近頃、ビーガンやベジタリアンが増えている、という話を耳にします。とくにコロナ禍の前後から世界中で急増しているんだとか。

でも「ビーガンって何?」「ベジタリアンとどう違うの?」「そもそも英語なの?」という方もみえるのではないでしょうか。

今回は、ベジタリアンとビーガンにまつわる単語やフレーズをいろいろ紹介します。

 

「菜食主義」って英語でなんて言う?

「菜食主義」は、英語で「Vegetarianism」(ヴェジタリアニズム)といい、菜食主義を実践する人を「菜食主義者」といいます。

菜食主義とは、動物性の食品の全て、または一部を避けた食生活をする考え方のことです。

菜食主義とひと口に言っても、いくつかの種類があり、それぞれ食べるものが異なります。また、菜食主義になる理由も人により異なります。

ベジタリアンはいつ誕生したの?

ベジタリアンという言葉が誕生したのは、イギリスの英国ベジタリアン協会が発足した1847年のこと。日本が江戸時代だった頃からベジタリアンという言葉はあるんですね!

マンチェスターの聖書教会の会員が、「肉や魚を避け、卵や乳製品は本人の選択で、穀物、野菜、豆類などの植物性食品中心の食生活を行う」運動を始めたのがベジタリアン運動の始まりだといわれています。

もっとくわしく知りたい人は日本ベジタリアン協会の公式サイトをチェック!

Aさん
I wonder if there are dishes for vegetarians.
訳)ベジタリアン向けのメニューはあるかなあ
Bさん
Wait, when did you become a vegetarian?
訳)ちょっと、いつからベジタリアンになったのよ
Aさん
From today. I decided to eat a global environmentally friendly diet.
訳)今日からよ。環境に配慮した食生活をすることにしたの
Bさん
Oh, is that so? Today’s special is steak.
訳)あ、そうなんだ。今日のスペシャルメニュー、ステーキだよ。
Aさん
What? I’ll start it tomorrow then.
訳)ええっ、それじゃ、明日からにするわ

ビーガンは「完全菜食主義者」

ビーガンは「完全菜食主義者」

一方、ビーガンは英語で「vegan」(ヴィーガン)といい、「完全菜食主義者」を表す言葉です。ビーガンの食生活では、動物性食品を一切口にしません。肉や魚はもちろん、卵やチーズ、はちみつなども食べないのです。

「栄養バランス的にどうなんだろう?」と思ってしまいますが、そもそもビーガンの目的は、別のところにありました。

ビーガンの目的とは?

「人が生きるために動物を犠牲にしない」という考え方からイギリスで誕生した思想で、食生活や産業、社会の仕組みを動物も含めて考え、地球全体をより良くする目的があります。

ヴィーガンファッションの考え方も広まり、グッチやアルマーニなどの高級ブランドは、動物愛護、環境保全の観点から動物の皮や毛皮を使用しなくなりました。

食生活も同様で、動物愛護や環境保全のために動物性食品を避けているということです。

徹底した環境保護の考え方

Vegan Society(ビーガン協会)によれば、ビーガンの食生活では、動物愛護と環境保全が徹底されています。例えば、畜肉を食べないのは動物愛護も理由のひとつではありますが、畜産による環境問題が大きな理由です。畜産によって排出される温室効果ガスは、乗物から排出されるそれよりもはるかに多く、アマゾンの森林破壊の9割以上が畜産による温室効果ガスが影響しています。ビーガンが急増する理由も理解できますね。
ビーガンについてもっと知りたい方は日本ビーガン協会の公式サイトをチェック!

Aさん
Vegans are on the rise these days.
訳)ビーガンって最近増えてるよね
Bさん
I hear that many celebrities are vegans.
訳)セレブにも多いよね

 

Aさん
Would you like to try a restaurant with a vegan menu next time?
訳)今度ビーガン料理のあるレストランに行ってみない?
Bさん
You are a sucker for “celebrity”.
訳)本当、セレブって言葉に弱いわね

※be a sucker for~:~に弱い、目がない

「菜食主義」の分類とは

菜食主義にはいくつかの種類があり、下記のように分類されます。

ビーガン (Vegan)
ピュア・ベジタリアン (Pure-Vegetarian)
・動物の肉(鳥肉・魚肉・その他の魚介類)や卵、乳製品、蜂蜜、動物由来の食品を食べない

・動物製品(皮製品、シルク、ウールなど)を身につけない

ダイエタリー・ビーガン (Dietary Vegan) ・ビーガン同様、植物性食品のみの食事をするが、食用以外では動物の利用を必ずしも避けるわけではない
フルータリアン (Fruitarian) ・植物を殺さない(絶やさない)食品のみを食べる
(例 リンゴの実を収穫してもリンゴの木は死なないためリンゴは食べるが、ニンジンを収穫するとニンジンは死んでしまうため食べない)
ラクト・ベジタリアン (Lacto-Vegetarian:乳菜食) ・植物性食品、乳製品などは食べる
ラクト・オボ・ベジタリアン (Lacto-Ovo-Vegetarian:乳卵菜食) ・植物性食品、乳製品、卵を食べる
・欧米のベジタリアンの大半はこのタイプ

 

ビーガンとベジタリアンの違いって?

ビーガンとベジタリアンの違いって?

ベジタリアンは、卵や乳製品を食べますが、ビーガンは、前述のとおり動物性の食品は一切口にしません。食生活以外でも、日用品や衣服まで動物性のものを使用せず、身に着けることもありません。ただし、ビーガンの中には食生活のみ実践している人もいますし、週末だけベジタリアン、という人もいます。日本ベジタリアン協会の公式サイトでは、そのような「気軽にベジタリアン生活を始めてみる」ことをすすめています。

 

世界のベジタリアン人口ってどのくらい?

世界にはどれくらいの割合でベジタリアンがいるんでしょうか?

日本ベジタリアン協会の公式サイトによれば、アメリカが13.7%と最も多く、次いでイギリスが13%となっています。ファストフード大国のようなイメージのあるアメリカが、最もベジタリアン人口が多いなんて興味深いですね。ちなみに日本は9.2%です。

これを多いとみるか、少ないとみるかは個人差があると思いますが、今後はもっと増えていきそうですね。

 

代替肉って英語でなんて言うの?

お肉の代わりとなる「代替肉(だいたいにく)」は、英語で「plant-based meat」(植物を原料とした肉)といいます。

今年の初めには、アメリカのケンタッキーフライドチキンが100%代替肉を使ったチキンナゲット「Beyond Fried Chicken」を期間限定販売して話題になっていましたね。この名前は「Beyond Meat」という会社との提携商品です。

代替肉は「plant-based meat」ですが、大豆から作られた代替肉は「soy meat」とも呼ばれます。

 

日本のベジタリアン、ビーガン商品

日本でもプラントベース食品企業の発展が目覚ましい今日この頃。あまり知られていませんが、肉類を使用せず、グルテンフリーでもある餃子や、とんこつラーメン、植物性の卵「UMAMI EGG」などもあるんですよ。

他にも味塩コショウで有名なダイショーからは、ビーガン対応のスープの素も販売されています。(「とんこつ醤油風」「だし醤油」「辛味噌」)どんな味か興味がわきますね。

餃子にまつわる英語は、過去記事でくわしく紹介していますので、ぜひ併せて読んでみてくださいね。

「餃子」「羽根付き餃子」「水餃子」って英語で何ていう?世界の餃子(ヴァレーニキの作り方)も紹介

「vegetarian」と「vegan」の由来とは

「vegetarian」と「vegan」の由来とは

ベジタリアン (Vegetarian) という言葉は、「vegetable(野菜)」に似ていることから、「野菜」が由来だと思われがちですが、実はベジタリアンという言葉の由来は「健全な、新鮮な、元気のある」という意味のラテン語 ‘vegetus’ です。

「vegan」はというと、これも「vegetus」が由来なんです。といっても、「vegan」は「vegetarian」を短縮したものなので、元はといえば「vegetus」が由来という感じですね。

 

まとめ

最近、増えつつあるベジタリアンやビーガンですが、日本には美味しいものがあり過ぎてなかなかベジタリアンへの道は遠そうです。

でも、健康を考えて週に一度はベジタリアンデーを実践してみるのも良いかも知れません。

今回紹介した単語やフレーズもぜひ英会話で使ってみてくださいね。インプットした英語はどんどん使うことで脳に定着しますからね。See you next time!