皆さんは学生時代、理系と文系のどちらでしたか?

私は高校2年まで理系でしたが、受験を目前にして急に文系に転身するという無謀な行いをしました。その結果、ほぼ何も勉強していない地理歴史を0から学ぶ羽目になり、なかなかしんどい1年だったのを覚えています…。

さて、そんなわけで今回のテーマは「理系」です。英語で理系を何と表現するのか、文系と合わせて詳しく解説していきます。

それでは、早速始めていきましょう!

そもそも「理系」「文系」とは何か?

そもそも「理系」や「文系」とは、日本の教育現場で使われる、学問分野を大まかに分ける指標です。

学問には「○○学」と名前の付いたものが多数ありますが、それらは大きく「理工学や医学(生物学)に関するもの」「人文科学や社会科学に関するもの」の2つに分けられます。日本では、このうち前者に入るものを「理系」、後者に入るものを「文系」と呼び分けています。

また、理系と文系の区別は学問領域にとどまらず、私たちの日常生活でもよく話題に挙がります。たとえば、理系の人は論理的思考能力に優れて冷静沈着、文系の人はコミュニケーション能力に長けていておおらかなどと、個人の性質や性格を描写する際にも使用されます。

しかし、このように学問の領域と個人の特徴を関連づけて考えるのは、日本独特の文化です。英語にも「理系」「文系」に相当する表現はありますが、それはあくまで学問に限ったもので、性格などとは関連していない点には注意しましょう。

Aさん
In Japanese, it’s common to categorize people into “Rikei” and “Bunkei” groups, almost like a personality assessment, isn’t it?
訳)日本語では理系と文系に分けて、性格診断みたいにすることも多いよね。
Bさん
Indeed. Similar to blood type personality assessments, this is a unique cultural aspect of Japan.
訳)確かに。血液型占いと同じで、これは日本独自の文化だね。

 

「理系」は英語で何て言う?

「理系」は英語で何て言う?

日本語の「理系」に相当する英語表現として、”science” が挙げられます。発音記号は【saɪəns】で、カタカナだと「サイエンス」です。

science は自然科学全般を表す言葉で、たとえば物理学や化学、生物学などが含まれます。そこから、たとえば「理系の授業」なら “science course”、「理系の科目」なら “science subject”、「理系の生徒」なら “science student” といった具合に、日本語の理系と似たように使えます。

Aさん
This school offers a lot of science courses.
訳)この学校では、理系の授業が多く用意されています。

また、英語圏の教育現場では “STEM(ステム)” という表現もよく使われます。これは Science(自然科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の各教科の頭文字を繋げたものです。

近年では日本でも「STEM教育」という名称で、グローバルに活躍するIT人材を生み出す新しい教育システムとして、注目を集めています。

「文系」は英語で何て言う?

英語で「文系」に近い意味で使われるのが “humanities” です。発音記号は【hjuːˈmænɪtiz】で、カタカナだと「ヒューマニティーズ」になります。

humanities はもともと、「人類」や「人間性」などを表す humanity の複数形です。そこから、人の営みや文化に関する文学や哲学、歴史や社会科学といった学問を総称する表現として定着しました。

先述の science の場合と同様、”humanities course” で「文系の授業」、”humanities subject” で「文系の科目」、”humanities student” で「文系の生徒」という意味で使用できます。

Aさん
Which subjects are you better at, science or humanities?
訳)理系と文系、どっちの科目の方が得意?
Bさん
I’m better at science, I think.
訳)僕は理系の方が得意かな。

 

liberal arts とは?

英語圏の教育現場では、”liberal arts” という表現がよく使われますが、これは文系に理系を掛け合わせたイメージの教育アプローチです。ちなみに、発音記号は【ˈlɪbərəl ɑrts】で、カタカナだと「リベラルアーツ」となります。

liberal arts は直訳すると「自由な人文科学」です。art はもともと「芸術」の意味ですが、そこから人々の文化的な営みを広く表すようになりました。

liberal arts は、日本的な理系文系の二元論で言うと、文系に近い概念です。しかし、そこでは自然科学や数学なども併せて学ばれるので、「理系の要素を含んだ文系」と捉えておくとよいでしょう。

理系に関する施設を英語で言ってみよう!

理系に関する施設を英語で言ってみよう!

最後に、「大学」や「学術論文」、「修士号」「博士号」などといった、理系に関連する表現を英語で何と言うか、詳しく確認しておきましょう。

「大学」in English

「大学」は英語で “university(ユニヴァーシティ)” と言います。 university には、理系から文系まで複数の学科があり、それらが1つ(uni-)に統一されています。

なお、“college(カレッジ)” もよく大学と訳されますが、こちらは学科が1つしかない小規模な大学を指すことが多いです。その点を踏まえて訳し分けると、university が「総合大学」、college が「単科大学」となります。

とはいえ、university と college の間に優劣があるわけではありません。規模で進学を決めるのではなく、自分の目的に合った大学を選ぶことが大切です。

「学術論文」in English

「学術論文」は、英語で “academic paper(アカデミックペーパー)” と表現します。

ここで使われている academic は「学術的な」という意味で、大学で学生が書くことになる論文は、基本的にすべてこの1語で表せます。

ただし、修士論文や博士論文など、重要な意味をもつ論文に関しては、“thesis(シースィス)”“dissertation(ディサテイション)” が使用されることもあります。

「修士号」「博士号」in English

大学の「修士号」は “master’s degree”、その上の「博士号」は “doctor’s degree” と言います。

これらで使われている degree とは、大学における「学位」のことです。そのため、学位を省いて単に master’s や doctor’s と呼ばれることもあります。

まとめ

今回は「理系」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

理系と文系という分け方は日本独自のものなので、それに完全に対応する英語表現はありませんが、“science” が似た意味で使用されています。また、文系には “humanities” が相当し、両者の性質を併せ持った “liberal arts” も、英語圏の教育現場ではよく使われています。

今回ご紹介したことを参考に、理系か文系かという区分に縛られ過ぎず、より自由な学び方を模索していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!