将来設計をする際、得意な英語を活かした仕事をしたいと思う人も多いかと思います。しかし、英語を活かすといっても、具体的にどんな職業があるのかわからず困っている人も少なくないでしょう。
そこで今回は、英語を活かせる仕事の種類について、初級~上級までのランキング形式でご紹介していきます。それぞれで求められる英語レベルや、主な仕事内容についても説明するので、将来の仕事選びの参考にしてみてください。英語を活かせる仕事の英語名についても、紹介していきます。
それでは、早速始めていきましょう!
【初級編】日常会話ができる英語力が必要な仕事
まずは、初級レベルの英語力が必要とされる仕事について確認していきましょう。
ここでご紹介する職業の場合、日常的なコミュニケーションができるレベルの英語力が求められます。
目安としては、TOEICだと400~600点ほど、英検なら2級くらいの英語力が必要です。英検の試験も難しくなり、英検2級を取得するのも以前より難しくなっていますが、仕事として英語を使う場合、初級レベルでも英検2級ぐらいの英語力は必要だと考えられます。
初級英語が必要な職業①:テーマパークスタッフ
国籍問わず多くの観光客が訪れるテーマパークのスタッフは、英語ができる方が重宝されます。テーマパークスタッフは英語で、Theme Park Staff か Amusement Park Staffと言います。
近年ではインバウンド需要の増加もあり、テーマパーク内でのアナウンスやイベントについても、英語で行う機会が増えてきました。それほど高度な英語力が必要なわけではありませんが、最低限の日常会話ができる英語力があると、安心して働けるでしょう。
お客様と接する機会が多いスタッフには、コミュニケーション力も求められます。
初級英語が必要な職業②:ツアープランナー・ツアーコンダクター
旅行の日程を立てるツアープランナーや、観光地を案内するツアーコンダクターなどの職業では、英語力の有無が仕事の幅に大きく影響を与えるでしょう。
たとえば、日本人客向けのサービスには海外のホテルを予約したり、インバウンド客相手には英語で国内を案内したりなど、さまざまなシーンで英語力が問われます。ツアープランナーは英語で Tour Planner、ツアーコンダクターは Tour Conductor と言います。
初級英語が必要な職業③:ホテルスタッフ
外国人観光客が多い土地のホテルや、外資系本社のホテルでは、ホテルスタッフにも日常会話程度の英語力が求められます。
特にチェックインやチェックアウトを担当するフロントスタッフの場合は、英語で一通りの案内ができ、電話応対もスムーズにできるくらい、日常英会話に精通していると安心できます。
ホテルによっては、TOEICの点数を採用の指標としている場合もあるので、事前に応募条件に目を通しておくとよいでしょう。
ホテルスタッフは英語で、Hotel Staff か Hotel Employeeと言います。フロントスタッフの場合は、Receptionist (レセプショニスト)と言います。
初級英語が必要な職業④:通関士
通関士とは、輸出入業者が税関を通る際の業務を代行する仕事です。通関に必要な書類は基本的に英語が使われているため、日常会話程度の英語力は必須とされています。
しかし、書類の形式は基本的にパターンが定まっているので、中高で学ぶレベルの英語がマスターできていれば問題ありません。
通関士は、英語でCustoms Brokerと言います。「税関」は英語でCustoms なので、その代行者Brokerというわけですね。貿易会社や商社だけでなく、輸出入を行っている一般の企業からのニーズも高まっており、通関士のニーズはますます高まっています。昨今では、貿易を行っている商社や一般企業による通関士の採用が増えていますが、商社や一般企業の規模によって、給料に大きな差が出ています。
初級英語が必要な職業⑤:入国審査官
入国審査官とは、日本国内への外国人の入国、および日本からの出国を審査する国家公務員です。入国審査官は、英語で Immigration Officerと言います。
日本に来る外国人が日本語を話せるとは限らないので、英語をはじめ外国語に関する知識が求められます。
採用時に特別な語学資格は必要ありませんが、採用後に語学研修が行われるので、最低限の英語力は持っておくと安心できるでしょう。多くの外国人とやり取りをしなくてはならないため、コミュニケーション力の高さも必要になってきます。採用後の語学研修等で鍛錬を積んでいくことになります。
【中級編】専門的な英語力が必要な仕事
ここでは、中級レベルの英語力が必要とされる仕事について確認していきましょう。
これらの職業の場合、専門的なビジネス用語なども英語で操れるだけの能力が求められます。
目安としては、TOEICだと600~850点程度、英検なら準1級くらいの英語力が必要です。
中級英語が必要な職業①:航空管制官
航空管制官とは、空港間を飛行している飛行機に、離着陸や飛行コースなどに関する指示や許可を与える仕事です。航空管制官は、英語で Air Traffic Controllerと言います。略してATCを表記されることもあります。
航空管制官は主にパイロットと無線でやり取りを行いますが、そこでは基本的に日本語は使われず、英語のみが使われます。また、日常会話で使われないような専門性の高い単語が頻発するので、高い英語力が必要とされます。
パイロットとのやり取りがスムーズに誤解なく行われないと、事故につながるケースもあるため、非常に責任感が重い仕事だと言えます。航空管制官の指示が不明瞭だと、パイロットが誤解してしまい、混雑している飛行場で、飛行機同士の衝突が起こる可能性もあり、その際に乗客が巻き込まれてしまうかもしれません。
英語以外にも専門的な知識が必要ですし、非常に責任の重い仕事なので、なり手が少ないようで、ニーズが高い仕事です。
中級英語が必要な職業②:客室乗務員(キャビンアテンダント)
客室乗務員(キャビンアテンダント)とは、飛行機内で乗客が安心してフライトを楽しめるよう、各種接客サービスを行う仕事です。客室乗務員は、英語で Flight AttendantかCabin Crewと言います。
国外へ飛ぶ国際線の客室乗務員の場合、接客だけでなくパイロットや同僚などとのやり取りも基本的に英語なので、高い英語力が必須能力となります。
また、近年では国内線でも外国人旅行客の比率が高まっているので、高い英語力がある方が仕事の幅を増やすことができるでしょう。コロナ禍に航空業界は打撃を受けていましたが、新型コロナの感染も落ち着いてきて、五類に移行し、国際線の運航も新型コロナ前の状態に戻りつつあります。それに伴い、客室乗務員を含む航空業界の仕事も需要も高まってきています。
中級英語が必要な職業③:英語講師・日本語講師
日本人を相手に英語を教える講師の場合、人に指導するには一段階上の語学力が必要なので、一般以上の高い英語力が求められます。英語講師・日本語講師は、英語でEnglish Teacher/Japanese Teacherと言います。
また、外国人を対象の日本語を教える講師の場合も、英語を使って日本語を指導することになるので、英語を自由自在に使いこなせる会話力が必要でしょう。
特に、日本国外に赴任する日本語講師の場合は、日常生活の大半を英語で送る必要があるので、事前に英語での生活にある程度慣れておいた方が安心できるでしょう。
中級英語が必要な職業④:パイロット
旅客機の操縦を行うパイロットは、業務の大半を英語で行うため、高い英語力が求められます。パイロットは、英語でもPilotと言います。具体的には、先述の航空管制官との会話を英語で行ったり、海外で訓練をしたりなどが挙げられます。
また、パイロットは飛行機の操縦だけでなく、適切な航空ルートを選定したり、機体の整備状況を判断したりと、乗客を安全に目的地に送り届けるための総合的なスキルが求められます。
【上級編】高度な英語力が求められる仕事
ここでは、上級レベルの英語力が必要とされる仕事について確認していきましょう。
これらの職業は英語のプロフェッショナルである必要があるので、TOEICなら850~990点満点、英検なら1級を取得できるくらいの高い英語力が求められます。
上級英語が必要な職業①:翻訳家
翻訳家とは、日本語から英語、英語から日本語へ言葉を翻訳する仕事です。
ひとくちに翻訳家といっても、小説や映画などのエンタメ作品の翻訳から、ビジネス文書の翻訳まで仕事内容は多岐にわたります。翻訳家は英語で Translatorと言います。
また、それぞれの言語を直訳するだけでは真意が伝わらないことも多いので、各国の文化や歴史など、言語以外の背景知識にも精通している必要があります。
上級英語が必要な職業②:通訳士
通訳士も翻訳家と同様、日本語から英語、英語から日本語へと言葉の橋渡しを行う仕事です。通訳士は英語でInterpreterと言います。
通訳が翻訳と最も違う部分としては、その場で即座に訳さなければならない点が挙げられます。そのため、相手の英語(日本語)を一度で正しく聞き取り、意図を踏まえたうえで正しく自然な日本語(英語)に訳す高い語学力が求められます。
通訳業務は大別すると、逐次通訳と同時通訳と放送通訳の3つに分けられます。どの通訳形態かによって、通訳のやり方が変わってきます。詳しく見ていきましょう。
逐次通訳とは、話し手がある程度話した後に通訳者がまとめて通訳する方法です。話し手には、逐次通訳が入ることを見越してポーズを入れながら話してもらうように依頼します。業務に慣れている逐次通訳者は、事前の打ち合わせで、話し手に「適度にポーズを入れながら話してほしい」と依頼します。逐次通訳業務を、英語でConsecutive interpreting と言います。”Consecutive”は「連続的な、継続的な」という意味です。
一方、同時通訳とは、話し手が話しているのを聞きながら、それを日本語や英語に通訳する方法です。国際会議やアカデミー賞の授賞式ライブ中継などでは、同時通訳が入っていますね。同時通訳業務を、英語でSimulanious Interpreting と言います。
同時通訳者になるためには、専門のスクールで数年間、訓練を受けます。話者が話し終わってからすぐに、話した内容を通訳し終えなければならないため、スピーディーな通訳能力が必要となります。また、同時通訳には多大な集中力が必要となってくるため、2~3人の同時通訳者で、15~20分ごとに交代して業務をこなします。
また、放送通訳というのは、日本で放送されているCNNやBBCの番組の英語を聞きながら日本語に通訳していく仕事です。同時通訳者は国際会議専門の同時通訳者もいますが、放送通訳もやっている同時通訳者がいます。放送通訳者も、15~20分ごとに交代して業務をこなします。
上級英語が必要な職業③:通訳案内士
平成30年1月4日より改正通訳案内士法が施行され、通訳案内士は「全国通訳案内士」(英語表記:National Government Licensed Guide Interpreter)となり、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、資格を有さない人であっても有償で通訳案内業務を行えるようになりました。
通訳案内士は、高度な英語力に加えて、日本の観光名所に関する知識や歴史を日本語と英語で学ばなければなりません。
平成30年以前は、資格を有さない人は、有償で通訳案内業務を行えなかったのですね。新型コロナの流行も落ち着いて、海外から日本への旅行者の数はますます増えてきていますが、通訳案内士を伴って観光を楽しんでいる人は富裕層や専門知識を求めている外国人のようです。
富裕層や専門知識を求めている外国人に対して通訳案内業務を行う場合、求められていることが非常に高度なので、「全国通訳案内士」の資格を持っている方が望ましいでしょう。
英語を使う仕事に必要、有利に働く資格とは?
最後に、英語を活かした仕事に就く際、有利に働く資格について確認しておきましょう。
これから英語を活かして仕事探しをする人は、ぜひ参考にしてください。
資格①:TOEIC・TOEFL
英語を活かした仕事に就きたいのであれば、TOEICかTOEFLは一度受けておいて損はないでしょう。
これら2試験の違いとしては、TOEICが主にビジネスシーンで、TOEFLがアカデミックな現場で英語力の指標として使われやすい点が挙げられます。また、日本国内の企業ではTOEICが重宝されやすい一方、国外ではTOEFLの方が高い実用性を誇ります。
TOEICは990点満点で、TOEFL(iBT)は120点満点の試験です。今回挙げた各職業と、目安となる点数の関係は以下のようになります。
英語力 | TOEICの点数目安 | TOEFLの点数目安 |
初級 | 400~600 | 40~63 |
中級 | 600~850 | 63~97 |
上級 | 850~990 | 97~120 |
資格②:英検・国連英検
実用英語技能検定、通称「英検」は、日本国内における英語力の証明として非常に歴史のある資格試験です。
英検は5級から1級まで全7つの級が設定されていますが、英語を活かせる仕事に就きたい場合は、最低でも2級を目標に取得しておくとよいでしょう。
ただし、英検は日本国内では知名度が高いものの、国外企業に対してはほとんどアピールにならない点には要注意です。
国外企業を目指す場合は、外務省が後援している国際連合公用語英語検定試験、通称「国際英検」を受験するとよいでしょう。
国連英検はE級から特A級までの6段階が実施されていて、英語力の証明として利用したいのであれば、B級以上を目指すことをおすすめします。
まとめ
今回は、英語を活かせる仕事について、詳しく確認してきました。
ご紹介した職業はどれも、仕事の中で英語に触れる機会が多いです。そのため、英語が好きな人なら、楽しんで日々の業務に取り組むことができるでしょう。
今回の内容を参考に、ご自身の英語力を活かした天職を見つけていただけたら幸いです。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!