オンライン英会話には、受講者の英語のレベルや学習目的に合わせて、さまざまなコースがあります。
初心者から上級者までが英語を学習でき、たとえば日常会話、ビジネス英語、学生向け、英検対策など、学びたい動機に合わせた教材が用意されています。さらに、フリートークといって、教材に縛られることなく、自分の好きな話題について講師と英語で会話を楽しめるコースもあります。
フリートークは、一般のコースと異なり、教材の内容に沿って順番に進めるわけではなく、自分の知りたいことや、話したい内容での会話ができるので、特に英語での会話力を伸ばしたい方にはアウトプットの練習として推奨できるコースです。
しかし、そのフリートークのコースで、どのような話題について講師と話したらよいのか、迷ったことはありませんか。もしかすると日本語でも、いきなり「フリートークしてください」といわれたとしたら、戸惑うかもしれません。
母語話者でないわたしたちが、英語を使って会話を盛り上げるためには、事前に話題を準備しておくことが大事です。どのような話題を選んだらよいのか、そしてそのためにはどのような準備をしておけばよいのか、解決策はあります。
本記事では、オンライン英会話で盛り上がる「話題」や、講師との会話を長続きさせる「コツ」を紹介します。
オンライン英会話で話しやすい「話題」とは?
オンライン英会話で話しやすい「話題」は、まずは自分に関することです。
「話題」にしやすいテーマは、以下のように3つあります。
・自分の生い立ちや経歴を話す
・自分の趣味に関することについて話す
・自分の仕事について話す
それぞれのテーマについて、具体的に説明します。
自分の生い立ちや経歴を話す
オンライン英会話で話しやすい「話題」のまず1つめは、自己紹介として、自分自身の生い立ちや経歴を話すことです。
人は自分に関係することについて、もっともたくさん話すことができます。
そのひとつは、自分の生い立ちについてです。
自分の出身地、きょうだいはいるのか、これまでにどんなことを学んできたのか、今はどんな生活をしているのかなど、挙げるとたくさんの「話題」が出てきます。
<自分の生い立ちや経歴について>
・わたしは東京で育ちました。
・三人きょうだいの末っ子です。
・大学では経済学を専攻しました。
・現在は商社で働いています。
・30歳を過ぎて転職して、資格取得の勉強をしています。
このように具体的な話をすることで、相手に質問しやすい情報を与えることができます。上の例だと、たとえば講師はこういった質問を投げかけてくるかもしれません。
<考えられる質問の例>
・東京にはどのくらいの人がいるのですか?
・日本では三人きょうだいは多いですか、それとも多いほうですか?
・大学で経済学を学んだのはなぜですか?
・商社ではどのような業務を担当していますか?
・資格を取る利点には、どのようなことがありますか?
質問については、後段の「質問を想定しておく」で説明します。
出身地や居住地について、<外国人講師が知らなくて、話が盛り上がらないのではないか>と不安に思うことがあるかもしれません。しかし、外国人でも、日本に少しでも興味があれば、たいていの人は東京や大阪は知っています。
たとえば、自分の出身地は東京からどれくらいの距離にあるのか、出身地の名物や特産品には、どのようなものがあるのかなど、そこから話を広げていけばよいのです。
<出身地や居住地について>
・わたしの住んでいる札幌は、東京から約820キロメートルの距離にあります。
・水戸の名物には、日本の郷土食「納豆」があります。
・長崎は、早くから外国との交易のために開かれた港町です。
・九州では最大の商業都市、博多市に住んでいます。
・出身地の沖縄は、日本で一番南にあり、亜熱帯の気候の島です。
こうして会話を広げることで、もしかしたら話し相手の講師と共通の話題や、関心のある事柄が見つかるかもしれません。
オンライン英会話で自己紹介がどのように役立つのか、下記の記事では例文を紹介しながら解説しています。
【オンライン英会話】は自己紹介が重要!テンプレートに使える例文も含めて解説
自分の趣味に関することについて話す
オンライン英会話で話しやすい「話題」の2つめは、自分の趣味に関係していることです。
好きなことを話すときは、誰でもたいへん楽しそうに、流暢な会話ができます。
このように、趣味や好きなことを「話題」のひとつにすることを勧めます。
たとえば、映画や漫画をみることが趣味だとして、どのようなジャンルが好みなのか、一番好きな作品は何かを話すことができます。
<映画や漫画の趣味について>
・ハリーポッターのシリーズが好きで、全作品を観ています。
・『オーシャンズ11』がきっかけで、ブラッド・ピッドのファンになりました。
・好みのジャンルはアクション映画です。
・日本を代表する漫画家は、手塚治虫だと思います。
・スタジオジブリの作品では、『君たちはどう生きるか』を最近観ました。
もし講師がその作品を知っていたら、そこから話を広げることができます。仮に知らなかったとしても、自分が好きな作品の魅力について、相手が想像しやすいように説明すればよいのです。
どの俳優が好きか、どういうところも魅力を感じるのか、好きなジャンルはどういったものか、これまでに観た映画・漫画で一番好きな作品は何か、原作と映画・漫画の違いなど、話せることはたくさんあります。
自分の趣味や関心があることについて、わたしたちは情報をもっています。外国語で話す場合にも、自分が知っていることを題材に選ぶと、フリートークで話しやすくなります。
オンライン英会話の話題としてどのようなものがあるのか、そして話が途切れないように広げる方法については、次の記事が詳しく説明しています。
仕事について話す
オンライン英会話で話しやすい「話題」の3つめは、自分の仕事についてです。
どんな仕事をしているのか、したことがあるのか、仕事は話しやすい「話題」の1つです。
なぜなら多くの人は、自分の生活の大部分の時間を仕事に充てているからです。
<自分の仕事について>
・会社では7年間にわたって経理を担当しています。
・人と接する仕事がしたくて、一度転職した経験があります。
・今は子どもの世話をしながら主婦をしています。
・将来は、英語を活かして海外に駐在したいと思っています。
・退職して時間ができたので、英語の勉強を始めました。
仕事によってもいろいろな職種があるように、たとえ相手が自分の仕事を知らないとしても、自分の仕事の内容を説明したり、その魅力について話すことができます。どうしてその仕事を始めたのかも話せれば、話題はさらに広がります。
もし講師も自分と同じ仕事を経験したことがある場合には、その仕事の楽しさやつらかった経験なども共有することができるので、お互いを身近に感じてフリートークが盛り上がることもあるかもしれません。
英語を学びたい動機や目的について話す
ここで、オンライン英会話の講師と受講者が共有していることを考えてみてもよいでしょう。それはもちろん、英語の学習です。
英会話の指導をする上で、講師は受講者の英語の実力や、学習目的に関心をもっています。良心的な講師であれば、学びたい動機に合わせて、役立つコメントをしてくれるかもしれません。
<現在の英語のレベルについて>
・学校の英語の授業では会話をする機会がなかったので、オンライン英会話に挑戦しました。
・片言の会話はできますが、外国人の英語がよく聞き取れません。
・日常会話には慣れていますが、社交の上で必要なレベルに高めたいのです。
<英語を学びたい動機について>
・仕事で英語の電話をすることがあるので、英会話の練習を始めました。
・近々海外旅行に出かけるので、英語で簡単な会話ができるようになりたいのです。
・外国人の顧客とも英語で話せるように、英会話に慣れておきたいと思ってオンライン英会話を始めました。
・留学を控えていて、文法の知識はあるのですが、会話に自信をつけたいと思っています。
・発音のくせを直したいので、気がついたところは教えてもらえませんか。
フリートークは会話の練習をする場です。ひとつの文章で終わらせるのではなく、なぜそう考えるようになったのか、きっかけになったことのエピソード、上達したときの具体的なイメージなどでも、英語に関して話せることはきっとあるはずです。
下記の記事では、フリートークのメリットとデメリット、会話のネタや教材、フリートークのコースが向いている人などについて考察しています。
オンライン英会話で会話を長続きさせる、3つの「コツ」を紹介!
ここからは、オンライン英会話で会話を長続きさせる「コツ」3つを紹介します。
会話をするための「話題」についてはわかったけれど、途中で講師との会話が途切れてしまう、いまひとつ会話が盛り上がらないと悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
伝えたいポイントを整理しておくこと
まず、会話を長続きさせる「コツ」の1つめは、相手に伝えたいポイントを整理しておくことです。
一番に伝えたいことの答えや結論、理由、それにまつわるエピソードについて箇条書きでまとめておきます。
話したい内容をまとめることで、次に何を話せばよいのかがわかるので、ことばが出やすくなります。
会話をしながら何を話そうか考えていると、話が脱線してしまい、結局何を伝えたかったのかわからなくなったり、考えている間に会話が止まってしまったりすることがあります。
レッスンの前に伝えたいことを整理しておくことで、戸惑うことなく会話を続けることができます。
英語で話す順番を考えておく
会話を長続きさせる「コツ」の2つめは、英語で話す順番を考えておくことです。
これは、英語と日本語では話し方の順序が違うためです。英語は結論を先に伝えますが、日本語は結論が最後にきます。
英語で会話する時は、まずは結論、次に理由やそれにまつわるエピソードを話します。
このように伝え方の順番をあらかじめ決めておくことで、英語でもぐんと話しやすくなります。
ひとり言で練習しておく
会話を長続きさせる「コツ」の3つめは、独り言を活用して会話の練習をしておくことです。
会話する内容をあらかじめ準備したら、それを実際に声に出して練習します。
話題は準備できても、その内容が話し相手に伝わって初めて会話になります。
講師とのフリートークの時間は、受講者がたくさん話して、英会話の練習をする場所です。レッスン時間外でも英会話の練習を行い、自分で英語を話す時間をたくさん作るようにすることで、長く話せたり、会話で盛り上がることができます。
フリートークをするときの3つの心得
ここまで、オンライン英会話のフリートークでも困らない「話題」や、会話を続けるための「コツ」を紹介してきました。
最後に、知っておくと役立つ、フリートークをするときの心得を3つ、お伝えします。
アウトプットの練習の場だと割り切る
フリートークをするときの心得の1つめは、オンライン英会話を「アウトプットの場」として練習することです。
フリートークは、とにかく英語でたくさん会話をする場所ですから、あまり会話ができない、思うように会話が続かない状態では、効果的なレッスンとは言い難い部分があります。
そのため、会話をたくさんできるように事前に話題を作っておく、どんな話題で会話するのか、レッスンの最初に講師に伝えておきましょう。そしてレッスン中は、できるだけ自分が話すつもりでレッスンを受けてみてください。
次の記事は、オンライン英会話のレッスンを週1回受けている、小学生の姉妹のケースを紹介する体験日記です。
ことばに詰まってしまってフリートークがうまく進まない様子がよく伝わってきます。
講師の気持ちは考えすぎなくてよい
フリートークをするときの心得の2つめは、講師の気持ちを考えすぎないことです。
<こんな話をしたらおもしろくないかな><あとの話が続かないだろうか>といったように、講師を気にしすぎなくてよいのです。
オンライン英会話のフリートークは、レッスンです。担当する講師は、できるだけたくさん受講者に話してほしいと考えています。会話の主役は受講者自身ですから、後で<もしかしたら一方的に話してしまったかもしれない>と思うくらいの気持ちで、レッスンを受けるようにしてみましょう。
受講者が積極的に話せれば、聞き手の講師が、そこからさらに話題を広げてくれます。
質問を想定しておく
フリートークをするときの心得の3つめは、相手からの質問を想定しておくことです。
会話のキャッチボールですから、聞き手の講師からの返答や質問ももちろんあります。
特に質問がきた場合は、それに合った応答をしなければなりません。
どんな質問が返ってくるのか、あらかじめ想定して答えを考えておくと、会話が止まることなくスムーズに進められます。
学研の提供するオンライン英会話サービス、Kimini英会話では、下記のようなフリートークのコースが用意されています。
現在の英語のレベルや英会話を学びたい目的に合わせて選ぶと効果的です。
まとめ
英会話において、会話が止まらずに話し続けることは難しいものです。
特にフリートークで会話を続けるためには、話題を事前に準備しておくことが必要です。
自分に関連する生い立ち、趣味、仕事など日本語でもたくさん話せそうな内容を中心に話してみましょう。
たくさん会話することで講師と共通の話題や、同じ興味・関心の話題が見つかると、さらに会話が盛り上がります。
また、話す順番を意識したり、レッスン時間外でも練習しておいたりすることで、レッスン時間でたくさん英語をアウトプットすることができます。
どんな話題を話したらよいのだろうとかか、講師との会話があまり続かないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。