皆さんは「トレンド」という言葉に聞き覚えはありますか?

日本でもよく使われる言葉なので、おそらく一度は聞いたことがあるはず。しかし、その正確な意味を説明できる人は少ないのではないでしょうか。

ということで、今回のテーマは「トレンド」です。

トレンドというカタカナ語がどういう意味なのか、そして由来となっている trend という単語の語源や、関連表現についてまで、詳しく解説していきます。

これを読めば、日本語の「トレンド」と英語の “trend” の意味が、正しくわかるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「トレンド」ってどういう意味?

「トレンド」ってどういう意味?

「トレンド」とは、英語の “trend” をもとにして生まれたカタカナ語で、「流行」や「傾向」、「動向」などと、さまざまな意味で使われます。

しかし、その基本イメージは「大きな流れ」という意味に集約されます。

それをファッションに当てはめれば「流行」に、物事や態度に当てはめれば「傾向」に、そして経済に当てはめれば「動向」になるということです。

trend の語源は?

トレンドのもとになっている trend という英語は、語源を遡ると「転がる」という意味の古英語 “trendan”に行き着きます。

何かが転がり始めると、しばらくの間同じ方向に転がり続けます。そのことから、trendan は「転がる⇒特定の方向性」と意味が派生して、現在の trend に至りました。

なお、英語のtrend とカタカナ語のトレンドは、基本的に同じ意味で使われます。それぞれの使われ方は、以下の例文の通りです。

Aさん
I’m not familiar with the fashion trends.
訳)私はファッションのトレンド(流行)に詳しくありません。
Aさん
There’s a trend away from reading books among teens.
訳)10代の人々の間で、読書離れのトレンド(傾向)があります。
Aさん
The global economic trend is not good recently.
訳)最近の世界経済のトレンド(動向)は芳しくありません。

トレンド≠トレンディ?

英語の trend を形容詞にすると trendy になり、「流行の最先端」や「流行している」という意味を表します。

英語の場合は trend と trendy どちらも頻繁に使われるものの、日本語では少々状況が異なるので注意が必要です。

カタカナ語の「トレンディ」は、1980年代後半、いわゆるバブルの頃の流行語です。そのため、当時でこそ「流行の最先端」という意味を表していましたが、現在では時代遅れの言葉になってしまっています。

たとえば、「トレンディドラマ」というと、今放映されているドラマではなく、昭和の名作ドラマといったニュアンスがありますよね。

そのため、こと日本語においては、「トレンド≠トレンディ」と捉えるのが賢明です。日常会話で「トレンディ」を使うと、時代錯誤な印象を与えかねないので注意しましょう。

トレンドの関連表現を英語で言ってみよう

トレンドの関連表現を英語で言ってみよう

トレンドの基本的な意味がわかったところで、今度はトレンドの関連表現について確認していきましょう。

「最新のトレンド」in English

ファッションにおける「最新のトレンド」は、英語だと “(the)latest trends” と言います。

latest とは、late(遅い)の最上級表現で「最も遅い」という意味。なぜ最新なのに最も遅いなのかというと、時間は early(先)から late(後)に向けて流れているから。

過去に色々なトレンドがあった中、最も後に流行っているトレンドこそが、最新の流行というわけです。

Aさん
My brother is always influenced by the latest trends.
訳)私の兄は、いつも最新のトレンドに影響を受けています。

「トレンド入り」in English

「トレンド入り」とは、一時的にたくさんの人の注目を集めることを表し、主に Twitter で人気のツイート(tweet)を表現する際に使われます。人々の関心という大きな流れ(トレンド)の中に入り込むイメージです。

そんなトレンド入りは、英語だと “trending” と言います。ing を付けると「現在~している途中」という意味になるので、trending を直訳すると「今話題を集めている途中」といった意味。まさに「トレンド入り」という日本語と同じニュアンスですね。

trending は、名詞の前に付けて「トレンド入りしている〇〇」という意味でも、be trending と進行形にして「〇〇が(今)流行している」という意味でも使えます。

Aさん
The actor’s scandal quickly became a trending topic.
訳)その俳優のスキャンダルは、すぐにトレンド入りする話題になりました。
Aさん
What is trending on Twitter now?
訳)今ツイッターで何がトレンド入りしていますか?

ちなみに、Twitter や Instagram などのサービスを、日本語ではSNS(Social Networking Service)と言いますが、海外だと “social media” と呼ぶ方が一般的です。

SNSという単語が海外に存在しないわけではありませんが、少なくとも日本のように日常的には使いません。そのため、SNSと言っても通じない可能性が高いので、注意しましょう。

「上昇トレンド」「下降トレンド」in English

株をはじめとする経済の世界では、価格が継続的に上がっていくことを「上昇トレンド」、反対に継続的に下がっていくことを「下降トレンド」と言います。価格の推移を、大きな流れとして捉えているイメージですね。

そして、上昇トレンドは英語で “up trend(upward trend)”、下降トレンドは “down trend(downward trend)” と言います。

それぞれ up(上昇)と down(下降)が付いているだけなので、日本語と同じ感覚で捉えればOKです。

Aさん
Because of the weak yen, the prices in Japan are on the up trend now.
訳)円安のために、現在日本の物価は上昇トレンドにあります。
Aさん
You should sell the stocks before the stock price is exhibiting a downward trend.
訳)株価が下降トレンドを示す前に、売却するべきです。

まとめ

今回は「トレンド」という言葉の意味について、日本語と英語の両側面から詳しく確認してきました。

トレンドの基本イメージは「大きな流れ」。それをもとに「流行」や「傾向」、「動向」などさまざまな意味で使われますが、基本的な使い方は日本語も英語も同じです。

今回ご紹介したことを参考に、日常の会話でもトレンドを使いこなしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!