販売系の仕事に就いていて、英語を使うことがあるなら「商品」という言葉を口にすることがあるでしょう。また、自分がお客さんとしてお店に行くときにも「商品」という単語が必要になることもあるはずです。
そんなとき、どの英単語を使えば良いか、すぐに浮かんでくるでしょうか。実は「商品」に当たる英語はたくさんあり、答えは一つではありません。
そこで今回は「商品」にあたる英単語をご紹介していきます。単語ごとのニュアンスも解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
「商品」は英語でなんと言う?
冒頭のとおり、「商品」にあたる英語はたくさんあります。まずはそのラインナップを見てみましょう。
- product
- goods
- item
- merchandise
- commodity
辞書を調べてみると、このほかにもさまざまな英単語が記載されていますが、実際の英会話でよく使われるのはこのあたりです。
上記の英単語はすべて「商品」という意味で用いられますが、それぞれ少しずつニュアンスが異なります。特に将来的にビジネスで英語を使いたいと思っている人は、その違いを知っておく必要があるでしょう。
「商品」を表す英単語の意味と使い分け
前述のとおり、「商品」を表す英単語は複数あります。ここからは、上記で挙げた5つの英単語について、そのニュアンスと使い分け方を解説します。
Product
「Product」は「商品」という意味でよく使われる英単語です。
フォーマル寄りの言葉なので、ビジネスシーンにはよく出てきます。
また、一般的に「商品」と言いたいときにとても便利な言葉なので、カジュアルシーンでも「商品」と言いたいときには使われることもあります。
しかし、「product」を辞書で引いてみると、「製品」という言葉の方が目立っています。「製品」とは原料から作られた品物のことです。
日本語だと、その製品が店頭に並んで販売されれば「商品」になるので、言葉が変化しますが、英語では店頭に並んでも「product」は「product」のままなのです。
ですから、「product」は「製品」「商品」という意味だと解釈しましょう。
いくつか例文をご紹介します。
訳)彼らは今年の新商品を紹介する予定です。
訳)これらの製品はABC社によって製造されています。
訳)あなた(方)の商品(製品)が大好きです。
最後の例文は、たとえば面接の時などにその会社の製品が好きだと伝えていたり、製造者が目の前にいて「あなた方の製品が好きだ」と伝えるときに用います。
「Products」は製造・販売側から見た場合の「商品」「製品」というニュアンスがあるため、自分が直接の購入者=消費者である場合は、あまり使いません。
たとえばお店に行って「このコスメ商品可愛い!」なんて言いたいときには、「product」を用いるとやや不自然です。
とはいえ、かなり一般的に使われる単語ですから、とりあえず「商品」「製品」という時には、「product」を使っておけば言いたいことは伝わります。使い分けに迷ったり、他の言葉が思い浮かばない時には、「product」を使うと良いでしょう。
Goods
「Goods」は、「商品」や「品物」といった意味を持つ単語です。「Product」は製造・販売側から見た「商品」のことだと前述しましたが、「goods」は消費者側から見た場合の「商品」にあたります。
ですから、消費者視点で「商品」と言いたい場合は、「goods」が使えます。お店のPOPなどにも「goods」と書いてあることがありますが、これはお店のPOPは消費者が見るためのもの、つまり消費者視点だからです。
また、複数形「goods」の形でしか使われず、複数の商品をまとめて言及したい場合に用いることもポイントです。
こちらも例文を見てみましょう。
訳)父の誕生日に革製品を買うつもりです。
訳)彼女はいつも輸入品を買ってる。
消費者視点というのが、伝わるでしょうか。この「goods」を「products」としてもおかしくはありませんが、ちょっと堅い感じがしたり、ビジネス感が出てきます。
Item
「Item」は「goods」に似たニュアンスの「商品」「品物」です。単数を指す場合にも複数を指す場合にも使われるので、「goods」よりも使いやすいかもしれません。
かなり幅広く使える「商品」を意味する単語ですから、カジュアルシーンなら「item」を使えば良いでしょう。
「Goods」が「革製品」や「輸入品」などあるカテゴリ全般を指す場合によく使われるとしたら、「item」はカテゴリ全般を指す場合も、個体を指す場合にも使える便利な単語です。
訳)私はいつもドラッグストアで化粧品を購入しています。
訳)この商品を返品したいのですが。
特に2番目の例文だと、「item」を使うのが一番しっくり来ます。単数なので「goods」は使えませんし、この場合は完全に消費者視点なので「product」というと、不自然ですね。
Merchandise
「Merchandise」はフォーマルな言葉で、主にビジネスシーンで使われます。
意味は「商品」なのですが、販売者と消費者ではなく、会社間の売買取引での「商品」というイメージです。よって、消費者視点で使われることはありません。
また、不可算名詞なので、どれか1つの商品を指すことはなく、商品全体を指すときに使われます。
訳)商品カタログを送っていただけませんか?
訳)商品の価格が大幅に上昇しました。
こうした例文だとニュアンスの違いを感じづらいですが、すべてビジネスシーンで交わされる会話だと思えば、少しわかりやすくなるでしょうか。
Commodity
「Commodity」は「商品」「農産物」「鉱産物」を指す単語です。加算名詞で、一般的には「commodities」と複数形の形で使われることが多いでしょう。
使われるシーンが少ない単語ですが、原価の話をしているときなどによく出てくるので、一応こちらも「商品」として知っておくと良いでしょう。
英単語レベルとしては高水準なので、上級ビジネス英語などを勉強するときに覚えられれば大丈夫です。
正しく「商品」と言えるように練習しよう
今回ご紹介した「商品」を表す英単語中で特に覚えておきたいのは、「product」「goods」「item」です。
この3つは、正しいニュアンスで使えるように、日頃から練習したり、英会話レッスンなどで講師に例文を作ってもらってみたりすると良いでしょう。
「Merchandise」も一般的な単語なので、覚えておいて損はありません。自分で使えなくても、意味は理解できるようにしておきましょう。
「Commodity」はさらに余裕があれば、英文リーディングなどの時に注目したい単語ですね。
重要度や自分のレベルに合わせて、正しく「商品」と言えるように練習してみてくださいね。