日本語の五十音が「あ・い・う・え・お」で構成されているように、英語の文字や発音はアルファベットで構成されています。
ABCで構成されるアルファベットは、日本語の発音とは異なった発音のものもあります。
そんなアルファベットがもっと正確にわかれば、英語の発音をもっと英語らしいものにできるでしょう。
この記事では、日本語の発音とは違うアルファベットを改めて見ていくことで、より英語らしい発音ができることをゴールにしてお伝えしていきます。
アルファベットの数
アルファベットの数はA~Zまでの26文字だと言えます。
日本語の「あいうえお」に始まる「五十音」が46個(※)であることを考えれば、アルファベットの文字と発音を覚えるのは、日本語の五十音を覚えるのに比べて半分くらいの難易度だと言えますね。
※補足:「ゐ」や「ゑ」などの歴史的な五十音は省いています。現在の日本人が使う五十音の数が46個です。
加えて、英語の発音は「母音(a i u e oなど)」もしくは「子音+母音(Ka Ta Chaなど)」などの組み合わせで行われるので、日本語の五十音のようにそれぞれの「文字の形」と「発音」をそれぞれ覚える必要もありません。(文字を見たら、子音も母音も書いてありますから)
アルファベットの発音がわかれば、英語の読み方は上手くなる?
アルファベットの発音をもっと正確にわかるようになれば、英語の読み方、発音がもっと上手になるでしょう。
というのも、日本語を母国語として話している私たちは、普段からアルファベットと共に生活をしているイギリス人やフランス人とは、アルファベットの発音に対しての理解が全然違うからです。
一番顕著でわかりやすい例を挙げると、「L」と「R」の発音が日本人にとって、聞き分けるのも自分で発音するのも難しいという話です。
これも、日本語では「L」と「R」の区別がなく、「らりるれろ」で全て完結しているからですね。
↑のように思われるかもしれませんね。
しかし、ご安心ください。
前項でお伝えした通り、アルファベットは日本語の五十音に比べて半分近くのたった26個です。
加えて、「Ka(か)」や「Ta(た)」、「Chi(ち)」などのアルファベットの組み合わせで、日本語と同じ発音になるものがほとんどを占めています。
つまり、「LとR」に代表される、「日本語とは違うほんの少しだけのアルファベット」をもう一度見直してみるだけで、英語らしい発音にグッと近づけるというわけです。
日本語とは違う発音のアルファベット一覧
日本語とは違う発音のアルファベットには、主に以下が挙げられます。
- F
- L
- R
- V
- TH
順番に見ていきましょう。
F
Fは日本語で言うところの「ふぁ、ふぃ、ふ、ふぇ、ふぉ」にあたる子音の働きがあるアルファベットです。
日本人はFを見て「ふぁ、ふぃ、ふ、ふぇ、ふぉ」に置き換えて発音しますが、英語では「前歯で下唇に触れるように」発音します。
一度、普段の「ふぁ、ふぃ、ふ、ふぇ、ふぉ」を口に出して発音してから、今度は前歯で下唇に触れるように「ふぁ、ふぃ、ふ、ふぇ、ふぉ」と発音してみてください。
かなり発音してみた感じが違うと思います。その「感じの違い」を経験するのがとても重要です。
Fの発音は、日本語発音のままでも比較的英語を話す外国人に伝わりやすい部類ですが、「Fを発音してみた感じの違い」を経験することで、後述する「V」の発音の感覚が掴みやすくなる利点もあります。
「どうせ通じるなら、区別しなくていいや〜」と言わずに、「同じ”ふぁ”でも、こんなに違うんだ!」と感じてみてください。
L
Lの発音は、日本語で「ら・り・る・れ・ろ」にあたる子音の働きがあるアルファベットです。
そして「日本人が最も苦手とする発音」のひとつでもあります。
Lの発音は日本語の「ら・り・る・れ・ろ」に比べて、舌を前歯(上側)の裏に密着させて発音するようなイメージです。(実際のLの発音より大げさな発音の仕方にはなりますが、日本人がLの発言を身につけるにはちょうどいいです。)
筆者はLの文字を舌の形に見立てて、前歯に当たっている舌が90度の形で縦に向いているイメージをして発音をしています。
後述する「R」の発音と明確に区別するためにも、少し大げさにLを意識して発音すると身につきやすいですよ。
R
Rの発音も、日本語で「ら・り・る・れ・ろ」にあたる子音の働きがあるアルファベットです。
そして、先述の「Lの発音」と並んで「日本人が最も苦手とする発音」のひとつでもあります。
Rの発音は日本語の「ら・り・る・れ・ろ」に比べて、舌を口の中の真ん中に位置させて、どこにも触れないようにしながら「ら・り・る・れ・ろ」に近い発音をするイメージです。
筆者はRの発音を、小文字の「r」をイメージしながら、縦の直線を前歯に見立てながら、曲線の部分を舌に見立てて「口の奥の方に舌を位置させる」イメージでRを発音しています。
先述したLの発音と明確に区別するためにも、少し大げさにRを意識して発音すると英語らしい発音にグッと近づきますよ。
V
Vの発音は、日本語で「ば・び・ぶ・べ・ぼ」にあたる子音の働きがあるアルファベットです。
最近では「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」という、よりVに近い日本語の表記もありますが、まだ浸透しているとは言い難く、例えば「ユニ”ヴァ”ース」と表記してあっても、「ユニ”バ”ース」と発音されることが多いです。
Vの発音は日本語の「ば・び・ぶ・べ・ぼ」に比べて、「前歯で下唇に触れるように」発音します。
先述した「F」の口の形で、「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」を発音するイメージです。
Vの発音をマスターすれば、日本語の「ば・び・ぶ・べ・ぼ」と同じように発音される「B」の発音と明確に区別できるようになるので、「F」の発音と同様に積極的に発音して身につけたいですね。
TH
アルファベットからは少し逸れますが、「TH」の発音は「LとR」に次いで「日本人が最も苦手とする発音のひとつ」なのでこちらで紹介します。
「TH」の発音は、舌の先端を上側の前歯と下側の前歯の間に位置させて、「さ・し・す・せ・そ」に近い発音をさせるイメージです。
よく「TH」の発音を「舌の先端を前歯で少し噛むように」と説明されますが、実際は「噛む寸前」くらいの位置にしたほうが発音しやすいです。
「TH」の発音をイメージしやすいのが、「Think(考える・思う)」と「Sink(沈む)」の発音の区別です。
「Sink(沈む)」の方が日本語の「シンク」の発音そのままなのに対して、「Think(考える・思う)」の方は「舌の先端を前歯で噛む寸前」の位置で発音します。
「Sink(沈む)」と「Think(考える・思う)」の発音の仕方の違いを感じてみてください。先ほどお伝えした「THの発音、噛むよりも噛む寸前の方が発音しやすい」というのが体感でわかるでしょう。
「アルファベット順」は英語で?
「名簿を頭文字で、アルファベット順で並べる」など、ABCの順番で並べることを「アルファベット順」と言いますよね。
「アルファベット順」は英語で「ABC order」と言います。
Orderは「命令」の意味でよく使われますが、「順番」の意味もあります。
つまり「ABC order」は「ABCの順番」を表し、「アルファベット順」の意味になるわけです。
まとめ
この記事では、アルファベットを改めて見直すことで英語らしい発音をするための知識をお伝えしてきました。
ここまでお読みのあなたは、LとRの発音や、SとTHの発音、BとVの発音の違いなどをしっかりと理解されているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。