シソーラスという言葉を聞いたことがありますでしょうか。
あまり聞きなじみのない言葉ですが、英語学習などではよく使用されます。
そこで、今回はシソーラスとは何かなど、シソーラスに関する疑問を徹底解説します。
シソーラスってなに?
シソーラスとは「言葉の意味上の関係に基づき整理した辞書・時点・語彙集」と定義づけられています(実用日本語表現辞典)。シソーラスは「類義語辞典」と呼ばれることもあります。
つまり、ある言葉と似た意味の言葉や同じ意味の言葉がまとめられている辞書のようなものです。
英語で文章を書いているときに、「単調かな?」「同じ単語ばかり使っている」と感じたことはありませんか。
日本語だけでなく、英語にも異なる単語で同じ意味を表せる単語がたくさんあります。
たとえば、“thank you”と”I appreciate it”はどちらも感謝を表す表現で、thank と appreciateの動詞の使い方は違いますが、似たような意味になります。
訳)シソーラスは、「類義語辞書や類義語辞典」と呼ばれることもあります。
訳)シソーラスとは、単語をその意味ごとに並べた参考文献のことで、広義と狭義の階層構造になっている場合もあれば、単に類義語と反意語のリストになっている場合もあります。
「シソーラス」は「類義語辞典」と呼ばれることもあるので、シソーラス=類義語辞典かと思いきや、類義語ばかり出ていることもあれば、類義語と反意語のリストになっている場合もあるので、「単語をその意味ごとに並べた参考文献」と捉えた方が良さそうです。
synonym : 類義語、antonym:反意語も覚えた方がいいですね。
シソーラスはなぜ必要?
文章を書くときは、できるだけ同じ単語を頻繁に使用しないほうが、全体的にすっきり見えます。
そのため、同じ意味の内容であっても、別の英語表現で言い換えられるのであれば、別の表現を使って文章をつくっていくほうがいいのです。
しかし、たくさんの英単語や熟語を覚えることは現実的には難しく、どうやって言い換えればいいかわからないという方がほとんどでしょう。
そこで、使用するのが使用するのがシソーラスです。
シソーラスがあれば、一度に似た意味の単語や表現を探せるので、文章を書いているときには非常に重宝するでしょう。
特に長い文章を書いているときは、何度も何度も同じ単語を使っていると、どこか稚拙に見えてまとまりがない印象を与えてしまいます。
そんなときはシソーラスで単語を調べれば、同じ意味の言葉を探すことができ、文章をよりよくすることができます。
シソーラスってどういう場面で使うの?
ここでは、シソーラスをどういう場面で使用するのかみていきましょう。
シソーラスは英作文のときに使用するのが一般的です。
また、学生の方は英語でレポートを書くときにも使えるでしょう。大学生や大学院生になったら、英語でレポートや論文を書かなくてはならないという状況に直面するかもしれません。
シソーラスがあれば、簡単に類義語や同義語を調べられるので、より高度な英作ができます。
自分が知らなかった英単語や英語表現を知れるので、英語学習にも役に立つでしょう。
シソーラスって英語でなんていうの?
ここでは、シソーラスは英語でなんていうのか見ていきましょう。
シソーラスは英語で “thesaurus”といいます。”thesaurus”という単語を見たことがない方も多いのではないでしょうか。
あまり文章中や日常会話では出てくることがないので、初めて見たり聞いたりしたという方が多いでしょう。
ただ、本屋さんに行って辞書のコーナーを見てみると、”thesaurus”と書いてある辞書を見つけられます。特に英語圏の本屋さんでは、”thesaurus”関連の辞書が見つかりやすいのではないでしょうか。
シソーラスは英語学習に役に立つ?
シソーラスは英語学習に役に立つの?と疑問に思われる方もいるかもしれません。
結論からいうと、シソーラスは英語学習に非常に役に立ちます。
シソーラスがあれば、一度に同じ意味や似たような意味の単語を知ることができるので、シソーラスは英語学習に欠かせないものだと言えます。
シソーラスの使い方
ここでは、実際にどうやってシソーラスを使えばいいのか、その使い方をみていきましょう。
(例)
I think that communicating with other people is very important. Because I think communication is very useful and is able to improve communication skills. So I think communication with other people is important and interesting.私はほかの人とコミュニケーションを取ることはとても大切だと思います。なぜなら、コミュニケーションはとても役に立ち、コミュニケーションスキルを向上させることができると思うからです。だから、私はほかの人とコミュニケーションを取ることは大切でおもしろいと思います。
※あえて直訳にしています。
上の文章では短い文章の中で”think”という単語をたくさん使用しています。日本語で「思う」となっている箇所を、英語ですべて”think”を使って書いていますね。
このような英語の文章では、非常に単調で読みづらく、結局何が言いたいのか伝わりにくいでしょう。
では、シソーラスを使って、think のほかの表現を見てみましょう。
think:believe, consider, conceive, suppose, guess, imagineなど
believe, consider, conceive, suppose, guess, imagineは、think の類義語 synonyms ですね。
シソーラスを基に言い換えると以下のような文章になります。
I suppose that communicating with other people is very important. That is because I believe communication is very useful and is able to improve its skill. So I think it is important and interesting.
私はほかの人とのコミュニケーションを取ることは大切だと推測します。というのも、コミュニケーションスキルを伸ばせるほか、とても役に立つと信じているからです。だから、私はコミュニケーションというのは重要でおもしろいと思います。
先ほどの文章をこのような表現に言い換えることができます。動詞に 何度もthinkを使っていた文章を比べてみて、どうですか?
同じ単語を何度も使わないだけで、印象がガラッと変わり、文章が少し高尚になって読みやすくなりましたよね。
いま例に挙げているのは、3文から成る短いパラグラフですが、「思います」を何度も使い、動詞 thinkの文がずっと続くと、とても稚拙で読みづらい文章になってしまいますよね。
英語で文章を書くときは、できるだけシソーラスを使って、他の表現がないか確認することをおすすめします。
ただし、ここで注意が必要なのが、必ずしも単語を「置き換えられる」というわけではないということです。
実際、シソーラスでは似ている単語を調べられるので、全く同じ意味の単語が載っているわけではないのです。
さらに、用法や微妙なニュアンスの違いがあるので、ほかの英語表現を使うときは、よく注意しましょう。
シソーラスを使うポイントとしては、ほかの英語表現がないか調べたあと、辞書を使ってその言葉の意味を再確認することです。
そうすることで、ニュアンスの違いに気づけるほか、正しい使い方ができるようになります。
シソーラスは非常に便利なツールですが、使い方には注意が必要なので覚えておきましょう。
大学や大学院でレポートや論文を書く際だけでなく、職場において英語でEメールや報告書、ビジネス文書を書く際にも、シソーラスは使えますよ。
訳)私はシソーラスについて聞いたことがありましたが、それをどうやって活用していいのかを知りませんでした。
訳)僕もです。でも、この記事を読んで、シソーラスとはどんなものかどうやって活用すればいいか分かった気がします。
訳)シソーラスがどんなものかとその活用法について分かっても、実際にそれを活用するのは難しそうですが、私はそれを活用して、英語でのライティングを活用していきたいです。
まとめ
今回はシソーラスについて解説しました。シソーラスの意味と使い方について解説したので、シソーラスについてイメージが湧きましたでしょうか。
シソーラスは、ある言葉とほとんど同じ意味の言葉や似ている単語を調べられる便利なツールです。シソーラスは「類義語辞典」と呼ばれることもありますが、「単語をその意味ごとに並べた参考文献」と捉えた方がいいでしょう。
英語では同じ単語(特に動詞)を続けて何度も使用すると文章が稚拙に見えるほか、読みにくくなってしまうので、基本的には同じ単語を何度も使わない方がいいでしょう。”think”を繰り返し使っている文章を使って、そのことを証明しました。
しかし、think以外のほかの単語を知らない、覚えていないということも少なくありません。
そんなときにシソーラスを使うのです。
ただ、シソーラスには似ている意味の言葉が記載されているので、微妙なニュアンスの違いについては自分で調べて、使いこなす必要があります。
そのため、シソーラスで調べた後に、ほかの単語を辞書で調べ、使い方や言葉の意味をしっかりと理解した上で使うようにしましょう。
英語は、文章の中で同じ単語を何度も繰り返し使うのを良しとしない言語で、類義語を別の表現で言い換えた方が知的で読みやすい文章だとする傾向があります。類義語によるパラフレージングは、英検の準1級や1級でも求められるので、ぜひ身につけていきたいですね。
シソーラスがどんなものか説明するために、ここでは “think”を例に挙げましたが、他の動詞や名詞になどについても「シソーラス」は活用することができます。
いかがでしたでしょうか。
シソーラスを使用すれば、より高度な英作文が可能になります。
さらに、今まで知らなかった英語表現や英単語を知ることができるので、英語学習にもきっと役に立つでしょう。
今回は、シソーラスを使う際の注意点についても紹介したので、ぜひシソーラスの使い方に注意して英語学習の役に立ててください。