英会話の勉強法の中には「聞き流すだけ」という方法がありますが、本当に聞くだけで英語が上達するのでしょうか?

この記事では、聞くだけの英語学習に効果があるのかないのか、実際のところを詳しく説明していきます。

また、聞き流し英語学習のおすすめ勉強法やおすすめの音声素材についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

英会話は聞くだけで充分?

結論から言うと、英会話の音声を「聞くだけ」では、充分な効果は得られません。

しかし、誤解してほしくないのが、英語を「聞くこと」自体には意味があるということ。つまり、英語を聞くだけではなく、聞くことにプラスアルファした勉強を行うことが重要なのです。

英語の聞き流し勉強法の詳細については、後の見出しに譲るとして、ここでは英語を聞くだけでは効果がない理由、そして効果を出すためにプラスすべきことについて、詳しく確認していきましょう。

聞くだけがダメな理由①:「単語の意味が掴めないから」

英語を聞くだけの勉強法がNGな理由は、単語の意味を掴めないからです。

何の知識もなく、ただ英語を聞くだけでは、そこで何が話されているかは理解できません。たとえば、「お経」を思い浮かべてみてください。そこで唱えられている「音」自体は何となく思い出せるかもしれませんが、それが「どんな意味」なのかまではわからないですよね。英語学習でも、同じことがいえます。

そのため、意味のわからない英語をどんなにたくさん聞いたとしても、ただの雑音でしかなく、期待されるような効果が得られない可能性があります。

聞き流し学習で効果を出すためには、最低限の単語・発音・文法に関する知識が不可欠です。中学レベルのもので充分なので、不足していると感じる人は、まずこれらの習得から始めましょう。

聞くだけがダメな理由②:「話せるようにはならないから」

多くの人が英語を学ぶ目的は英会話をすること、つまり「英語を話すこと」です。しかし、英語をただ聞くだけでは、英語を話せるようにはならないので注意しましょう。

身近な例でいうと、洋楽がわかりやすいでしょう。どんなに有名なアーティストの曲で、人生で何度も聴いたことがあっても、「じゃあ歌ってみて」と言われて、歌詞が流暢に出てくる人は稀なはず。

これと同じように、英語をどんなに聞き続けたところで、それだけでは英語を話せるようにはなりません。

しかし、洋楽を聴けばメロディは覚えられるように、英語の音声を聞くことで「英語に慣れる」こと自体は可能です。そのため、聞き流し英語学習の効果を出すためには、オンライン英会話などを併用して、話す練習も並行して行う必要があります。

英会話を聞き流すことは効果あり!おすすめのヒアリング勉強法をご紹介

英会話を聞き流すことは効果あり!おすすめのヒアリング勉強法をご紹介

以上見てきたように、英語を「聞くだけ」では充分な効果が得られませんが、英語を聞くこと自体には、一定の学習効果が期待できます。

英語で「聞くこと」を意味する単語には、ヒアリング(hearing)とリスニング(listening)の2つがありますが、それぞれ以下のように意味が異なります。

  • ヒアリング:無意識に聞く
  • リスニング:意識的に聴く

そのため、気軽に聞き流すという意味では「ヒアリング」の方が適切です。

ここでは、スピーキングなどの学習と並行利用する前提で、おすすめのヒアリング勉強法を3種類ご紹介します。

おすすめ勉強法①:日常のBGMを英語音声にする

英語を聞き流す際、日常の中のBGMを英語音声にするのが効果的です。

具体的には、読書をしているとき、お風呂に入っているとき、散歩しているとき、そして夜寝ているときなどがおすすめ。

日常的に英語音声に触れることを意識すれば、英語の「音」に耳が慣れるので、本格的にリスニング練習をしたり、スピーキング練習をしたりする際にプラスの効果が生まれます。

おすすめ勉強法②:内容を知っている音声を聞き流す

英語を聞き流す際は、既に内容を知っている音声の方が効果的です。

まったく知らない英語の音声の場合、聞き続けて意味を把握するまでに、相応の時間がかかってしまいます。しかし、既に内容を知っている音声であれば、無意識に聞きながらでも、脳内で音声と意味とが結び付けられていくので、より高い学習効果が得られます。

おすすめ勉強法④:聞きながらシャドーイングをする

同じ音声を聞き流し続けて、ある程度フレーズが耳に残ってきたら、聞きながらシャドーイングするのが効果的です。

シャドーイングとは、お手本の音声に少し遅れて、自分の口で繰り返す練習法のこと。影(shadow)のように付いていくことから、このような名前が付けられました。

聞き流しをしながらシャドーイングも行えば、スピーキングの練習にもなり一石二鳥です。お気に入りの音楽を口ずさむような気持ちで、気軽に声に出していきましょう。

おすすめの英語聞き流し素材とは?

おすすめの英語聞き流し素材とは?

最後に、英語の聞き流し学習に効果的な、おすすめの音声素材を3点ご紹介します。

これから聞き流しにチャレンジする人は、ぜひ参考にしてください。

おすすめ素材①:YouTube

英語の聞き流し素材としては、無料でたくさんのテーマが配信されているYouTubeの動画がおすすめです。

YouTubeでは、世界中の人が思い思いの動画をアップしているので、必ず自分の趣味に合う動画が見つかります。ファッション動画や旅行動画など、好みに合うテーマの動画を聞き流せば、無意識に興味のアンテナが立つはずです。

また、YouTubeには字幕オンオフの機能もあるので、余裕があるときには字幕付きで視聴すると、より高い学習効果が得られます。

おすすめ素材②:海外映画・海外ドラマ

英語の聞き流し素材として、海外の映画やドラマもおすすめです。

映画やドラマでは、テキストで学ぶのとは違う、生きた英会話表現がたくさん使われています。そのため、その音声を聞き流して耳に慣れさせれば、外国人との英会話に必ずプラスの影響を与えてくれます。

このとき、既に内容を知っている作品の方が高い効果を得られます。たとえば、1週目は英語音声+日本語字幕、2週目は英語音声+英語字幕、そして3週目以降を聞き流しにしてみましょう。こうすることで、音声が意味とリンクして脳に刻まれるようになります。

おすすめ素材③:英語のニュース

BBCやCNNなどのニュースも、聞き流し学習にはおすすめの素材です。

聞き流し素材にニュースを使用すれば、正しい発音のきれいな英語に耳を鳴らすことができます。また、日常会話では使われないような語彙も多く使われるので、他の素材より高い学習効果が得られるでしょう。

ただし、英語ニュースはスピードが速く難しいものが多いので、ある程度以上の上級者におすすめです。初心者のうちは、まずYouTubeや映画・ドラマで練習するとよいでしょう。

まとめ

今回は、聞くだけで英会話を上達させられるのかについて、詳しく確認してきました。

英語を「聞くだけ」では効果が不充分なので、スピーキングなど他の方法と併用する必要がありますが、英語を聞き流すこと自体は、耳を慣らすために非常に効果的です。

ある程度聞き流しで英語に慣れたら、オンライン英会話などの場を使って、どんどんスピーキングに活用していきましょう。そうすれば、聞き流している英語と遜色ない英語を、自分で話せる日も近いですよ。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!