代名詞は英語を扱う上で日本語以上に重要な文法項目です。
なぜなら、英語は日本語以上に「同じ言葉の重複」を避けるからです。
そして代名詞を使うと、とても自然な英語が話せたり使えるようになり、細かい違いながら確実にワンランク上の英語になります。
代名詞にも複数種類があるので、混乱しないように覚えたいですよね。
この記事では、そもそも代名詞とは何であるか、どんな代名詞があるのかをわかりやすくお伝えします。
代名詞とは?
代名詞とは、名詞の代わりになる品詞を指します。
名詞とは「カップ」や「車」、「椅子」「ペン」などの「物の名前」を表す品詞です。
例えば、カップを指して「それ」取ってよ、や、車を指して「あれ」に乗っていこうよ、といった感じで「名詞の代わりを果たす」のが代名詞というわけです。
もっと身近な例を挙げると、今この文字をタイピングしている筆者Eddieが「私」と言うのも代名詞ということになります。
毎回「Eddieはこう思います。Eddieがやります。」と毎回名前は言わずに、「私はこう思います。私がやります。」と言いますよね?
このように名詞の代わりの働きをするのが代名詞です。
特に英語では、例えば「斎藤さん」や「”あの”猫」、「スマートカッター(商品名)」などの「人の名前」や「物の名前」を日本語以上に代名詞を使って表現します。
「斎藤さん」や「スマートカッター」などの名詞を何度も言いたくないわけです。
この点から、日本語以上に英語では代名詞を使う機会が多いと言えます。
代名詞 一覧
代名詞には大きく以下のように分けられます。
- 人称代名詞(所有代名詞・再帰代名詞)
- 指示代名詞
- 不定代名詞
- 疑問代名詞
- 関係代名詞
順番に見ていきましょう。
1.人称代名詞 (i my me mineなど)
人称代名詞とは、I, my, me, mineに代表される「人の名前の代わりになる代名詞」を指します。
前項「代名詞とは?」でお伝えした「Eddieはこう思います。Eddieがやります。」とは言わずに「私はこう思います。私がやります。」と言ったのも「人称代名詞を使いますよね?」という話でした。
人称代名詞は一人称から三人称まで、主格、所有格、目的格に分けられ、以下のようにリストアップできます。
- 一人称単数:I my me (主格、所有格、目的格の順)
一人称複数:We our us - 二人称単数:You your you
二人称複数:(単数と同じ) - 三人称単数:He his him(”彼”の場合)、She her her(”彼女”の場合)、It its it(”それ”の場合)
三人称複数:They Their them
所有代名詞・再帰代名詞
所有代名詞と再帰代名詞は上述の「人称代名詞」と一緒に覚えられる場合がほとんどです。
上述の表を見て「あれ?I my me ”mine”」じゃないの?と思った方がほとんどでしょう。
所有代名詞とはI my me mineの”mine”、We our us oursの”ours”、You your you yoursの”yours”、He his him hisの”his”、She her her hersの”hers”、They their them theirsの”theirs”のことを指します。(Itに所有代名詞はなし)
再帰代名詞も「〜自身」を表すMyself、Ourselves、Yourself、Yourselves、Himself、Herself、Itself、Theirselvesがそうです。
2.指示代名詞
指示代名詞とは、主に「これ」や「あれ」、「あれら、それら」を表す時に使われる代名詞です。
- 近いものを表す「これ」:This(単数)、These(複数)
- 遠いものを表す「あれ」:That(単数)、Those(複数)
主に使われるのは↑の「これ、これら、あれ、あれら」ですが、他にも「そういうもの、そういう人」を表す「Such」、「同じもの、同じこと」を表す「Same」も指示代名詞の中に含まれます。
- そういうもの、そういう人:Such
- 同じもの、同じこと:Same
3.不定代名詞
不定代名詞とは、不特定の人やもの、数や量を表す代名詞を指します。
例えば、「コーヒーいかがですか?」と聞く場合は「Would you like some coffee?」と言いますよね。
この場合のSomeは、「いくつか」という基本の意味というより、「なにかお構い出来ると良いんだけど…例えばコーヒーでもいかが?」といったニュアンスがあります。
つまり、「”なんでも良いけど”例えばコーヒー」といった感じで、「なんでも良いんだけど」のニュアンスが少し含まれているイメージです。
他にも、I have some pictures.と言えば「写真を何枚か持ってるよ」となるので、特に「特定の」写真を示しているわけではなく、「不特定の写真をいくつか」というニュアンスが含まれています。
こうした「特定の」と「不特定の」といった感覚は、定冠詞と不定冠詞(AやAnと、The)の違いに似ているので参考にしてみてください。(定冠詞と不定冠詞に関する記事があれば内部リンク)
- 不特定のなにか:One(単数)、Ones(複数)
- 他のもの:Other
- 他のなにか一つのもの:Another
- いくつかの:Some(肯定)、Any(否定、疑問)、Someone、Somebody、Something、Anyone、Anybody、Anything
主に不特定代名詞としてイメージしやすいのは↑の表で挙げた通りですが、他にも以下のような不特定代名詞もあります。
- すべての:All
- どれも〜ない:None
- それぞれの:Each
- 両方の:Both
- どちらかの:Either
- どちらも〜ない:Neither
4.疑問代名詞
疑問代名詞とは、疑問詞のWhatやWhich、Whoなどを代名詞の役割で使う場合に使われる代名詞を指します。
例えば、What made you so happy?(何があなたをそんなに嬉しくさせたの?)のWhatや、Who has broken the window?(窓を割ったのは誰?)のWhoなどがそうです。
- 何:What(主格)、What(目的格)※Whatに目的格は無し
- 誰:Who(主格)、Whose(所有格)、Who / Whom(目的格)
- どれ:Which(主格)、Which(目的格)※Whichに目的格は無し
5.関係代名詞
最後に関係代名詞です。
関係代名詞とは、2つの文章を一つの文章にするためのつなぎ目として使われる代名詞です。
例えば、以下の2つの文章があります。
- The man is standing near the tree.(男性が木のそばに立っている。)
- He is my father.(彼は私の父だ。)
これらの文章を一つに繋ぐと、「木のそばに立っている男性は、私の父だ」になりますよね。
英語に直すと、「The man who is standing near the tree is my father.」となります。
The manを「He is my father.」と説明して、Heを関係代名詞のWhoに替えることで一つの文章にまとまりました。
以上のように、先にくる名詞(先行詞)を説明することで文章を一つにまとめることが出来る代名詞を「関係代名詞」と呼びます。
関係代名詞は、先行詞が「人」を表すか、「人以外」を表すかで形を変化させます。
- 先行詞が「人」の場合:Who(主格)、Whose(所有格)、Who / Whom(目的格)
- 先行詞が「人じゃない」場合:Which(主格)、Whose(所有格)、Which(目的格)
- 先行詞が「人」でも「人じゃなくても」使える便利な関係代名詞:That(主格)、That(目的格)※Thatに所有格は無し
- 先行詞がない場合:What(主格)、What(目的格)※Whatに所有格は無し
まとめ
この記事では、日本語以上に使われる機会の多い「代名詞」についてお伝えしました。
ここまでお読みのあなたは、そもそも代名詞とはどんな品詞であるのか、代名詞の主な5種類の役割について十分な理解を得ているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより豊かにできれば幸いです。