英会話の勉強を一から始める際、まずは基礎を固めることが重要です。
ひとくちに基礎といっても、英単語や発音など色々な要素がありますが、最も重要なのは「英文法」でしょう。しかし、「英文法ってなんだか難しそう……」と及び腰になっている人も多いのでは。
そこで今回は、英会話の基礎としてぜひ知っておきたい代表的な英文法について、フレーズを交えつつ詳しく解説していきます。
また、基礎力を身に付けるためのおすすめ勉強法もご紹介するので、これから英会話を始める初心者の方は、ぜひ参考にしてください。
英会話の基礎として文法が重要!その理由とは?
英会話を始めるにあたって、基礎として最も重要なのが「文法」に関する知識です。
文法とは、言葉を組み立てるための設計図のような存在。私たちが普段日本語を話すときも、色々な単語を文法に従って組み立てています。
そのため、文法を知らない状態で英会話をしようと思っても、思った通りに単語を組み立てることができず、学習効率が著しく落ちてしまうのです。
基礎として必要なのは「中学レベル」の英文法だけ!
英会話に文法が必要だからといって、大学入試などで問われるような難解な知識は必要ありません。
私たちが今求めているのは、あくまで「基礎」、つまり知識を積み上げるための土台です。そのため、中学で習う程度の簡単な英文法さえ理解できていれば、まったく問題はありません。
中学英文法の中でも、特に重要なのは以下の2つ。
- 基本5文型
- 時制
それぞれの詳細について、次の見出しから詳しく確認していきましょう。
覚えておきたい基礎英文法① 「基本5文型」
基本5文型とは、英語の文を5つのパターンに分けたものです。
英語には一見、無限に文の形があるかに思えますが、実際はどんな文も以下5パターンのどれかに分類されます。
- 第1文型:SV
- 第2文型:SVC
- 第3文型:SVO
- 第4文型:SVOO
- 第5文型:SVOC
それぞれ詳細を確認していきましょう。
第1文型:SV
第1文型とは、英文に必須である主語(S)と動詞(V)で構成された文のことです。すべての文型の基本となり、主に「SがVする」という意味を表します。
とはいえ、実際の英文でSとVの2語だけで文が終わるのは珍しく、”in the park(公園で)” や “to the library(図書館へ)” など、主に場所に関する修飾語が付くことが多いです。
第1文型を使ったフレーズは以下の通り。
I run in the park.
訳)私は公園で走ります。
My sister often goes to the library.
訳)私の姉はよく図書館へ行きます。
The man comes here every day.
訳)その男性は毎日ここへ来ます。
第2文型:SVC
第2文型とは、主語(S)と動詞(V)に補語(C)が加えられた文のことです。
補語とは「直前の名詞を補う言葉」であり、ここでは主語の説明をしています。そのため、第2文型は基本的に「S=Cです」という意味になります。
第2文型を使ったフレーズは以下の通りです。それぞれ「S=C」の関係が成り立っていることをチェックしておきましょう。
I am happy.
訳)私は幸せです。
She looks sad.
訳)彼女は悲しそうに見えます。
My father is a carpenter.
訳)私の父は大工です。
第3文型:SVO
第3文型とは、主語(S)と動詞(V)の後に目的語(O)が付いた文のことです。主な意味は「SがOをVする」になります。
目的語は動作の目的を表し、日本語で言うところの「~を」や「~に」に相当します。先ほどの第2文型で使われたCとの違いは「S=C」の一方「S≠O」である点です。
たとえば、”I am a man. (私は男性です)” という第2文型の文では「I=happy」の関係が成り立ちます。その一方、”I know the woman.(私はその女性を知っています)” という第3文型の文では「I≠the woman」となります。
第3文型を使用したフレーズは以下の通り。それぞれSとOがノットイコールの関係になっていることを確認しておきましょう。
I play soccer.
訳)私はサッカーをします。
I saw your mother yesterday.
訳)昨日あなたのお母さんに会いました。
Do you like animals?
訳)あなたは動物が好きですか?
第4文型:SVOO
第4文型とは、主語(S)と動詞(V)の後に、目的語(O)が2つ付いた文のことです。
2つある目的語のうち、1つ目は主に「人」を、2つ目は主に「物」を表します。そのため、第4文型はほとんどの場合「SがO1(人)にO2(物)をあげる(くれる)」という意味になります。
第4文型を使用したフレーズは以下の通り。それぞれ使われている動詞は異なりますが、すべてが「~をあげる(くれる)」の意味になっている点に注目してください。
I will give you this book.
訳)この本をあなたにあげましょう。
My father bought me this new bike.
訳)父が私にこの新しい自転車を買ってくれました。
Mr. Suzuki teaches us English.
訳)鈴木先生は私たちに英語を教えてくれます。
第5文型:SVOC
第5文型とは、主語(S)と動詞(V)の後に、目的語(O)と補語(C)が付いた文のことです。
ここでの目的語と補語は、それぞれにイコールの関係になります。そのため、第5文型の文は「SはO=Cにする」という意味になることがほとんどです。
第5文型を使用したフレーズは以下の通り。それぞれ異なる動詞が使われていますが、どれも「O=C」という関係が成り立っている点を確認しておきましょう。
Everyone calls me “A-san”.
訳)みんな私のことを「Aさん」と呼びます。
I named this cat Tama.
訳)私はこの猫をタマと名付けました。
The news made us happy.
訳)その知らせは私たちを幸せにしました。
覚えておきたい基礎文法② 「時制」
会話をするとき、それがいつ起こったことなのかを表すことを「時制」といいます。
日本語でも、過去のことなら「~した」、現在のことなら「~する」、そして未来のことなら「~するつもり」などと言い分けますよね。英語でも同じように、時制に分ける必要があります。
英会話で文章を組み立てる際、時制に関する理解は不可欠。時制は細かく分けるとキリがありませんが、ここでは「現在形」「過去形」「未来形」の3つの基本時制を確認しておきましょう。
現在形
現在形とは名前の通り、現在の出来事を表す時制です。
英語の現在形では、be動詞の場合はam、are、isの3種類が使われます。使い分け方は以下の通りです。フレーズと合わせて確認しておきましょう。
am | 主語がI(私)のとき |
is | 主語が二人称(あなた)か、複数のとき |
are | 主語が三人称(私とあなた以外)で単数のとき |
I am at home now.
訳)私は今家にいます。
The dog is very big.
訳)その犬はとても大きいです。
You are always kind to me.
訳)あなたはいつも私に親切です。
その一方、一般動詞は通常そのままですが、主語が三人称単数のときはsが付くというルールがあります。
三人称単数とは、簡単に言うと「私とあなた以外の1人(1つ)」のこと。とはいえ、sを付けなくても英会話は通じるので、最初はそこまで気にする必要はありません。
I speak English.
訳)私は英語を話します。
He speaks English.
訳)彼は英語を話します。
過去形
過去形とは、文字通り過去の出来事を表すための時制です。
be動詞の場合はwasかwereのいずれかが使われます。wasはamとisの過去形で、wereはareの過去形です。以下の表のように、現在系と対応させて覚えておきましょう。
現在形 | 過去形 |
am | was |
is | |
are | were |
先ほど現在形で出したフレーズを過去形に変えると、それぞれ以下のようになります。
I was at home yesterday.
訳)私は昨日家にいました。
The dog was very big.
訳)その犬はとても大きかったです。
You were kind to me in the shop.
訳)あなたはお店で私に親切にしてくれました。
一般動詞を過去形にする場合、基本的には末尾にd(ed)を付ければOKです。
中には、go(現在形)とwent(過去形)のように、不規則な形に変化するものもあり、このような同士を「不規則動詞」と呼びます。基本的な不規則動詞は以下の通り。
現在形 | 過去形 | 意味 |
go | went | 行く |
make | made | 作る |
buy | bought | 買う |
give | gave | あげる |
run | ran | 走る |
不規則動詞をいきなり全部覚えようとすると大変なので、出合ったものから順に少しずつ覚えていくようにしましょう。
We played tennis last week.
訳)私たちは先週テニスをしました。
My family went to the zoo last year.
訳)私の家族は去年、その動物園に行きました。
The man gave me a chocolate.
訳)その男の人は私にチョコレートをくれました。
未来形
未来形とは、今より先の出来事を表す際に使われる時制です。
未来形にする際は、動詞の前に “will” か “be going to” のいずれかを付けるのが基本です。このとき、動詞はもともとの形である「原形」になるので注意しましょう。
なお、willとbe going toの違いは簡単に言うと「予定が決まっているかどうか」です。既に準備などしていて、予定ができている場合はbe going toを、単純に未来を表したい場合はwillを使うようにしましょう。
I will be twenty tomorrow.
訳)私は明日20歳になります。
It will rain tomorrow.
訳)明日は雨が降るでしょう。
I’m going to join the party.
訳)私はパーティーに参加するつもりです。
英会話の基礎を身に付けるためのおすすめ勉強法
ここまで英会話の基礎となる文法について、特に重要な「基本5文型」と「時制」についてご説明してきました。
しかし、これらだけでは充分とはいえないので、より基礎を固めるために勉強を進めていく必要があります。
最後に、初心者が英会話の基礎力を身に付けるための、おすすめの勉強法を確認しておきましょう。
おすすめ勉強法①:参考書
英文法の知識を体系的に学ぶなら、参考書を使った勉強がおすすめです。
特に、英会話の基礎として短期集中で学ぶなら、「中学英語、復習」といったキーワードが含まれた本を選ぶとよいでしょう。
ただし、参考書の学習だとインプットばかりになりやすく、アウトプットの機会が作りにくい点に注意が必要です。
おすすめ勉強法②:アプリ
基礎的な英文法を学ぶ際、スマホなどのアプリもおすすめの方法です。
最近では無料でクオリティの高いアプリもたくさんリリースされており、ゲーム感覚で楽しみながら学習ができるでしょう。アプリなら音声も確認できることが多いので、発音の練習にも繋がります。
ただし、アプリの場合も参考書での学習と同様、アウトプットの機会が不足しやすい点に注意が必要です。
おすすめ勉強法③:オンライン英会話
英会話の基礎として文法を学ぶなら、オンライン英会話を利用するのが近道です。
「まだ基礎が固まってないのにオンライン英会話?」と思う人もいるかもしれませんが、オンライン英会話では基礎文法に特化したコースも設けられているので、初心者の方でも安心して取り組むことができます。
また、オンライン英会話なら、文法知識とあわせて英会話のアウトプットも同時に行えるので、より効率的な学習が期待できます。
学研が提供するオンライン英会話「Kimini英会話」では、英文法などを集中的にトレーニングする「特訓コース」が用意されています。今回ご紹介した基本5文型や時制をはじめ、様々なテーマを短期集中で学べるので、英会話の基礎力を固めたい人は、ぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、英会話を学ぶうえで基礎となる英文法の知識について、詳しく確認してきました。
基礎とは読んで字のごとく、勉強の「基(もと)」になるもの。そのため、ある程度の基礎力が身に付いたら、その上に知識や経験を積み上げていくことが重要です。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!