オンライン英会話を受講している方の中には、
「真面目に受講しているのに英語力がアップしない」
「なかなか英語は話せるようにならない」
などと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
オンライン英会話は自宅で気軽に英語のレッスンを受けられるのが魅力ですが、ポイントを押さえて受講しなければ英語力が伸びないのをご存じでしょうか。
そこで今回は、オンライン英会話で英語力がアップしない原因や、伸びる人と伸びない人の違いについて解説します。
さらに時期別の英語力が伸び悩む原因や対策もご紹介するので、マンネリ化している英語学習が明日から変わるはずです。
オンライン英会話で英語力が伸びない人の5つの特徴
オンライン英会話で英語力が伸びないと悩んでいる方の多くは、共通する特徴があります。
ここでは、5つの特徴を詳しく解説していきます。
オンライン英会話だけで英語を習得しようとしている
オンライン英会話は1レッスン25分であり、決して長時間ではないものの、毎日レッスンを継続していれば自然に英語力が伸びると考えている方も多いのではないでしょうか。
レッスンを頻繁に受けていれば英語を勉強している気持ちになってしまいがちです。しかし、オンライン英会話のレッスンはあくまで英語の勉強の一部であり、オンライン英会話だけで英語力が伸びるわけではありません。
英語力を向上させるには、リスニング力やスピーキング力のほか、語彙力や文法、発音練習などが必要であり、すべてをオンライン英会話だけで習得するのは困難です。そのため、オンライン英会話のレッスン以外にも、不足している英語力を自主的に勉強して伸ばしていく必要があります。
レッスンを受けた後復習していない
オンライン英会話のレッスンを受けた後、復習をしていないのも伸びない原因として考えられます。
レッスン中に「なるほど」と学習したことであっても、復習をしなければ数日後には忘れてしまいます。また、レッスン中に言えなかった英語なども、メモして後から復習しなければ、簡単に忘れてしまいます。
このように、自分自身の英語として身に着けるためには、復習とレッスンのサイクルが重要になるのです。
英語を勉強する時間が足りていない
英語力が伸びないと感じている場合、やり方は合っているものの、単に勉強時間が不足しているケースもあります。
たとえば、オンライン英会話を毎日受講すれば、半年で話せるようになると考えている方もいるのではないでしょうか。たとえ学習方法が合っていたとしても、半年で英語を習得するのはむずかしいといえるでしょう。
というのも、日本人が英語を話せるようになるには約2,200時間必要だとされており、学生時代の英語の勉強時間は約1,200時間なので、習得するにはさらに1,000時間勉強する必要があるのです。
社会人になって毎日英語を1日1時間勉強したとしても、1,000時間に達するには2~3年、人によってはそれ以上かかる計算になります。仕事や家事の合間を縫って英語の学習時間を確保し続けるのは簡単ではありませんが、習得までに最低2~3年はかかると考え、根気よく学習を続ける必要があるでしょう。
レッスンを先生まかせにしている
オンライン英会話を受講する際、レッスンを先生任せにしているのも英語が伸びにくくなる原因となります。
英語初心者の場合、どのようにレッスンを進めるべきかわからないことも多いため、講師任せにするのは問題ありませんが、慣れてきたら主体的にレッスンに参加するようにしましょう。
講師が主導権を握っているレッスンだと、生徒の話す時間が少なくなる、生徒が受け身になって集中力が低下する、テキストを使ったレッスンで「Yes」と答えるだけになってしまうといったケースに陥りがちです。
同じ25分のレッスン時間でも、主体的に参加するかどうかでレッスンの充実度に差が生じるため、慣れてきたら積極的に会話を広げるようにしましょう。
効果的な学習環境が整っていない
オンライン英会話で英語力が伸びない要因の1つに、環境整備ができていない事が挙げられます。せっかくレッスンを受けても、環境のせいで集中できず、学習効果が半減してしまうケースが少なくありません。
まず気をつけたいのが、集中力を低下させるものを無くすこと。パソコンやスマホの通知をオフにしたり、別ウインドウや他のアプリなどを閉じたりすることで、学習に集中しやすくなります。
また、レッスン前の接続テストや通信トラブルに備えて念のため別のデバイスを用意しておくと安心して受講できます。
さらに、自分が集中できる勉強部屋の確保も重要です。家族に話しかけられたりレッスン中に部屋に出入りしたりするような環境だと勉強に身が入らないのも当然です。音が少なく講師の声がクリアに聞き取れて受け答えができる状態で、25分を有意義なものにしましょう。
なかなか場所がない場合は、以下を参考にしてみてください。
- 上司や会社に事前に許可をもらって会議室を利用する
- 駐車場に停めた車の中でレッスンを受ける
- 早朝の誰も起きていない時間帯を狙う
オンライン英会話で伸びる人の5つの特徴
オンライン英会話を受講していても英語力が伸びないと悩んでいる人がいる一方で、英語力をどんどん伸ばしている人もいます。
ここでは、オンライン英会話で英語力が伸びる人の特徴を解説します。
話すための基礎知識が備わっている
英語力を伸ばすために、リスニング力やスピーキング力を鍛えようとしがちですが、基礎がなければ英語力が伸びません。
英語の基礎知識とは語彙力と文法のことであり、英語の基礎力があればオンライン英会話で英語力が伸びやすくなります。「中学校レベルの英文法も不安」「日常レベルの英単語が出てこない」といった場合は、まず基礎力を鍛えるようにしましょう。
基礎力が身についているかどうかは、以下のチェックポイントと判定基準で確認してみてください。
- 自己紹介が5文以上で言える
- 相手の質問の意図が理解できる
- 簡単な質問に即答できる
自己紹介が5文以上で言える
基本的な自己紹介には、以下の3つの要素が含まれているかを確認しましょう。
- 名前、年齢、出身地、職業、趣味について、それぞれ1文以上で説明できる
- 「I am」「I like」以外の文型も使える
- 過去形や現在進行形なども適切に使用できるレッスン以外に自主学習をしている
自己紹介例:
①My name is 〇〇. I’m from Tokyo, Japan.
私の名前は〇〇です。東京出身です。②I work as a sales representative at a tech company.
テクノロジー企業で営業担当として働いています。③I’ve been working here for three years.
この会社に入って3年になります。④In my free time, I enjoy playing tennis.
趣味はテニスです。⑤I started playing tennis when I was in college.
大学生時代にテニスを始めました。
相手の質問の意図が理解できる
英会話の基礎となるのが、相手の質問の意図を正しく理解することです。以下の3つのポイントから、あなたの理解度をチェックしてみましょう。
- Wh疑問文(What, When, Where, Why, How)の内容が即座に理解できる
- Yes/No疑問文と選択疑問文の違いがわかる
- 過去の出来事を聞かれているのか、未来の予定を聞かれているのか区別できる
1つ目は、質問の基本となる疑問詞(5W1H)を理解することです。「何を」「何が」(What)、「いつ」(When)、「どこで」「どこに」(Where)、「なぜ」(Why)、「どのように」(How)といった質問の意図を、考え込まずに判断できていれば問題ありません。
2つ目は、質問の種類を区別できることです。質問には主に2つのタイプがあります。1つは「はい」「いいえ」で答えられるYes/No疑問文です。
例えば「コーヒーは好きですか?」(Do you like coffee?)のような質問です。もう1つは選択疑問文で、「コーヒーと紅茶、どちらが良いですか?」(Would you prefer coffee or tea?)のように、複数の選択肢から選ぶ質問です。
3つ目は、時制の違いを理解することです。質問が過去のことを聞いているのか、現在の状況を聞いているのか、それとも未来の予定を聞いているのかを正確に判断する必要があります。
簡単な質問に即答できる
自然な会話を続けるには、基本的な質問にすぐに答えられることが大切です。あなたの応答力を、次の3つの観点からチェックしてみましょう。
- 3秒以内に適切な応答ができる
- 単語だけでなく、完全な文で答えられる
- 追加情報も含めて答えられる
会話例①:
休日はどうでしたか?
とても良かったです!友達と買い物に行って、映画を見ました。
会話例②:
普段何時に起きますか?
7時30分の電車に乗る必要があるので、普段は6時30分に起きます。
これらのチェックポイントのうち、2つ以上が「できない」または「自信がない」場合は、基礎力を見直す必要があるかもしれません。特に、即答できない、文を組み立てるのに時間がかかる場合は、文法の復習から始めることをおすすめします。
レッスン以外に自主学習をしている
英語力を伸ばしている人は、レッスン時間以外にも英語の勉強をしている人が大半です。
いくら効率的に勉強しているとはいえ、ある程度の英語学習時間が確保できなければ習得できません。オンライン英会話のレッスンに加え、毎日30分~1時間程度は学習時間を確保するようにしましょう。
以下の例を参考に、日常生活の中で英語を学ぶ時間を上手く組み込んでみてください。
1日1時間を目標とした学習例:
- オンライン英会話(25分)で話す練習
- 通勤・通学時(15分)でリスニング
- 昼休み(10分)で単語学習
- 就寝前(10分)でその日習った表現の復習
また、英語の勉強といっても、常にきちんと机に座ってテキストと向き合う必要はなく、通勤・通学の移動時間など、隙間時間を活用するのがおすすめです。
また、日本にいると生活の中で英語に触れる機会が少ないため、以下のような工夫をするとよいでしょう。
携帯電話の言語を英語にする
Instagramを開くのではなく、英語アプリを開く癖をつける
移動時間はPodcastでリスニングする、英語のYouTubeを見る
このように、生活の中で自然と英語に触れる機会を作ることで、無理なく勉強時間を確保できます。
英語を学ぶのではなく実践の場にする
オンライン英会話のレッスン時間は、英語を学ぶのではなく実力を試す場所と考え、英語力を試すために実践形式で取り組んでいる方も英語力が伸びやすい傾向にあります。
もちろん、オンライン英会話のレッスン時間に新しく学ぶこともありますが、学んだ英語をアウトプットし、会話力を試す場所として活用できればグンと英語力が伸びるでしょう。
オンライン英会話を効果的な実践の場として活用するために、レッスン前には話したいトピックを3つ程度用意しましょう。
例えば、最近見た映画、週末の予定、仕事での出来事など、自分が興味を持って話せる話題を選びます。また、そのトピックで使いたい表現をメモしておき、予想される質問への答えも事前に考えておくと、スムーズな会話ができます。
その際、単語だけの応答を避け、文章で返答することが重要です。
例えば “Do you like coffee?(コーヒーは好きですか?)” という質問に対して、”Yes, I love coffee. I usually drink it every morning.(コーヒーは大好きです。毎朝飲んでいますよ。)”のように、付加情報を含めた回答をしましょう。
予習・復習をしている
英語力が伸びない人の特徴でも解説した通り、オンライン英会話で英語力を伸ばすには予習・復習の時間が重要になります。そのため、「予習→レッスン→復習」のサイクルが習慣化している方は、英語力が伸びるでしょう。
予習は、レッスンを最大限活用するための大事な準備段階です。しっかり目的意識を持って取り組むことで、レッスンでの達成感や充実度が大きく変わります。話したいトピックについて使用したい表現や単語をリストアップし、簡単な英文を作っておくと効果的です。
復習は、レッスン直後に15〜20分程度かけて、講師からの修正点を整理し、言えなかった表現をメモします。また、新しく学んだフレーズを書き出し、レッスンを録音していた場合は聞き直すことで、学習内容をより記憶しやすくなります。
自分がレッスン・会話をリードする
生徒自身がレッスンの主導権を握り、会話をリードするスタイルが実践されている場合も、英語力アップが期待できます。
レッスンの主導権を握ることで、受け身の学習から能動的な実践の場へと変わります。単に “Yes” などの返答ではなく、質問したり、意見を述べたりする機会が増え、実践的な英語力が身につきます。また、自分の興味のある話題で会話ができるため、モチベーションの維持にもつながります。
レッスンをリードする力は、段階的に身につけていきましょう。初めは、自己紹介で伝えることを増やしたり、週末の予定など身近な話題について1分程度話したりする練習をしてみましょう。
慣れてきたら映画の感想やレストランの紹介など、より複雑な話題にチャレンジしていきます。自分から講師に話かける機会を増やして、どんどん質問をしていきましょう。事前に会話を予想しておくのも勉強の1つとなります。
もう少しレベルが上がってきたら、より深い会話や幅広い語彙を身につけることを目標にしていきましょう。ニュースやトレンドについて意見したり、社会問題についてディスカッションしたりと、今まで挑戦できなかったトピックを選ぶのがおすすめです。
オンライン英会話のレッスン時間は自由度が高いので、自分のペースで少しずつ主導権を握る練習をしていくことが大切です。工夫して充実度の高い内容にすることで、確実に英語力アップにつながっていきます。
主導権を握る際のポイントは、完璧を求めすぎないことです。多少の間違いがあっても、積極的に会話をする姿勢こそが重要です。
【時期別】オンライン英会話で必ず来る”伸び悩み期”とその対処法
あなたは今、オンライン英会話を始めてどのくらい経ちますか?実は、学習期間によって感じる「壁」は大きく異なります。特に3ヶ月目は、多くの学習者が「英語が伸びない」と感じやすい時期なのです。
なぜ3ヶ月目に最も伸び悩むのか、その理由を理解することで、効果的な対策を立てることができます。さらに、各時期に特有の課題とその突破法を知ることで、より効率的に英語力を伸ばすことができるでしょう。
なぜ3ヶ月目に最も伸び悩むのか?
オンライン英会話を始めて3ヶ月目が、最も「英語が伸びない」と感じやすい時期です。初めの2ヶ月間は、「英語が話せるようになった!」という新鮮な達成感があります。しかし、3ヶ月目になるとその変化が緩やかになり、停滞を感じ始めます。
また、基本的な自己紹介や日常会話には慣れてきますが、より深い会話や複雑な表現になると急に話せなくなり、毎回同じような会話パターンの繰り返しになりがちです。この時期は、それまでの「とにかく話す」だけの学習では限界が見えてきて、より効果的な学習方法を見つける必要がある転換期でもあります。
時期別でわかる停滞期の特徴と対策
ここからは1か月目、3か月目、3か月以降と3つの時期によって変わる伸び悩みの原因と対策をご紹介していきます。
1か月目:初期の壁
最初の1か月は、多くの人が緊張と不安を感じる時期です。講師の英語が聞き取れない、緊張して思うように話せない、文法を考えすぎて会話が止まってしまうなどの状態に陥りやすいです。
この時期を乗り越えるには、小さな目標設定から始めることが重要です。「今日は3文以上話す」など、達成可能な目標を立てましょう。また、レッスン前の準備も大切です。話したいトピックを3つほど用意し、よく使う表現をメモして手元に置いておくと安心です。
3か月目:誰もが通る”伸び悩み”の時期
この時期は、基本会話はできるようになっているものの、それ以上の上達を実感できない時期です。言いたいことが複雑になると途端に詰まってしまい、モチベーションも大きく低下しがちです。
ここで重要なのは、英語の現状把握と学習方法の見直しです。まずは今の英語力を知るために、よく使っている単語やフレーズをピックアップしてみましょう。会話中に何度か使っているものを言い換えてみます。そして、次回のレッスンで新しく覚えた単語を使うことで、自分の伸びしろを感じられます。
成功体験が薄れている時だからこそ、よく使う言い回しを別のものに言い換えて「できた」を増やしましょう。
また、選んでいる教材が「日常会話」であれば「発音」や「文法」など、違う分野から学んでみるのもおすすめです。
3〜6か月:長く続けていく壁
3〜6か月目は、上達のペースが遅く感じ始め、レッスンがルーティン化して刺激が少なくなる時期です。目標も漠然としてきやすいです。
この時期は、TOEICなど具体的な指標を設定することで、モチベーションを維持しやすくなります。また、専門分野に踏み込んだり、複数の講師を活用したりすることで、学習に変化をつけることができます。
それぞれの壁は、英語学習において誰もが通る道です。特に3ヶ月目の壁を乗り越えられるかどうかが、その後の成長を大きく左右します。自分の学習段階に合わせた対策を選び、学習を続けることで確実に英語力を向上させることができるでしょう。
まとめ
今回は、オンライン英会話で英語力が伸びない人と伸びる人の特徴を解説しました。
オンライン英会話を受講するだけで他に一切英語の勉強をしていない、講師にレッスンを任せている、英語の基礎力に不安があるといった場合は、オンライン英会話を受講しても英語力が伸びにくくなります。
オンライン英会話は英語を学習する場ですが、レッスン時間があくまで英語学習の一部として考え、予習・復習や日常的に英語に触れる機会を作ることが大切です。また、目的意識を持ち、レッスンも生徒がリードするように取り組むと、英語力アップが期待できるでしょう。
オンライン英会話を受講しているのに英語力が伸びないと悩んでいる方は、ぜひ今回の記事を参考に効果的な学習スタイルと見つけてみてください。