「ただより高いものはない」ということわざがありますが、「ただより安いものがない」のもまた事実。無料のものは、ぜひ積極的に利用したいですよね。

ということで、今回のテーマは「無料」です。

この記事では、全部で8種類ある「無料」を表す英語表現について、それぞれのイメージやニュアンス、表す意味の違いを詳しく説明していきます。

これを読めば、英語でもさまざまな「無料」を表せるようになります。

それでは、早速始めていきましょう!

英語の「無料」は free を使えばOK!

英語の「無料」は free を使えばOK!

英語で「無料」を表す際は、基本的に “free” を使えば大丈夫です。

free を使った「無料」を表す表現には、以下の3種類があります。

  • free(単体)
  • for free
  • free of charge

それぞれに少しニュアンスが異なるので、以下で詳しく確認していきましょう。

無料①:free

「無料」という意味で最も幅広く使えるのは “free” です。主に「無料の」という意味の形容詞か、「無料で」という意味の副詞で使われます。

free は、「自由」を表す名詞である “freedom” から派生した言葉です。そのため、その原義は「自由にすることができる」というもの。

お金などの対価を支払わず、自由に使ったり、自由に持って行ったりできる、そのような状態を表す際は free がピッタリでしょう。

たとえば、サブスクや習い事でよくある「無料体験」は、英語だと “free trial” と表すことが多いです。

Aさん
I want to take a free trial lesson.
訳)無料体験レッスンを受けたいです。

無料②:for free

“for free” は、「無料で」という意味で使える口語的な表現です。

上述の free の場合は、無料以外に「自由」という意味もあり、本当に金銭的に無料なのか文脈的に不明な場合もあります。

しかし、for free の場合は、100%「無料」という意味です。そのため、日常会話では free と同じくらいか、それ以上によく使われる頻出表現です。

Aさん
That young man gave me a balloon for free.
訳)あのお兄さんが風船タダでくれたよ。

無料③:free of charge

“free of charge” は、無料であることを丁寧に表す表現です。

この表現に含まれる charge という単語は、「料金」という意味なので、free of charge を直訳すると「料金の無料」となります。

先述の通り、free はもともと「自由」という意味なので、free だけで誤解されないよう、丁寧に of charge を添えたということです。

先ほどの for free と役割は同じですが、for free はカジュアルな会話で、free of charge は少し丁寧な会話で使われるイメージになります。

Aさん
The hotel keeps baggage of guests free of charge before they check in to it.
訳)そのホテルは、チェックイン前の宿泊客の荷物を無料で預かってくれます。

free を使わない「無料」は英語で何て言う?

free を使わない「無料」は英語で何て言う?

英語で無料を表す際、free を使わずに以下の表現を使うこともできます。

  • no charge
  • complimentary
  • on the house
  • gratis

それぞれに表すニュアンスが異なるので、1つずつ詳しく確認していきましょう。

無料④:no charge

“no charge” は、本来ならお金がかかることを無料でできる場合に使われる表現です。

charge は料金を表すので、no charge を直訳すると「料金無し」という意味。たとえば、遊園地に “no charge for admission” と書いてあれば、「入場無料」という意味になります。本来なら入場料がかかるところ、何かしらのイベントやキャンペーンで無料になっているイメージです。

その一方、いつでも誰でも入場無料の場合は、”free admission” と表現する方が自然です。

Aさん
Today, the theme park is no charge for admission.
訳)今日、その遊園地は入場無料なんだ。
Bさん
For real? Let’s go right now!
訳)まじ? 今すぐ行こう!

 

無料⑤:complimentary

“complimentary” は、サービスなどを無償で提供する(される)場合に使われるフォーマルな表現です。綴りがちょっと難しいですが、発音は「コンプリメンタリー」です。

complimentary は、もともと「敬意を表す」とか「賞賛する」という意味の動詞。そこから、敬意や賞賛、つまり好意の証として無償でサービスすることも表すようになりました。「好きだから何かやってあげたい」というニュアンスですね。

本来なら有料のものがタダという点では、先ほどの no charge と似ていますね。no charge は通常のサービスが無料に、complimentary は追加のサービスが無料になるイメージです。

たとえば、遊園地に no charge で入場して、中でドリンクを complimentary にもらう、といったニュアンスの違いがあります。

Aさん
A fashionable clothes shop has a complimentary coffee or tea recently.
訳)最近のおしゃれな洋服屋さんは、無料でコーヒーや紅茶を出してくれるんだよ。
Bさん
No way! It has become harder for me to go in clothes shops.
訳)そんな!服屋に入るハードルがまた上がったわ。

 

無料⑥:on the house

“on the house” は、お店で商品を無料でもらえることを表すカジュアルな表現です。

ここで使われる the house は「お互いに知っている建物」の意味。店員と客にとって、お互いが知っている建物といったら「お店」ですよね。

on は「~の上に」という前置詞なので、on the house で「(料金が)お店の上に乗っている」というイメージから、無料サービスを表すようになりました。

“It’s on me(ここは私のおごりです)” という表現がありますが、それのお店バージョンだと思えばよいでしょう。

先ほどの complimentary と on the house の違いは、フォーマルな店かカジュアルな店か、というイメージ。ホテルの無料サービスなら complimentary が、居酒屋の無料サービスなら on the house が適切でしょう。

Aさん
Drinks and foods are on the house today!
訳)今日は飲み食い全部が無料だよ!

無料⑦:gratis

“gratis” は、ラテン語由来の古風な「無料」を表す表現です。「グラティス」と読みます。

gratis は「好意をもっている」という意味のラテン語が、そのまま英語でも使われ続けている表現。英語では「ラテン語=フォーマル」なので、改まった場面での会話や、書面での書き言葉など、非常に限られたシーンでしか使われません。

もともとの意味も含め、先述の complimentary と非常によく似ていますが、gratis は complimentary を更に硬くした表現だといえるでしょう。

Aさん
Our consultation is gratis for the first guests.
訳)初めてのお客様は無料でご相談いただけます。

無料⑧:pro bono

“pro bono” は、ラテン語に由来していて、職業などの「無償奉仕」だけを表す限定的な表現です。読み方はそのまま「プロ ボノ」となります。

pro bono の原型は “pro bono publico(公共の利益のために)” というラテン語の言葉で、現代英語に直すと “for good public” となります。

pro bono は、弁護士などの専門知識やスキルを持つ人が、それらを公共のために無償で提供する活動を表す際に使われます。日常的に目にする機会は少ないですが、この機会にぜひ覚えておきましょう。

Aさん
The layer often does pro bono work.
訳)その弁護士は、よく公共のために無償の仕事をしています。

まとめ

今回は「無料」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。

英語で「無料」は、以下の8種類で表すことができます。

”free”、”for free”、”free of charge”、”no charge”、”complimentary”、”on the house”、”gratis”、”pro bono”

このうち、最も一般的かつ意味が広いのは “free” です。そのため、「無料」を表す際に困ったら free を使えば、まず失敗せずに済むはずです。

今回ご紹介したことを参考に、身の回りにある色々な無料を英語で表現していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!