英会話を学ぶ際、できれば教材を使って独学したい人も多いでしょう。しかし、「教材だけで充分な勉強ができるの?」「どうやって教材を選べばいいかわからない…」などと悩んでいる人もいるのでは。
そこで今回は、教材で英会話を独学できるのかについて、詳しく解説していきます。また、教材での学習で得られるメリットや、教材選びのポイント、具体的なおすすめ教材についてもご紹介します。
これから教材での英語学習に取り組もうと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
英会話は教材で独学できる?
英会話は、自宅などで教材を使って勉強することが可能です。教材を利用して英会話を勉強すれば、スクールなどに出かける必要もないため、自分のペースで独学することができるでしょう。
ただし、ひとくちに英会話といっても、そこでは主に以下の4技能が必要とされています。
- リーディング(読むこと)
- ライティング(書くこと)
- リスニング(聞くこと)
- スピーキング(話すこと)
このうち、知識のインプットに相当するリーディングとリスニングに関しては、教材による独学だけでも高い水準まで高めることが可能です。
しかし、知識のアウトプットが必要となるライティングやスピーキングに関しては、教材だけの独学では難しい部分もあるので、他の学習方法と組み合わせることも視野に入れるとよいでしょう。
学生時代の教科書はあり?なし?
英会話を学習する際、学生時代に使っていた教科書を流用したいと考える人も多いでしょう。しかし、学校で使う教科書は、独学での勉強には適していないものが多いので、注意が必要です。
学校用教科書の大半は、教師が行う授業とセットで成り立つ構成になっていて、文法などの説明が不充分です。そのため、基礎力がない状態で読み進めても、なかなか内容が理解できず、時間対効果(タイムパフォーマンス)はそれほど高くならないでしょう。
そのため、効率的な英語学習を進めたいのであれば、学生時代の教科書とは別に、新しい英会話教材を用意することをおすすめします。
大人が教材で英会話を学ぶメリット
忙しい大人が英会話を学ぶ際、教材を使うことで多くのメリットが得られます。
ここでは、代表的な3種類のメリットについて、詳細を確認していきましょう。
メリット①:リーズナブルに英会話を学べる
大人が英会話学習に教材を使う最大のメリットは、学習にかかる費用をリーズナブルに抑えられる点です。
たとえば、英会話スクールに通うとなると、毎月数万円程度の費用がかかります。その一方、英会話の教材は高くても1冊数千円であり、何か月も継続的に使えるので、数ヶ月単位でかかる費用差は大きなものとなるでしょう。
そのため、なるべくお金をかけずに英会話を学びたい人にとっては、教材を有効活用した学習が非常におすすめだといえます。
メリット②:好きなとき、好きな場所で英会話を学べる
教材を使った英会話学習は、好きなときに好きな場所でできるというメリットもあります。
日々忙しく働く現代人にとって、英会話学習用の時間を捻出するのは至難の業。そのため、英会話スクールに通うとなると、なかなか時間が取れずにレッスン費を無駄にしてしまったり、志半ばで退会してしまったりすることも少なくないでしょう。
その一方、教材を使った学習であれば、いつでも思い立ったときに、自宅や通勤途中の電車など好きな場所で英会話の勉強ができます。
「英会話を学びたいけれど、なかなか時間がない…」と悩んでいる方は、通勤や日常の中の隙間時間を見直してみると、意外なところで勉強時間が確保できるかもしれませんよ。
メリット③:オンライン英会話などのサービスと組み合わせやすい
教材を使った英会話学習は、オンライン英会話などのサービスと組み合わせて勉強しやすい点も大きなメリットです。
先述の通り、英会話を教材だけで学習すると、ライティングやスピーキングなどのアウトプット学習が不足してしまいがちです。しかし、実際の講師と1対1でやり取りできるオンライン英会話を併用すれば、英語のアウトプット機会を増やせるので、4技能をバランス良く高めることが期待できます。
オンライン英会話もまた、月ごとの料金がリーズナブルかつ、好きなとき・好きな場所でできる学習手段です。教材での学習とオンライン英会話を併用することで、より効率的な学習環境を実現しましょう。
効果的な英会話教材の選び方とは?
英会話を学ぶ際、もちろん教材は何でも良いわけではありません。効率的に英語力を高めていくためには、教材の選び方にもいくつかのポイントがあります。
ここでは、これから教材を選ぶ人に意識してほしい5つのポイントについて、詳しく確認していきましょう。
ポイント①:自分の学習レベルに合った教材を選ぶ
英会話用の教材を選ぶ際は、自分の学習レベルに合った教材を選びましょう。
特に注意したいのが、難しすぎる教材を選ばないこと。内容の半分以上が理解できないような教材だと、日々読み進めるのが苦痛になってしまいます。そのため、初心者のうちは内容の半分以上、できれば7割程度は理解できる内容の教材を選ぶのがおすすめです。
もちろん、上級者の場合は易しすぎるものだと飽きてしまうので、ある程度難度の高い教材を選んでOKです。しかし、その場合も難しすぎることがないよう、必ず内容に目を通しておくようにしましょう。
ポイント②:日常英会話やビジネスなど、目的に合った教材を選ぶ
教材を選ぶ際、何のために英会話を学ぶのかを再確認し、目的に合ったものを選ぶのも重要です。
たとえば、「ビジネスで英会話を使いたい」という目的があるのに、日常会話をテーマにしたものを選んでしまっては、学習が遠回りになってしまいます。反対の場合もまた然りです。
英会話教材は、色々な出版社から、様々なテーマで販売されています。教材探しで迷子にならないよう、まずは目的のテーマで絞り込んで、その後で内容の質を見極めていくようにしましょう。
ポイント③:フレーズがたくさん掲載されている教材を選ぶ
英会話教材を選ぶ際は、実際のフレーズがたくさん掲載されているものを選ぶのもポイントです。
英会話とは、英単語や熟語を文法のルールに則って組み合わせることで成り立ちます。そのため、単語だけや熟語だけ、文法だけなどをどんなに勉強しても、一向に話せるようにはなりません。
英語が話せるようになるための近道は、実用的なフレーズをできるだけストックすること。そのため、教材を選ぶ際は、可能な限りフレーズ掲載数が多いものの方が使い勝手が良いといえます。
ポイント④:なるべく音声素材が付いている教材を選ぶ
英会話教材を選ぶときは、CDやMP3、公式YouTubeチャンネルなど、なるべく音声素材が付属しているものを選びましょう。
文字で書かれた教材での勉強ばかりしていると、目は「英語の文字」に慣れますが、耳は「英語の音声」に一向に慣れることができません。
英会話とは言うまでもなく「英語で会話すること」なので、文字より音声の方が重要です。そのため、音声付き教材を必ず1冊は手元に用意しておくようにしましょう。
ポイント⑤:初心者は英文法から始めるのも◎
英語にほとんど触れてこなかった初心者の場合は、英会話ではなく「英文法」に特化した本で勉強を始めるのもおすすめです。
先述の通り、英会話は単語や熟語を文法というルールで組み立てるので、最低限の文法知識を知らないと、学習効率がなかなか上がりません。
とはいえ、難しい文法知識は必要なく、中学程度のレベルでOKです。そのため、初心者のうちはまず「中学英語 復習」などのキーワードが入った本で独学し、その後で本格的な英会話学習に入るというロードマップを描いてもよいでしょう。
【大人の独学向け】おすすめ英会話教材5選
最後に、大人の英会話学習におすすめしたい英会話教材(本)を、5種類厳選してご紹介します。
これから英会話の勉強を始める人は、ぜひ参考にしてください。
おすすめ①:1日まるごと英語で表現できる!やさしい英語フレーズ2020
『1日まるごと英語で表現できる!やさしい英語フレーズ2020』は、日常会話から海外旅行、ビジネスに至るまで、幅広いシーンで使える英会話フレーズに特化した教材です。
掲載されているフレーズの数はなんと「2020個」。発音練習に使用可能なCDも3枚付属しており、対話形式でトレーニングできる動画も視聴可能なので、4技能を独学で学ぶことができます。
おすすめ②:今すぐ言える! 英会話フレーズブック
『今すぐ言える! 英会話フレーズブック』は、日常会話を中心に、海外旅行や仕事など、様々なシチュエーションで使えるフレーズがぎゅっと詰まった教材です。
「お疲れさま」や「よろしくお願いします」など、意外と知らない身近な英語表現が満載なので、持っておくとあらゆるシーンで重宝します。音声学習用のCDも付属しているので、リスニングのトレーニングにも打ってつけです。
おすすめ③:絵で見てパッと言う英会話トレーニング 海外旅行編
『絵で見てパッと言う英会話トレーニング 海外旅行編』は、イラストを使って、瞬間的に英語を組み立てるトレーニングに特化した教材です。
一般的な文字だけの教材と違い、1人称視点のイラストを見ながら、ふきだしに合うセリフを自分で考える練習を行います。そのため、本での学習で不足しがちなスピーキング能力も高めることが可能です。
おすすめ④:ヒット曲で楽しく学ぶ英語
『ヒット曲で楽しく学ぶ英語』は、誰もが知る新旧のヒット曲の歌詞を使って、発音や文法、単語などの英語知識をマスターできる教材です。
ヒット曲の歌詞を和訳したうえで、単語や文法の解説がコンパクトにされているので、音楽を楽しみながら英語力を高めることができます。また、発音レッスン動画も付属しているので、発音矯正にもおすすめです。
おすすめ⑤:中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』は、中1~中3で習う英文法を1冊にまとめた教材です。
基礎がまったくわからない状態でも学び直しができるので、ゼロから英会話の勉強を始めたい人にはぴったりの一冊。また、掲載例文を音読したCDが2枚付属しているので、リスニング対策もできますよ。
まとめ
今回は、大人が教材で英会話を学ぶことについて、得られるメリットや選び方のポイント、おすすめの教材などを詳しく解説していきました。
結論としては、教材での英会話学習は可能ですが、工夫して勉強しないと、ライティングやスピーキングなどのアウトプットが不足しがちです。そのため、オンライン英会話などを併用しながら学習を進めると、4技能をバランス良く高めることができるでしょう。
今回ご紹介したことを参考に、ご自身に合った教材を選んでいただければ幸いです。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!