“fabulous”と英語表記では分からなくても「ファビュラス」と日本語表記されると分かる人もいるのではないでしょうか?タレントの叶姉妹のお二人が頻繁に使っていたことで日本でも「ファビュラス」という言葉が一般に浸透したと言われており、日本語の「ファビュラス」は「素晴らしい」という意味で使われています。

本記事ではこの”fabulous”(ファビュラス)の正しい意味、使い方を解説するので、最後まで読んで”fabulous”を正しく理解しましょう!

“fabulous”の語源と意味

“fabulous”の語源と意味

早速、”fabulous”の意味を確認してみましょう。…と、その前に語源について触れておきます。調べてみると、その語源は意外な言葉でした。

語源はラテン語

多くの英単語の語源はラテン語です。”fabulous”も”fábulōus”というラテン語に由来しており、この言葉は”fábula”(寓話)の形容詞形とされています。一見、寓話とは全く関係ない英単語のように思えますが、関連性はあるのでしょうか?それでは、意味を確認してみましょう。

意味は3つ!

”fabulous”には次のような3つの意味があります。

  • 素晴らしい、素敵な 

例)fabulous party(素敵なパーティー)

  • 法外に大きい

例)fabulous wealth(莫大な富)

  • 伝説上の、寓話に出てくるような

例)a fabulous creature(伝説上の生き物)

直接的に語源と関連があるように思える意味は、3つ目の「寓話に出てくるような」ですよね。しかし、実はこれらの意味はすべてしっかり語源に基づいています。

寓話は作り話のこと、つまり現実の話ではありません。ここから「信じられないほど」というニュアンスが含まれ、「(信じられないほど)素晴らしい」「(信じられないほど、法外に)大きい」という意味をもつようになりました。このように英単語には、1つの意味から派生して、異なる意味を持つようになる、ということがよく起こります。

“fabulous”の使い方

“fabulous”の使い方

それでは、”fabulous”はどのように使うのが、正しいのでしょうか?洋画が好きな人であれば、映画内で”fabulous”を使っているのを聞いたことがある人もいるかもしれません。

女性が好んで使う

大前提として、”fabulous”は女性が好んで使う英単語とされています。映画でも女性がよく使っているのを耳にしますが、男性が使っているのはあまり聞いたことがありません。英単語1つでジェンダーを決められるということはありませんが、LGBTの男性が自信の性を主張するためにあえて”fabulous”を使うこともあるそうです。英語話者にとっては「fabulous=女性の言葉」という認識が広まっていると言えるでしょう。

ファッションを褒める時に使う

日常会話では、ファッションを褒める時によく使われます。アパレルショップに言って試着をすると必ずと言っていいほど、「大変お似合いです!」と褒めてもらえますよね。この言葉を英語で表現すると”fabulous!”となります。もちろん他の表現もあるので必ずこの言葉というわけではありませんが、ファッションをべた褒めしたり、大げさに褒める際によく使われる言葉です。学校を舞台とした映画で、女の子グループのリーダーに周りの友人たちが”fabulous!”としきりに言っていたので、言われる側も嫌な気にはならないということでしょう。

Aさん
You look so fabulous in the red dress!
訳)その赤いドレスとてもよく似合ってるね!

省略形は”fab”

“fabulous”には省略形として”fab(ファブ)”があります。この使い方は非常にカジュアルなので、文章を書く際に使うのは不適切です。会話中やSNSでの使用にとどめておきましょう。

Aさん
I like her fab red dress!
訳)彼女の赤いドレス、とてもいいね!

ちなみに”fabulous”は限定用法でも叙述用法でも使うことができます。1つ目の例文は叙述用法、2つ目の例文は限定用法です。名詞を直接修飾する使い方が限定用法、形容詞が補語となって名詞を修飾する使い方が叙述用法で、”fabulous”はどちらも同じ意味で使うことができます。

”fabulous”の類義語と違い 

”fabulous”の類義語と違い 

“fabulous”の類義語は数多く存在します。その中でいくつか代表的な英単語と、その違いを最後に見てみましょう。

”wonderful”は「驚くほど」素晴らしい

“woderful”の名詞は「驚異」を意味する”wonder”です。ここから本来は「驚くほど」というニュアンスをもつのですが、現在は最も一般的に使われる単語です。

”amazing”は「仰天するほど」素晴らしい

「ハッと驚く」というニュアンスを含んだ単語です。こちらもニュアンスに関係なく、日常会話でよく耳にする単語で、”wonderful”と同じぐらい頻繁に耳にします。

”fantastic”は「途方もなく」素晴らしい

「幻想的な」というニュアンスを含んだ単語で、口語でよく使われます。「ずば抜けて素晴らしい」というニュアンスです。

“marvelous”は「驚くほど」素晴らしい

“wonderful”と同様に「驚くほどに」というニュアンスを含んだ単語ですが、驚きの度合いはこちらの方が高く、大げさな表現とされています。貴族に好んで使われていた英単語ですが、最近ではあまり耳にすることはありません。

“fabulous”は「信じられないほど」素晴らしい

“fabulous”は上述の通り、「伝説上の、寓話のような」という意味が元となっています。つまり、非現実的なことです。ここから、「起こるはずがない、信じられない」と言ったニュアンスを含んでいます。

簡単な使い分け方

”marvelous”や”fabulous”は大げさな表現とされています。映画では、わざとらしくこれらの表現を使う場面が度々出てきますが、日常的にはあまり使わません。

一方、”wonderful”、”amazing”、”fantastic”は日常的にも使える表現です。”wonderful”がもっともよく使われ、”fantastic”と”amazing”では”fantastic”の方がより強い気持ちを表現します。

”wonderful”だけでも「素晴らしい」という気持ちは表現できますが、気持ちの度合いによって使い分けられると相手にもより感情が伝わりやすくなります。

まとめ

今回は”fabulous”について解説してきました。”fabulous”と同じく「素晴らしい」という意味をもつ英単語は今回紹介したもの以外にも数多く存在します。それぞれで微妙なニュアンスの違いがあり、よりハイレベルな英語力を求めるのであれば、これらの使い分けをしっかり認識することが重要です。

そのためには、実際に会話の場面で使ってみることをおすすめします。「なかなか会話するチャンスがない!」という人は、独り言を英語にしてみる、英会話アプリを使ってみるなど、工夫してみましょう。普段から使い分けを意識することで、いざ会話の場面に遭遇した際、しっかり使い分けられるようになります。”fabulous”に限らず、英単語の類義語まで意識することで語彙力アップ、ハイレベルな英会話力を目指しましょう!