいものではありません。そのため、英語初心者でも安心して学ぶことができます。

むしろ日常英会話の方が、適宜省略が行われたり、背景を知らないと理解できないスラングが多用されたりと、初心者にとってはハードルが高いといえるでしょう。

そのため、まずはビジネス英会話で丁寧な英語表現を学び、その後で日常英会話にシフトするというロードマップを描くのもおすすめです。

ビジネス英会話におすすめの学習方法

ビジネス英会話におすすめの学習方法

ビジネス英会話を習得するには、いくつかの学習方法が考えられます。

ここでは、主要な3種類の学習方法について、その詳細や注意点を確認していきましょう。

方法①:独学で学ぶ

ビジネス英会話は、テキストなどを用いて独学で学ぶことが可能です。

先述の通り、ビジネス英会話では省略やスラングの含まれない、正しい英文が好んで使われます。そのため、日常会話のようにテキストと現場でギャップが生まれることも少なく、比較的独学しやすいといえます。

ただし、独学だとライティングやリーディングなどの書き言葉中心になりやすいので要注意。会話で大切なスピーキングとリスニングの能力を磨くためには、その他の学習方法も併用するのが効果的でしょう。

方法②:英会話スクールに通う

ビジネス英会話の学習方法としては、英会話スクールに通うのも1つの手段です。

英会話スクールでは、英語初心者でもスムーズに英語が身に付くようカリキュラムが組まれているため、独学の場合より効率的に学習を進められます。また、講師と直に英語でやり取りができるので、スピーキングやリスニングの能力も向上させられるでしょう。

ただし、英会話スクールは費用が高額になりやすい点に注意が必要です。ビジネス英会話は日常英会話よりレッスン料金が高く設定されていることもあるので、予算と相談しながらスクールを選ぶようにしましょう。

方法③:オンライン英会話を利用する

ビジネス英会話を学ぶ際、オンライン英会話を利用するのもおすすめです。

オンライン英会話は、スマートフォンやPCを使い、インターネット上でレッスンを行います。そのため、いつでも好きなときに、どこでも好きな場所でレッスンを受けることができます。

オンライン英会話は独学と同様、自分のペースで学習を進められます。また、プロの講師に教えてもらえるにも関わらず、英会話スクールより費用がリーズナブルです。そのため、これからビジネス英会話を学ぼうとする場合は、非常におすすめの方法だといえます。

ただし、オンライン英会話サービスの中には、日常英会話が中心で、ビジネス英会話は不得意な業者も一定数存在します。そのため、オンライン英会話を選ぶ際は、「ビジネス英会話」や「ビジネス英語」と銘打ったレッスンがあるかどうか、必ず事前に確認するようにしましょう。

ビジネス英会話で即戦力となる実践的なフレーズ集

ビジネス英会話で即戦力となる実践的なフレーズ集

最後に、ビジネス英会話で即戦力として使えるフレーズを、4つのカテゴリーに分けてご紹介します。

どのフレーズもビジネスマンなら必ず覚えておきたいものばかりなので、この機会にぜひ覚えておきましょう。

挨拶

日常会話と同様、ビジネスにおいても挨拶は非常に重要です。

ここでは、挨拶の定番である3つの表現を見ていきましょう。

Aさん
Nice to meet you.
訳)はじめまして、お会いできて嬉しいです。

“Nice to meet you.” は、日常英会話だけでなくビジネス英会話でも鉄板の挨拶表現です。

似た表現に “Nice to see you.” がありますが、初対面の場合は meet を、2回目以降の挨拶の場合は see を使うのが一般的。

ある程度慣れてきたら、nice を great や glad に替えて “Great to meet you.” や “Glad to meet you.” も使ってみるとよいでしょう。

Aさん
It’s a pleasure to meet you.
訳)お会いできて幸栄です。

この表現は、”Nice to meet you.” を丁寧にしたもの。大事な取引先との初対面など、ここぞというときの第一声として、ぜひ覚えておきましょう。

Aさん
Nice meeting you.
訳)今後ともよろしくお願いします。

“Nice meeting you.” は、お互いの自己紹介などをし終わったあと、別れ際に発する言葉です。meeting のような「~ing」の形は動名詞と呼ばれ、今より過去のことを表すので、敢えて直訳すると「あなたと会えたことがよかったです」という意味になります。

“Nice to meet you.” と “Nice meeting you.” を誤って使わないように注意しましょう。

雑談・スモールトーク

スモールトークとは、本題とは関係のない、場を温めるために行う雑談のことです。いきなりビジネスの話をすると警戒されてしまうので、いかに上手くスモールトークを盛り込めるかが、ビジネスの成否を左右します。

ここでは、スモールトークを切り出す際に役立つフレーズを確認していきます。

Aさん
How are you?
訳)調子はどうですか?

“How are you?” は挨拶の決まり文句として有名ですが、ビジネス英会話でもスモールトークの始まりとして非常に重宝します。

このような疑問詞で始まる文は「オープンクエスチョン」と呼ばれ、相手から Yes、No 以外の具体的な返答を引き出せるので、会話のキャッチボールを生み出すことができます。

Aさん
How have you been?
訳)最近はどうしていましたか?

初対面でなく久々に会った相手であれば、このように近況を尋ねるとよいでしょう。

似た意味の表現に “How’s it going?” や “How’s everything?” などがありますが、どちらも打ち解けた仲で使われるカジュアルな言い回しなので、状況を見て使い分けるのが重要です。

Aさん
It’s a beautiful day, isn’t it?
訳)今日はいい天気ですね。

日本でも、特に話題がないときは天気のことを話しますが、英語でも事情は同じです。天気の話をすることで場の緊張が解け、会話をスムーズにさせる効果が得られます。

このとき注意したいのが、文末に “isn’t it?” などの付加疑問を添えること。これがあることで相手の返答を促しやすくなります。

賛成・反対・承諾

ビジネスシーンでは、賛成や反対、承諾などの判断を求められることが多々あります。ここでは、それぞれで頻繁に使われる決まり文句を確認しておきましょう。

Aさん
I agree with you.
訳)あなたの意見に賛成です。

賛成を表現する際は “I agree” という表現が便利です。これだけでも賛成を表現できますが、例文にあるように “with ○○” を添えて表現する方が正確かつ丁寧で好まれます。

また、「全面的に賛成」なら “totally agree”、「部分的に賛成」なら “partly agree” などと、賛成のニュアンスに応じて副詞を添えるのも効果的です。

Aさん
I’m afraid I disagree with you.
訳)恐れ入りますが、あなたの意見には反対です。

ビジネスでは、納得できないことには反対することも必要です。反対を示す動詞は agree の対義語である disagree ですが、そのまま “I disagree ~” と言うと角が立つので、”I’m afraid(恐れ入りますが)” や “I’m sorry, but(すみませんが)” などを添えて言うのがビジネスマナーです。

Aさん
Certainly.
訳)承知いたしました。

ビジネスシーンで相手の言ったことを承諾した場合は、”Certainly” を使うと便利です。

直訳すると「確かに」という意味ですが、日本語の「承知いたしました」や「かしこまりました」と似た、丁寧なニュアンスの承諾を表します。

その他にも、”Definitely” や “Absolutely” などが、同様のニュアンスでよく使われます。

まとめ

今回は、ビジネス英会話について、その特徴や学習方法、具体的なフレーズなどを詳しく確認してきました。

ビジネス英会話と聞くと難しい印象を持たれがちですが、実際は日常英会話より学びやすく、英語初心者でも無理なく学ぶことが可能です。

今回ご紹介したことを参考に、ビジネス英会話を身に付け、日々の仕事に活かしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!