平和と言えば「今日は平和な1日だったな~」と日常生活の様子を話すとき、「一刻も早く平和が訪れることを祈る」といった深刻な話題まで幅広く使われる言葉です。
この記事では、英語で「平和」について話せるよう様々な表現やフレーズを紹介します。今の時代はなおさら、平和について一言でも言えるようになっておくと外国人との会話にも役立つのではないでしょうか?
平和;和平,講和の英語表現
平和(へいわ)はとても馴染みがある言葉であるとともに、すべての人にとって重要な概念を持つ言葉です。「平」は特に変わった様子がなく穏やかであること、「和」は争いごとがなく穏やかであることです。
では、和平(わへい)や講和(こうわ)はどうでしょう?
英語の表現を学ぶ前に、それぞれの日本語の意味をさらりと紹介します。
和平とは、戦争をやめて平和になること。
講和とは、交戦国が話し合い合意のもと国際関係を平和な状態に戻すこと。
それでは、さっそく「平和・和平・講和」英語の表現をみていきます。
名詞「peace」
さて、英語で平和はこれも多くの人が知っている名詞「peace」です。
そして、英語peace(ピース)を辞書で調べると「平和・和平・講和」とすべての意味をカバーしている単語だということが分かります。peaceという英単語一つを覚えれば、平和にまつわる言葉を表現できるということです。
例えば、世界平和はworld peace、国連(国際連合/United Nations)公認の祝日である国際平和デーならinternational day of peaceというように使います。国際平和デーは正式には世界平和デーと呼ばれ、毎年9月21日は24時間の非暴力と停戦を守り、平和の理想を強化するための日としています。
I really wish for peace.
訳)本当に平和を願っています。
2022年のロシア・ウクライナ戦争を考えると、こう思わずにいられません。wishは普段から使う単語の一つではありますが「~を切望する」「~を強く望む」といった強いニュアンスを持っています。wishを使えば、平和を願う・平和になることを強く望むという英語の表現になることをぜひ覚えましょう。
この例文で、peaceをworld peaceに置き換えれば「世界平和を切に願う」とすることができます。
日本の外務省ウェブサイトを見てみると「日本の平和国家としての歩み」というページがあります。一部紹介しましょう。
Japan has consistently followed the path of a peace-loving nation since the end of World War II, and has been achieving peace and stability in the Asia-Pacific region and the international community.
日本は第二次世界大戦後、一貫して平和国家としての道を歩み、アジア太平洋地域や国際社会の平和と安定を実現してきています。
a peace-loving nationを「平和国家」、achieving peace and stabilityで「平和と安定を実現」としているように、文中でpeaceが2ケ所使われている点を確認して見ましょう。achieving peace(平和を実現する)というフレーズも覚えておきたい表現になります。
参考:外務省ウェブサイト「Japan’s Security Policy」
戦争や紛争の英語表現
平和に大きく関連するのが、戦争や紛争といった言葉です。そこで、簡単ではありますがこれらの英語表現も紹介しましょう。
戦争や戦はwar(ウォア)
warは皆さんもご存知の単語でしょう。war film(戦争映画)が好きな人もいますね。
The two countries are at war.
訳)両国は戦争状態にある。
紛争はconflict(コンフリクト)
筆者は英国在住ですが、ニュース番組では中東やアフリカの紛争に関するニュースを見ることがよくあります。毎回、本当に心が痛みます、、、
The Israeli-Palestinian conflict is one of the world’s longest-running.
訳)イスラエルとパレスチナの紛争は、世界でもっとも長く続いている紛争の一つだ。
外交はforeign diplomacy(フォリン ディプロマシー)
英語学習をしている人のなかには将来、外交官になりたいと考えている人がいるのではないでしょうか?外交官はdiplomat(ディプロマト)、戦争、紛争、外交などの英語表現と併せて覚えた上で英語のニュースを読んでみてください。
I wonder whether Japan is good at diplomacy?
訳)日本は外交が得意なんだろうか?
Peace should be upheld through diplomacy.
訳)平和は外交によって維持されるべきだ。
peaceと言えば、ピースサイン
peaceと言えば、ピースサインのジェスチャーを思いだす人もいるでしょう。このジェスチャーは平和や反戦を示すボディランゲージ。
由来の説はいくつかあるようですが、イングランド・フランス間で起こった百年戦争で、イングランド軍の弓兵隊を恐れたフランス軍がイングランド人の捕虜の人差し指と中指を切り落としたそうです。二度と弓が引けないようにしたんですね。そして、イングランド人はフランス軍に見せつけるように2本の指をピースというジェスチャーで見せつけ「切り落とせるかやってみろ~!と挑発したと言われています。その後、首相チャーチルが勝利のVとしてV for Victoryキャンペーンを行なったこともあります。その後、あちこちで二本の指を立てることが始まったのです。
このような歴史もありますし、国によってはピースサインはご法度な場合があります。例えば、ギリシャでは裏ピースで「失せろ」といった意味があるそうです。
英語を学習している皆さんは、普段していることが国によってはまったく違う意味になりえることを想像できるようにしましょう。
治安の英語表現
治安とは秩序が保たれていることであり、治安が良い、治安が悪いという形で使われます。皆さんは海外旅行や留学で渡航する国の治安を調べたことはありませんか?日本は治安の良い国と言われ、外国に行くと治安の悪さに恐怖を感じたり、被害にあったりするというイヤな体験をしてしまうこともあります。
ここでは「治安」の英語表現をみていきましょう。
治安はいくつかの表現がありますが、普段の生活における治安が安全、危険という意味で考えればsafe、またはdangerousで表現できると言えるでしょう。
治安が良い、治安が悪いの例文を紹介します。
Japan is one of safe countries in the world.
訳)日本は世界でも有数の治安の良い国です。
There are some countries that are dangerous, please check the Foreign Ministry website before you go.
訳)治安の悪い国がありますので、事前に外務省のホームページでご確認ください。
怖がるばかりになる必要はなくても、日本に住んでいて当たり前のことが海外ではそうと限らないという意識は持っておくべきでしょう。
安心,平穏,安らぎの英語表現
平和という言葉には「心配や揉め事がなく穏やかなこと」という意味があり、平和な毎日であれば、安心、平穏や安らぎを感じることができます。自然と笑顔になる、リラックスできる、これって、実は本当に大切なことですね。
形容詞「peaceful」
平和な世界とは、戦争や飢餓などの危機がなく穏やかなことを指します。世界で幾つの国が平和な状態にあるのでしょう。
子どもへの支援活動を行なう国際組織のSave the Childrenによれば、ロシア・ウクライナ、シリアやアフガニスタンなど世界で起こっている武力紛争の数は56にのぼるということです。
形容詞peacefulには「平和的な・平時の」という意味があり、peaceful worldで「平和な世界」、Japan is peaceful.なら「日本は平和だ」となります。
同時に、peacefulは日常英会話で使える「(人の心が)平穏な」という意味も持っています。心配事、怒りの感情がなく、心が落ち着いていて幸せな状態、そんな時にpeacefulを使ってみましょう。
It’s a peaceful day!
訳)平和な1日ですね!
What a peaceful day! Kids behaved very well and no stress.
訳)なんて平穏な日!子ども達は態度が良いし、ストレスがないわ。
お子さんのいるご家庭で持つ安らぎの時間とは、子どもと楽しく良い時間が過ごせることが大きいと言えませんか?
平和を意味するPeaceを使ったフレーズ
peaceを使ったフレーズにはぜひ覚えたいものがいくつかあります。
rest in peace
皆さん、インスタやTwitterで「R.I.P.」をみたことがありませんか? これは、rest in peaceの省略した形であり「ご冥福をお祈りします」という意味になります。
2022年9月8日に死去したイギリスのエリザベス女王。このときはSNSに「R.I.P. Queen Elizabeth II」の投稿が多くありました。安らかにというニュアンスでよく使われる表現です。
peace of mind
状況に左右されず、心の平和をもつことをpeace of mindで表します。mind(精神・心)にpeaceということで分かりやすい表現です。不快な真実と向き合う、信頼できる人と繋がる、外で時間を過ごす、きちんと寝て食べるなどがpeace of mindを保つヒントになります。
After all of the house chores, I now have peace of mind with my cup of tea.
訳)すべての家事が一段落、一杯のお茶を飲むと心が落ち着くなぁ
平和を願う人々の英語フレーズ
「願う」という言葉には前述したwishの他に、hope(願う・希望する)やpray(祈る)なども当てはまります。
平和を願うときにどのような言い方ができるのか、名言をいくつか例文を挙げてみましょう。読んでみると、どれもグッときます。
Peace cannot be kept by force, it can only be achieved by understanding. – Albert Einstein
訳)平和は武力では守れない、理解によってのみ達成される。
It is not enough to win a war, it is more important to organise the peace. – Aristotle
訳)戦争に勝つだけでは不十分で、平和を組織することがより重要だ。
There is no way to peace, peace is the way. – J. Muste
訳)平和への道はない。平和が道だ。
参考:Parade “100 quotes about peace to inspire serenity and hopefulness every day”
まとめ
平和はpeaceであることを確認しながら、治安や安らぎについても紹介しました。戦争のない平和な国ばかりになることを願って止みません。平和の英語を知っておきたいですし、外国人と話す機会がある時は自分の国の歴史を知っていることも大切でしょう。