forecastは、さまざまなシーンにおける「将来の見通し」を表現する英語です。しかし、forecastは普段それほど使わない単語かもしれませんね。どのような意味を持ち、どう使うのか知っていますか?

記事では、forecastの意味、シーン別に例文で正しい使い方を解説します。ぜひ、英語力をアップしていきましょう。

フォーキャストの意味

フォーキャストの意味

「営業におけるフォーキャスト」、「フォーキャストの効果」、など「フォーキャスト」という言葉が日本語で使われます。

フォーキャストの意味

フォーキャストは「予想・予測・見込み」の意味で使われています。
日本語の予想と予測の違いですが、予想は個人の主観・直感に基づくために正しいかの保証はありません。一方予測は、データに基づき可能性が高くなる見通し、この辺が違いになります。

forecast

カタカナ語のフォーキャストは英語forecastからきています。forecastの語源はforeとcastの2単語です。foreには「前方の」、castには「投げる」の意味があり、2つを組み合わせて未来を先に投げるといった意味になりました。

forecastには名詞と動詞があり、それぞれの意味は以下になります。

【名詞のforecast】
予想・予測
見通し
先見の明
天気予報

【動詞のforecast】※過去形・過去分詞はforecasted
予想する・予測する
〜の前兆を示す
予定する
前もって計画する
予見する・予言する
前もって計画を立てる

このように予測・予想するという意味を持つ単語がforecastです。予測や予想は未来のことですが、forecastというときの予測は主に「経済と天気」の分野が対象になります。

Aさん
It’s difficult to forecast whether we can increase our profit due to the situation – everything changes fast.
訳)すべてが急速に変化する状況のため、利益を増加できるかどうかを予測することは困難です。
Aさん
Can we forecast how much we can sell this new novel for?
訳)この新しい小説がどれくらい売れるか、予測できますか?

この問いには本の売れ行きの背後にある法則を探るための様々なデータを分析する必要があり、だからこそforecastが使われています。この部分を次の「forecastとのpredictの違い」で解説しましょう。

forecastとpredictの違い

「予測する」の意味を持つ動詞はいくつかあります。そのなかでも、forecastとのpredictの違いとはどのようなものなのでしょう。

predictにも「〜を予測する、予報する」などの意味があります。英語フレーズpredict in advanceであれば「前もって予言をする」になります。forecastと似ていますが、予測にどのような違いがあるのでしょうか?

forecastは、統計データ・履歴データに基づき、将来の傾向を推定。
predictは、統計データ・履歴データに捉われず、主観的な考慮や直感によって行なわれる将来の出来事の推定。

このため、特にビジネスにおいては様々なデータに基づくforecastが行なわれるんですね。predictは自分の直感による将来予想だったり、競馬・競艇などの賭け事の予想に使われます。

着地 – ビジネス

ここでは、ビジネス関連のforecastについて紹介します。
「着地」とは、新人でも覚えておくべきビジネス用語のひとつで、最終的な結果を表します。その結果を予測するときに着地見込みと表現することもあります。そのため、数字を用いる発表の場でよく使われます。

come out

「着地する」は日本独自の比喩表現であり、英語に当てはまりません。そこで「結果が出る」の意味を持つcome outを使って表現します。

Aさん
The results will come out next week.
訳)結果は来週、着地するでしょう。
Aさん
The number of visitors to the museum came out to be 2% higher than last month.
訳)博物館の来場者数は先月より2%増で着地しました。

見込み – ビジネス

ビジネスにおいては将来を予測することが重要です。そのため、計画において目標達成などの見込みが外せません。この見込み予測をフォーキャストと呼び、FCSTと略した形で使うことがあります。製造業では中長期的な期間で受注、そして需要の見込みを予測することが必須です。これをフォーキャスト管理と呼びます。

売り上げ見込みのsales forecast

見込みとは予測のことであり、今後起こりそうな事についてあらかじめ見積もっておくことです。
そのため、予測の英語forecastを使い、売り上げ見込みであればsales forecastで表現できます。

Aさん
The sales forecast for this term was wrong. We need to get a better analysis.
訳)今期の売り上げ見込みは外れた。より良い分析を行なう必要がある。
Aさん
There are four sales forecasting methods, purpose and process, trend analysis, regression analysis and time series analysis.
訳)売り上げ見込みのメソッドには、目的とプロセス、傾向分析、回帰分析、時系列分析の4つがあります。

傾向分析とはトレンド、回帰分析は結果と要因の因果関係、時系列分析は時間の経過に伴い変化が起こる際のデータ分析です。これらの統計を使い、見込みを想定、予測します。

フォーキャスト情報

フォーキャスト自体を業績目標管理と呼ぶこともあります。業績目標管理は、ある特定の期間内において売上げや経常利益などに対して客観的な数値によって見える化する目標です。また、annual forecastで年次予測も覚えておくとよいでしょう。
このように、フォーキャスト情報はビジネスでよく使われる言葉です。

forecasting

forecastingはforecastに関連する単語で、名詞で「予測」の意味を持ちます。

Aさん
In finance, forecasting is used by companies to estimate earnings or other data for subsequent periods.
訳)金融業界では、予測は企業が翌期以降の収益やその他のデータを予測するために用いられる。

forecasting=予測
earnings=(企業などの)利益・利潤
subsequent periods=翌期以降
この例文では英語で仕事に関わっていない人にとっては普段使わない単語が出てきますが、forecastingの意味はひとまず押さえましょう。

いろいろな予報の意味と英語表現

いろいろな予報の意味と英語表現

ここでは、ビジネスから離れ、forecastの持つ「予報」について話を進めましょう。
予報とは、事前に推測して知らせることを言います。予報を言い換えるとすれば、お知らせ、通知や案内になります。

天気予報

予報と言えば、私たちに大変馴染みのある天気予報です。
天気予報を英語にするとweather forecast、天気・天候・気候の意味を持つweatherとforecastの組み合わせですので分かりやすい表現です。according to the weather forecastにすると「天気予報によると」という、会話の言い出しに便利なフレーズになります。
天気予報は、専門家によるデータに基づいた予測のためforecastが使われる点も押さえましょう。

Aさん
I always check the weather forecast before I go out.
訳)私は出かける前に、いつも天気予報をチェックするよ。

check the weather forecastで「天気予報をチェック」、日常英会話に使えるフレーズを覚えてくださいね。Did you check the weather forecast?であれば、天気予報チェックした?になります。

Aさん
The weather forecast says it’s going to rain, so I’ll take my umbrella. It seems the chance of rain is 80% in the afternoon.
訳)天気予報では雨が降ると言っているので傘をもっていくね。午後の降水確率は80%だって。

筆者の住むイギリスの天気予報でも1時間ごとの降水確率が示されます。降水確率の英語chance of rainもぜひweather forecastと一緒に覚えてはいかがでしょう?

その他の予報と英語

天気予報だけでなく、津波・台風・強風・豪雨など、自然災害につながるような天候に関して予報が出ることがあります。

これらをまとめてsevere weather informationと表現します。severeには天気などが「激しい・極端な」という意味があります。
また、津波ともなると予報というよりは警報(warning)になりtsunami warningというフレーズで表現します。

Aさん
Taiwan was hit by a big earthquake but there was no tsunami warning.
訳)台湾が大地震に見舞われたが、津波警報は出なかった。

まとめ

フォーキャストの英語はforecastです。ビジネスシーン、そして天候などに対してデータをもって予測をするときに使われます。
例えばBBCのウェブサイトの天気ページで”tokyo”など、お住まいの地域を入力してみてください。天気予報の英語版がすぐに手に入ります。特に、イギリスではスモールトークで天候の話が欠かせません。仕事でforecastを使っていない方でも、ぜひweather forecastまたは天気に関する表現を英会話でしっかり使えるようにしていきましょう。