英文解釈とは、英文の読解の方法を学ぶことで、特に英語の長文読解をスムーズに、正確に行えるようになることを目的とした勉強法です。

「英文読解」と重なる部分が多いことから混乱してしまいがちですが、「英文解釈と英文読解は同じ意味」だと考えていただいてOKです。

英文解釈を学ぶことで、英語の長文読解が得意になるだけではなく、英語に触れるときの負担が軽くなり学習効率の改善も期待できます。

この記事では、英文解釈のメリットや具体的な勉強法についてお伝えしていきます。

英文解釈とは?

英文解釈とは、「長文読解で役に立つ英語の読み方」を身につける勉強を指します。

もっと簡単に「英語の長文読解の勉強」と言い換えることもできます。

例えば、あなたが本屋さんに行って、英語の参考書のコーナーに足を運んだところを想像してください。

本屋さんの英語参考書コーナーには、英単語帳や英文法書、英検やTOEICの過去問や模試などたくさんの参考書が並んでいますよね。

その中に、「長文読解入門」と書かれた参考書と「英文解釈入門」と書かれた参考書が同じコーナーに並んでいるのを見つけます。

この2つの参考書は、名前こそ「読解」と「解釈」で違いますが、実は「英語の長文を読めるようになること」を目的としている点では同じ参考書だといえます。

つまり「英文解釈」は「英文読解」のもう一つの呼び方とも言えるわけですね。

英文解釈を学ぶメリット

英文解釈を学ぶメリット

英文解釈を学ぶことで、主に以下のメリットが得られます。

英語を読むのが速く、正確になる

英文解釈を学ぶことで、英語を読むのが速く、正確になります。

なぜなら、「英語を英語のまま理解する思考回路」を養えるからです。

英語を英語のまま理解できるようになると、英文を理解するために必要なプロセスがガクッと減ります。

英語の読解が苦手な人は、英語を読むときに「英語→日本語」のプロセスを経て意味を理解します。

日本語と英語とでは文法や語順が大きく違いますから、一度英語を読んだ後にまた日本語の語順に組み立て直すため、ひとつの英文を何度か読み返すことになります。

その結果、英語を理解するときのプロセスが増え、英語を理解するのが大変になるわけです。

対して、英文解釈を学ぶと、英語を英語の語順のまま理解していく技術が養われるので、「日本語に組み立て直すプロセス」そのままゴソッとスキップできます。

その結果ゴソッと抜け落ちた「日本語で考え直すプロセス」の分、英文を読むのが速くなるだけでなく、プロセスがシンプルになった分英文理解もグッと正確になります。

英語の長文読解が得点源になる

英文解釈を学ぶことで、英語の長文読解を得点源にすることも可能です。

英語が得意ではない人にとっては、英語の長文読解は難しく感じるでしょう。

なぜなら英単語の知識を問う問題や、文法の理解度を求められる問題など、「知識」だけではなく、たくさんの文章を読んで内容を理解した上で解答する必要があるからです。

しかし先述したとおり英文解釈を学ぶと、英文を読むスピードと正確さを同時に養うことができます。

他の学習者が「難しい」と感じる英語の長文読解を、よりシンプルかつスピーディに理解できるので、他の学習者とグッと差が開きます。

英語を読むたびに疲れにくくなる

英文解釈を学ぶと、英語を読むたびに疲れにくくなります。

なぜなら、これも「英文をシンプルに読めるようになる」ことが関係するからです。

例えば、今この文章を書いている筆者も、かつては「英単語力があれば、どんな英文も読むことができる」と考えていました。

その考えのもとで、TOEICで700点を超えるくらいに英語力を磨いて来れましたが、どうしても日常生活で英語を活かせないでいました。

なぜなら、TOEICを受験するたび、英文メールを読むたび、英語を読むたびにクタクタに疲れていたからです。

それもそのはずで、「英語を英語のまま読む」ことができていなかった当時の筆者は、わからない単語がひとつあるだけで英文の読解がことごとく崩れてしまっていたんですね。

単語の意味がわからないまま、同時に英文の語順を日本語に直して意味を理解することは、とてつもなく頭のエネルギーを消費します。

しかし、英文解釈を学ぶと、英文全体の骨格が自然と見えてくるようになり、英文の全体像からわからない英単語の意味を推測できるようになります。

それまで「英文の全体像の推測」と「わからない英単語の推測」を同時に行っていたのが、英文解釈をしてから「英文の全体像の推測」がはじめから立つようになったわけです。

このことから、「英文解釈を学ぶと、英語を読むたびクタクタに疲れずに済む」といえます。

英文解釈 勉強法

英文解釈 勉強法

英文解釈は以下の勉強法で取り組むのがおすすめです。

英文解釈または英文読解の参考書で学ぶ

まずは英文解釈、または英文読解の参考書で「英文の読み方」を身に着けましょう。

前項「英文解釈とは?」でお伝えしたとおり、「英文解釈」と「英文読解」は全く同じ意味だと考えてもOKです。

なので、まずは「英文解釈入門」や「英文読解入門」といった参考書から学ぶのが良いでしょう。

英文解釈や英文読解の参考書では、「これまで培った単語力と文法力を、どのように読解に活かしていくか」を学べます。

これまで「単語ごと」でしかわからなかったり、「文法問題で見かけたフレーズ」でしか読めなかった英文が、英語の語順のまま読めるようになっていくので成長の実感をダイレクトに感じられますよ。

過去問や模試の長文問題で実践する

参考書で「英文の読み方」を身に着けたら、TOEICや英検などご自身が興味のある試験の長文問題を使って身につけた読解力を実践すると良いでしょう。

興味のある分野の英文記事などでも良いですが、試験の模試や過去問は日本語訳や解説がついているものが多いのがメリットです。

さらに、過去問や模試なら、問題を解くことで「正答率」という形で成長の数値化もできます。

成長が目に見えるとモチベーション維持がしやすいので、「成長を数値化できる」という点も過去問や模試で英文読解を実践するメリットだと言えます。

英文解釈の具体的なやり方

英文解釈の具体的なやり方

英文解釈の具体的なやり方は、まずは「課題文を自分なりに訳してみる→解説を読みながら、自分の訳し方と比べてみる→解説を参考にして、また課題文を読んでみる」の流れで行うと良いでしょう。

英文解釈や英文読解の参考書の多くが、「課題文を読む→課題文を細分化して、わかりやすく図解しながら解説する」といった流れを取っているからです。

英文解釈「精読」に近いです。

「精読」とは、主語や動詞、述語、品詞などをひとつひとつ正確に分析し、「なるほど、だからこの訳文になるのか」と深く納得していく読解術を指します。

英文解釈では精読ほど細かく分析する必要はありませんが、「ここまでがひとまとまり」「ここにはこの動詞が省略されていて、こう訳される」「省略、倒置を見抜くにはここを見る」といった感じで、「どんな視点から、どんな風に読んでいくのか」を学んでいきます。

解説に書かれた読解の方法を取り入れることで、効果的に「英語を英語のまま理解する」技術が養われていきますよ。

まとめ

この記事では、特に英語の長文読解をスムーズにする勉強法「英文解釈」についてお伝えしました。

ここまでお読みのあなたは、英文解釈を学ぶことでなぜ長文読解が得意になるのか、具体的にどんな勉強法が効果的かをしっかりと理解していることでしょう。

ここでお伝えした内容が、あなたの英語学習をより豊かにできれば幸いです。