日本では多くの会社で支給される「ボーナス」。夏と冬の時期に支給されることが多いので、該当月が近づくと「何を買おうかな?」と期待に胸を膨らませる人も多いのではないでしょうか。

しかし、そんなボーナスは海外でも通じるのでしょうか。カタカナで表現することから「もしかしたら和製英語?」と思う人もいるかもしれません。

ということで、今回のテーマは「ボーナス」です。英語でボーナスを何と言うのかだけでなく、日本と海外でのボーナスに対する認識の違い、ボーナスに関連する表現など、幅広く説明をしていきます。

これを読めば、ボーナスについての理解がより深まること間違いなしです。

それでは、早速始めていきましょう!

「ボーナス」は英語でもボーナス?

「ボーナス」は英語でもボーナス?

結論から言うと、賞与を意味するボーナスは英語でも “bonus” です。発音記号は「bóʊnəs(bˈəʊnəs)」、カタカナだと「ボゥナス」とした方が近くなります。

bonus の語源は同じ綴りのラテン語 bonus(ボヌス)。ローマ神話に出てくる成功と収穫の神様「Bonus Eventus(ボヌス・エヴェントス)を由来としていて、「おまけ」であるとか「思いがけない贈り物」といった意味があります。ゲームなどにある「ボーナスステージ(bonus stage)」も同じイメージで説明できますね。

給与明細などでは compensation(補償)という単語を添えて “bonus compensation(ボーナス補償)” とすることも多いですが、日常会話では bonus 単体で十分通じます。

とはいえ、同じ単語ではあるものの、日本と海外でのボーナスのイメージは少々異なっているので注意が必要です。

「ボーナス(臨時賞与)」が必ずもらえるのは日本だけ?

日本では、会社がボーナス制度を設けている場合、夏のボーナスと冬のボーナス、計2回のボーナス支給があるのが一般的です。しかし、海外のボーナスは違います。

先ほどお話した「思いがけない贈り物」という原義通り、bonus は会社の業績が良ければ支払われる臨時賞与であり、必ずもらえるわけではありません。そのため、「次のボーナスで何買おうかな」といった会話は日本独自のものだといえます。

Aさん
I’ll buy a new bag when I get my next bonus.
訳)次のボーナスが入ったら新しいカバン買っちゃおうかな。
Bさん
Why do you know you’ll get a bonus?
訳)何でボーナスがもらえるってわかるの?

 

アメリカのボーナスは一部の限られた人しかもらえない!

特に実力主義のイメージが強いアメリカでは、ボーナスは会社の中でも管理職以上など、重要な役職の人々しかもらえない特別な報酬です。

そんな彼らであっても、会社の業績が悪ければもらえるとは限らないので、役員から平社員まで等しくボーナスがもらえる日本企業は非常に恵まれているといえるかもしれません(その分、基本給が違うのかもしれませんが…)。

Aさん
My company gives me bonuses twice a year.
訳)私の会社は年2回ボーナスをくれるよ。
Bさん
Really? You hold a high position there.
訳)そうなの?君は会社では偉い人なんだね。

 

ボーナスに関連する英語表現

ボーナスに関連する英語表現

日本と海外のボーナスの違いがわかったところで、ここからはボーナスに関わる英語表現について詳しく確認していきましょう。

ボーナスをもらう・ボーナスを支給する

英語で「ボーナスをもらう」と表現する場合は、get か receive を使います。

Aさん
I wish I received bonuses every week.
訳)毎週ボーナスをもらえたらいいのになー。

 

また、会社目線で「ボーナスを支給する」と言いたい場合は、give か pay を用いるのが一般的です。

Aさん
This company pays bonuses to all employees 4 times a year.
訳)この会社は、全従業員に対して年に4回ボーナスを支給します。

年1回のボーナス(年次ボーナス)

1年に1回支給されるボーナスは “annual bonus” と言います。

夏のボーナス(summer bonus)、冬のボーナス(winter bonus)などと年に複数回ボーナスがもらえる日本と違って、海外の場合はこちらの方が一般的です。日本語に置き換えるなら「年次ボーナス」「年間ボーナス」といった訳語が適切でしょう。

また、年に2回もらえる場合は “semiannual bonus”、追加でもらえるボーナスは “extra bonus” と呼ばれます。

Aさん
Our company has the annual bonus system.
訳)私たちの会社には年次ボーナスの制度があります。

年末ボーナス

アメリカやイギリスなどのキリスト教圏の国では、年末ごろに支給されるボーナスは “Christmas bonus” と呼ばれます。

欧米の人々にとって、クリスマスは日本の正月に匹敵する特別行事なため、そこに合わせたボーナス支給がされることが多いようです。

ちなみに、日本のような非キリスト教圏の国での年末ボーナスの場合は “year-end bonus” と呼ぶ方が自然です。

Aさん
My Christmas bonus was cut this year…
訳)今年の年末ボーナスがカットされた…。

ボーナス一括払い

「ボーナス一括払い」は英語で “bonus lumpsum payment” と言います。または、ボーナスを利用して支払うと考えて “ pay for it out of one’s bonus” としてもOKです。

Aさん
Bonus lumpsum payment is available in this shop.
訳)このお店ではボーナス一括払いが利用可能です。
Aさん
I’ll pay for it out of my bonus.
訳)ボーナス払いで支払います。

 

ボーナス一括払いを利用すれば、購入代金の支払いをボーナス時期まで後回しにできて便利ですよね。しかし先述の通り、海外では日本のようにボーナスの支給が確約されていないため、ボーナス一括払いは一般的ではありません。

日本国内ではボーナス払いできるクレジットカードであっても、海外の場合には利用できないことがほとんどです。海外旅行などでクレジットカードを利用する際は注意しましょう。

「役員報酬」は英語で何という?

director’s compensation

海外では、通常、日本のようなボーナスのようなシステムはなくて、先進国でボーナスのような特別報酬がもらえるのは、役員だけだという話をしましたが、「役員報酬」は英語で何というのでしょうか?

「役員報酬」は “director’s compensation”、または “director’s remuneration”といいます。

“director”は「取締役」を表す言葉ですが、「役員」を表すのにも使えます。「役員」を表す英語表現としては、他にも “executive” が使えます。なので、 “executive compensation”、または “executive remuneration”ともいえます。

「役職」の英語表現を図表にまとめたので、参考にしてください。

取締役会長 Chairperson
代表取締役 Representative Director
社長 President
副社長 Executive Vice President / Senior Vice President
専務取締役 Senior Managing Director / Executive Managing Director / Senior Executive Director
常務取締役 Managing Director / Junior Managing Director
社外取締役 Outside Director
相談役 Senior Adviser / Executive Adviser
役員、取締役 Director / Member of the Board / Executive Officer
支社長 General Manager / Vice President
支店長 Branch Chief / Branch Manager / Branch Office Manager / Office Manager
本部長 Chief of Headquarters / General Manager / Division Director
部長 General Manager / Manager
次長 Assistant General Manager / Deputy Manager
課長 Section Chief / Section Head / Section Manager / Manager
課長代理 Assistant Section Chief / Deputy Manager / Acting Manager
係長 Section Head / Unit Head / Section Chief / Deputy manager
主任 Supervisor / Chief / Head / Assistant Manager
社員 Staff / Employee / Member
派遣 / 契約社員 Temporary Employee / Non-regular Staff

日本では、「役員報酬」は、一般従業員の給与とは違って、毎月「定期同額給与」で支払われます。従って、日本では、役員には従業員に対して支払われるような賞与(ボーナス)は支払われませんし、従業員を兼務している役員を除いて、雇用保険の被保険者にもなれません。「役員報酬」の金額は、会社の規模や収益によっても異なりますが、従業員よりはるかに金額が高いです。

従業員は、「労働の対価」として給与 “salary”を受け取るのに対して、「役員」は「職務執行の対価」”compensation for the execution of duties” として会社から「役員報酬」を受け取ります。そう考えると、「役員報酬」が “director’s compensation” や “executive compensation” と呼ばれるのも、納得できますね。

株式会社の取締役の場合、毎年株主総会で、議決権の過半数を有する株主が出席する株主総会で、出席株主の議決権の過半数が解任に賛成したときは、取締役の解任が可能です。

2015年のコーポレートガバナンス・コードの公表以降、上場している大企業は社外取締役を少なくとも2名以上選任するべきという原則が制定されており、ほとんどの上場企業では、社外取締役 Outside dierectorを選任しています。取締役は、株主から解任されないように、しっかりと職務を果たして働くことを要求されていますね。

Aさん
I thought working as an outside director would be nice because they could receive a lot of executive compensation, but it seems like hard work.
訳)社外取締役って、たくさん役員報酬が受け取れていいなと思っていたけど、大変みたい。
Bさん
That’s definitely hard work. If the conditions for removal are met at the board of directors, the director will be removed.
訳)確かに大変だよ。取締役会で解任条件を満たせば、取締役は解任されるよ。

 

まとめ

今回は、ボーナスについて確認していきました。

ボーナスはあくまで臨時収入。日本ではもらえるのが当たり前になっていますが、海外では一部の恵まれた人たちに限られた特権的な報酬です。毎年会社から支給されている人は、ぜひそのありがたみを再認識しましょう。

ちなみに、私はフリーランスなので当然ボーナスは0です。もらえる人が心底羨ましい今日この頃…。

それでは、今回ご紹介したことを参考に、これからも楽しい英語学習を続けていきましょう。

Let’s enjoy!!